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9月15日(土) 竹中工務店東京本社に於いて
社団法人 東京建築士会 が主宰する 「銀座建築デザイン大学」
が開催されました。
テーマは
『建築技術技能教育としての左官伝統工法の美と用を学ぶ』
『日本の伝統工法「鏝絵」の世界へようこそ!!』 です。
先ず講義は講師 鈴木 光氏
(鈴木建塗工業(株) 代表取締役)による、
「日本各地の建築物と左官仕上げについて」
1.日本の壁とは
2.左官道具のいろいろ
3.左官材料の硬化のメカニズム
4.養生の方法
など、パワーポイントを使て解り易く、他では聞けない
左官の世界を詳しく面白く聞かせて頂きました。
鈴木先生は日本各地で左官と塗り壁の良さを広める為
公演活動をされています。
次に、
ワークショップ 『日本建築の伝統と技を知り鏝絵を描きましょう』 が、
講師 大久保 雅一氏
(ミヤビ工芸 代表)
によって行われました。
1.下絵を描く
2.色漆喰絵具の作り方
3.鏝絵の制作順序
4.養生の方法
など、実際に制作し指導してもらえる講義です。
大久保先生の素晴らしい作品も展示されています。
さあ、一通りの講義を受けて制作開始です。
予め用意された鮮やかな色漆喰です。
いつもお世話になっているイケメンワークマン
綿引氏が参加されていました。
氏の技を拝見しましょう。
先ずは、透明なトレースシートにデザインを
書き込みます。
次にトレースシートをカットし、型抜きを作ります。
型抜きしたシートを塗り付ける板にテープで止めて
固定します。
今回キャンパスとして使うのは
田川産業(株)の 「ライミックス」 です。
そして色漆喰の塗り付けです。
濃色と薄色を巧に混ぜ合わせて銀杏の葉を作っていきます。
さすが綿引氏、扱い慣れた自前のこだわり鏝で型に塗り付けます。
型に沿って自然に厚みを付け、塗り上げたらシートを外します。
ゆっくりとめくっていくと・・・。
オオッ!
見事に塗り込められた秋の銀杏の葉です。
このあたりから周りの視線を集め始めます。
イヨッ 綿引 カッコイイぞっ!!
これまた、秘蔵の美しい鏝を取りだし葉の縁を、
丁寧に揃えていきます。
細かい所まで綺麗に納めました。
秋を彩る銀杏の葉。
とても素敵な出来映えです。
完成品を手に納得の綿引氏、イイ顔してますね。
他のご参加の皆さんも、終始笑顔で楽しんでおられ、
作品も秀作が多く大久保先生も驚いておられました。
自然素材で作る作品は人の心を癒し笑顔を生んでくれます。
左官の技術と自然素材の材料で造り出す世界は健康的で
素晴らしく、大きな可能性を秘めている事を実感しました。
今日の講義は大変有意義な内容で、これからの家造りにおいて
とても大事なことを教えて頂きました。
東京建築士会の皆様、鈴木先生、大久保先生、
そして、ご参加の皆様、ありがとうございました。
投稿時間 : 12:29 個別ページ表示
世の中にはとても嬉しいことがあるものですね。
本当に素晴らしい塗り壁事件が起こったのです!
何故嬉しかったかは最後に・・・。
それは、銀座7丁目の粋な割烹料理店での出来事でした。
素晴らしい 「沖縄土 大津磨き壁」 です。
先ずは、3連発で見事な大壁の仕上がりをご覧下さい。
如何ですか、この虫籠窓の美しさ!
小沼左官 小沼氏にお声を掛けて頂き大津壁の施工を見学させて頂きました。
それでは施工行程をご紹介します。
ハンダ土(中塗り土+石灰+角叉のり+ワラスサ)を塗り付けた
下地壁です。
充分に乾燥した下地はガチンガチンで非常に強度が出ています。
そこへ、灰土(聚楽土+石灰+みじんスサ)を塗る前に水湿しを
行います。
灰土の塗り付け開始です。
周り縁から素早く均一に塗り付けます。
土物の塗り付けは水との勝負。
下地の水引具合や表面の乾燥具合などバランスと
タイミングを取るのが大変です。
なるべく全面が時間差なく塗終えるよう作業します。
この段階で仕上げ?
と言って良いほど綺麗に平らに押さえ込んで行きます。
押さえ込んで行くと水分の多い部分が出てきます。
ムラ乾きを調整し全面同一な下地にする為、
新聞紙を貼り付けてその上を鏝で押さえ水分を吸い取ります。
手の平で触れて確認し何度もこの作業を繰り返します。
下地の段階でこんなに手を掛けているんですね。
さあ、大事に寝かせて置いた逸品!
引土(色土+石灰+紙スサ)の塗り付けです。
先ずは虫籠窓の周りから慎重に。
下地に擦り込むように素早く均一な厚みで塗り付けます。
この行程で2回塗り付けを行います。
2回引土を塗り終えた後、水引具合を見て全面押さえに入ります。
鏝に力と心を込めて真剣に壁に向かう小沼氏です。
湯河原の長田左官工業 長田氏がスーパーミンク掛けを起こない
表面に浮いた水分を拭き取ります。
木村左官工業所の木村氏も技を駆使しての大津磨きです。
奥の間は本格的聚楽壁の日本間です。
大津壁と最高の和のコンビネーションですね。
虫籠窓越しに見る小沼氏の仕事振り。
大津壁に真剣に取り組むその表情は・・・
冗談ばかり言っている普段の姿とは打って変わって激マジです!
そして作業は細かい部分へと入って行きます。
神経を集中して面を取ります。
ただ面を取るだけでなく、大津壁の場合は押さえ磨きながらの作業で
ひたすら慎重にじっくりと進めて行きます。
大壁と同じ面の役物は同時進行で仕上げるため、
仕上げて行く時間にも制限があり大変難しいそうです。
Rの部分は斉藤左官 斉藤氏の京都で鍛えた腕の見せ所です。
巧みな決め技に目を奪われます。
見事に仕上がった大津壁です。
見つめていると何か夢の中に居るようで、
感激の時間に浸らせていただきました。
何て素晴らしい美しい 「壁」 でしょうか!
道具箱の中にある鏝は宝物です。
緊張から解放された時、皆でそれを手に取って
語り合う鏝談議は素晴らしい逸話です。
そして、何より最高なのはその笑顔です。
納得の行くまで、何処までも技を追求し続ける
本物の男の笑顔です。
良い仕事を見せていただきました。
やはり実際に現場で拝見するのがとても良い勉強になります。
この様な大きい大津壁の施工は滅多に見られません。
ありがとうございました。
そして、最初に申し上げたとても嬉しかった事・・・。
実は、このお店のオーナー様が、以前6月頃に弊社展示室に
お越し下さり、大津磨きをご覧になっていたのです。
その時立ち会わせていただいた私はその熱心なお気持ちに
お応えしようとあれこれご案内をさせていただきました。
偶然とはいえ、現場でご挨拶した時はとても驚きました。
オーナー様の本物を求めていただいた結果が、
この大津の大壁に繋がったのかと思うと嬉しくてたまりませんでした。
建材屋冥利に尽きる一日でした。
オーナー様、本当にありがとうございました。
心から感謝申し上げます。
こちらで頂くお料理とお酒はさぞ美味しい事でしょう。
一生懸命仕事して、いつの日か伺えるよう頑張ります。(夢)
投稿時間 : 10:09 個別ページ表示
美味しいお食事の前に!
ご案内 詳しくは クリック!
↓
11月に 第3回 漆喰・土壁 技術講習会を、 挾土 秀平氏をお招きして
開催します。皆様のご参加をお待ちしております。
さてさて、八丁堀と言えば 「マル」 ですね。
皆様、嬉しいニュースをお知らせします。
マル3Fのみ、今月9月から第1・3土曜日に営業してくれる事になりました!
てな訳で、今宵は3Fで幸せな気分に浸ってみましょう。
本日はいきなりワインからスタートです。
このような日は飲みに入る体制で怖い・・・。
飲み比べしようと同時に2本セレクトしてもらいます。
こちらは 「シャトー・オー・バタイエ」
ボルドー ボイヤック村産 カベルネ・ソービニオンがベースで
メルロ、カベルネ・フランをブレンドした奥行きを感じるワインです。
3Fチーフソムリエ 「さゆりさん」 のお薦め通り、
濃い色合いでありながら単に重々しいだけではない
果実味、チョコレート、タンニンの風味をじっくりと楽しめます。
次に 「ニュイ・サン・ジョルジュ・ヴィエイユ・ヴィーニュ」
ブルゴーニュ サンジョルジュ村産 ピノ・ノワールのみの熟成型。
古樹から取れた葡萄で造ったワインです。
ふくよかな果実味を楽しめる余韻の長い高級感のあるワインです。
飲むぞ〜 食べるぞ〜 の勢いで、
メニューを見て機関銃をぶっ放すごとく注文します。
お料理が出来上がる前に、「ドライトマトとオリーブの盛り合わせ」
すでに飲むペースが早いぞ!!
「鯛のカルパッチョ」
歯ごたえのある鯛の身は新鮮さの表れですね。
オーナー 松澤弘一郎氏が毎日直に築地で仕入れる活きの良い
魚介類は魅力です。
生ハム 「ハモンセラーノ」 とメロン。
熟成した美味しい肉質と適度な塩味加減は絶妙です。
ワインの相棒として欠かせません。
とても甘いメロンと相性バッチリ。
軽くかけてくれたバージンオリーブオイルが効いてます。
生ハムが出てくれば、反射的に必要なのがフランスパンです。
皆さんは生パン派、焼パン派、どちらですか?
どちらも美味しいので両方頼んじゃいます。
生ハムとフランスパンと美味しいワインがあれば何もいらない・・・。
甘〜い 「北海道産フルーツトマト」 です。
バルサミコをまとって美しくドレスアップしています。
「旬の野菜の炭火焼」
いや〜 彩り鮮やかな絵になる一皿ですね。
グリルする事で旬野菜の甘みがグッと増しています。
焼手の技ありです。
「地養卵とロックフォールチーズの鍋ごとトロトロオムレツ」
本当〜にトロットロです。
競争状態で食べていたところを、やさしい口直しで一息ついた感じ。
玉子の美味しさをゆっくりと味わいます。
いよいよメインディッシュに突入!
SPFポークの 「レバカツ」
揚げ過ぎずにレバーの甘みを引き出しています。
ころものサックリ感とレバーの柔らかさのハーモニーが最高です。
岩塩を少し付けていただくのもお薦めです。
そしてお目当ての 「骨付き仔羊背肉の鉄板焼」
野菜のグリル同様に、キッチンファイヤーマン伊藤氏が焼く技の逸品。
ジューシーで柔らかでまったく臭みの無い仕上がりに、
今夜も脱帽!!
無言で骨までしゃぶりつく自分に・・・
どんな顔して食べているんだ?(恥)
「ピーチ シャンパン ゼリー」
見た目も喉ごしも爽やかで感激!
オシャレなデザートですね。
美味しい時間はあっと言う間に過ぎ去るものです。
素晴らしいお料理とスタッフの皆さんの人柄に癒されながら
過ごす至福のバルは、大人の八丁堀ユニバーサルスタジオ?
進化し続ける、八丁堀 「マル」
連日満席の業界注目の手腕も拝見するのが楽しみです。
ありがとうございます。
さて、次回の予約をしておかなくては!
投稿時間 : 13:30 個別ページ表示
第3回 漆喰・土壁 技術講習会のご案内です。
11月10日(土) に、挾土 秀平氏をお招きして開催します。
詳しくは、弊社ホームページ 「新着情報」 をご覧下さい。
カリスマ左官 挾土 秀平の技を直に見るチャンスです
是非皆様のご参加をお待ちしております。
好評受付中!
早目のお申し込みをお願い致します。
投稿時間 : 08:53 個別ページ表示
昨日9月2日(日)
京都左官協同組合青年部 結成50周年記念式典が
京都ホテルオークラに於いて盛大に開催されました。
当日受付後に迎えていただいたのは、さすが京都ならではの
京都左官協同組合婦人部の皆様のお茶のご接待です。
歓迎の京都のお菓子とお茶のお持てなしに緊張しました。
式典は、倉 卓也 青年部長様の心のこもったご挨拶から始まりました。
その後、記念シンポジュームが開催されました。
コーディネータは 佐藤ひろゆき氏
パネラーは 久住 章氏
浅原 雄三氏
奥田 信雄氏
テーマは 「壁の心」 塗り壁の過去、現在、未来
このメンバーが一同に会してのシンポジュームなんて滅多にありません。
わくわくしながら始まりを待っていると、さあ始まり始まり〜。
これからの若い左官の方々に伝えたい事を中心に、
濃い〜内容のお話が展開して行きます。
久住氏 「土壁の良さが京都から発信され、今ヨーロッパに
広がろうとしていて、日本の鏝が毎年千丁近く
ヨーロッパの国々へ輸出されています。
聚楽の本質を知ることで、塗り壁すべてにおいて
対応できます。
技術に対し真摯に! 大事な事を大切に!」
浅原氏 「先達の話を良く聞きましょう。お昼休みでも、
お茶の時間でも、皆が一緒になって親方を囲み
語り合うことが技術の進歩につながります。」
奥田氏 「京都の壁が如何に優秀か、如何に凄いかを皆さんと
立証して行きたいと思っています。
親方の塗った壁を無条件に尊敬することです。」
佐藤氏 「自分で懸命に学んだことを、次に弟子や後輩に教える
ことが一番の勉強になります。」
カリスマ左官の皆さんの熱き言葉が身に浸みた
シンポジュームでした。
祝宴では、伊吹文部科学大臣をはじめ蒼々たる列席者が揃い
大変な盛り上がりでした。
左より、小林氏、浅原氏、久住氏です。
何と弊社の第1回 漆喰・土壁 技術講習会に参加して下さった
アメリカ人のエミリーさんです。(中央)
その後、京都で勉強されていることは聞いていましたが、
お目に掛かれるとは嬉しい限りです。
彼女は日本の土壁や漆喰の魅力に引かれ、
母国にその良さを広めたいと京都の地で勉強に励んでいます。
素晴らしいですね。頑張って下さい。
心から応援しております。
最後に奥田氏の印象的だったお言葉をご紹介します。
「自分が塗った壁は、はたして伝統工法に値するのか、
いつも自分自身に問いかけています。」
奥田氏の技を持ってしても出てくるこの言葉!
重みがあります。
名人ゆえ持つ飽くなき探求心に感激するばかりです。
奥田氏は真剣に良い土壁を伝承することを心から思っておられます。
日本を代表する土壁の本流京都を実感した50周年記念式典でした。
奥の深い伝統の世界をもっと知りたくなりました。
京都左官協同組合 青年部の皆様、ありがとうございました。
今後の益々のご発展をお祈り申し上げます。
投稿時間 : 14:34 個別ページ表示
ご案内 詳しくは クリック!
↓
11月に 第3回 漆喰・土壁 技術講習会を、 挾土 秀平氏をお招きして開催します。
皆様のご参加をお待ちしております。
さあ皆さん、9月になりました。
今月も頑張りましょう!
そこで、毎月開催している 「鏝サミット」 のお知らせです。
上記ご案内の通り、
今月は第3土曜日の15日に開催します。
どんな事をしているかと言うと・・・。
先日は千葉県から太田左官様が愛用の鏝をお持ちになり、
バランス調整と柄の付け替えを頼まれました。
東京金広さん、早速に仕上がりの希望を聞き出します。
ここからが腕の見せ所、口と作業の同時進行で何しろ早い!、
まずは、叩いて削って鏝表のゆがみを直しバランス調整をします。
そして柄の付け替えです。
使う人に合わせた高さ角度をピタッと決める技は見る価値あり。
出来上がった鏝をにぎり納得の太田様です。
希望通りに生まれ変わり喜んでいただきました。
現在お使いの鏝で使い勝手が悪く何となくしっくり来ないとか、
先が反ってきた、踏んで曲がってしまったなどありましたらお持ち下さい。
その場で見事に生まれ変わります。
是非ご利用下さい。
もちろん、多種多様の鏝も揃えて特別価格でご提供いたします。
皆様のお越しをお待ちしております。
投稿時間 : 09:54 個別ページ表示