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2009年02月28日
 ■ 一心居 京都 柚子雑炊

京都 八坂神社の門に向かって右隣に 「柚子屋旅館」 があります。
その中にある美味しいお食事処 「一心居」 で、
今日はお値打ちランチ 「柚子雑炊膳」 をいただきましょう。

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石積みの階段を登って玄関の中へ入れば、

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へっついと梅の花が・・・

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そして、柚子達が迎えてくれました。

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早速、お料理と参りましょう。

先ずはお通し、蕪の煮物です。
照りのある綺麗な仕上がりと実に上品な味付けで、いきなりはんなりさせられます。

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そして、綺麗な十五種類の 「おばんざい」 です。

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一品づつ説明がおこなわれます。
どれも手の込んだ物ばかりで、ご両人も黙って聞き入っておられます。

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「京野菜もいいですね。このようなお料理を食べていれば体に最高ですね」
などと言いながらビールをクィーっとイっちゃいます。

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さあ、お目当ての柚子雑炊です。
この世で間違いなく美味しさランキング上位に入る逸品です。
これを、お姉さんが優しくお茶会のような作法で調理してくれます。

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最初に、鍋の真ん中に鎮座する皮を剥いて軽く炊いた一個まるまるの柚子を、
上からギューっと潰します。
ウーン、柚子のいい香りが・・・。

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全員その仕草に注目!

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まだ固まっていない卵の黄身を一つづつ、お玉の頭で軽く叩くように潰していきます。

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崩れたその黄身をお玉で丸く回して広げます。
少し置いたら完成です。
ビューティフル! 結構なお手前で。

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それぞれに取り分けてもらい、

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いただきま〜す♪
柚子の香りが溢れ、半熟の卵と鯛の白身の上品な味、薬味のアクセントが効いて、
本当に美味しいんです。
しばし無言の柚子雑炊タイムです。

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柚子の香りを楽しみながら、春の到来を喜びます。

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デザートをいただきながら、今度はいつ京都に来られるだろうかと
嬉し楽し美味し過ぎての後遺症で、つい当ての無い先のことを考えてしまいます。

いつかは宿泊して、ここならではの柚子風呂にとっぷりと浸かってみたいな。
また来れるように、もっと頑張るぞという気にさせてくれる一心居でした。

一心居の皆様、心のこもったお持て成しをありがとうございました。

投稿時間 : 16:04 個別ページ表示

2009年02月21日
 ■ 蠱翕膩材 京都土処

予てより、京都でご活躍の久住誠氏からお話を聞いていた、
京都 京田辺市の蠱翕膩材様へお伺いして来ました。

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京都の南に位置するこのエリアは伏見に程近い、良質な土が取れる
羨ましい土処です。

ついに念願叶って見学出来る日がやって来たのです!

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早速にお目当てのプラントへ案内をしていただきました。
かなりの大きな敷地にストックヤードを構えておられます。

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中島社長様です。
充分に練り込んだ荒壁用の木津の土を手に取り、粘度とワラの繊維の
具合を確認しました。
今までに見たり触ったりした事の無い感じです。

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その土を捏ねるミキサーです。
想像を遥かに超える大きな設備に驚きました。

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ミキサーの上に登って見れば、

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乾燥したワラが山になってます。

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そして、そのワラを大量に切断するカッターです。

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その下に3立方メートル練りのミキサーが構えています。
ショベルで木津の土を入れ、上からカットしたワラを落として
大きな羽根をゆっくり回し約3日間練り込みます。
これは凄い!
確かにこれならしっかり練り込める訳です。

これだけ練ると土とワラが良く馴染み、ワラ自体の繊維も揉み解されて
しっかりとした強い部分が残りスサとしての役割を充分に果たせるのでしょう。

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こちらは屋根土製造用のミキサーです。

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屋根用は、伏見大亀谷の土で木津とは違った黄色です。
ウム・・・これが本物の大亀谷の色合いかと見入ってしまいました。

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その他、多種に渡る袋詰の設備も完備していました。

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これは、乾燥させて精製した木津のマサ土です。
中塗でも仕上げ用にも使える粘土質が素晴らしいマサです。
指で擦り付けると軽く潰れる質感です。
この様にストック出来るのが羨ましい限りです。

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前もって用意していただいた、木津の練り込み土の乾燥させた物を
見せてもらいました。

どうですかこのワラの状態!
固く締まった塊は割って見ればそのしっかりした状態が確認出来ます。
これが壁になるとしたらクラックも無い強い素晴らしい土壁に成る事は、
間違いの無いところです。
中島社長は、お客様の現場の用途に合わせて希望通りの配合の土も
作ってくれるそうです。
京都という場所柄、国宝、重要文化財等の建造物や伝統的工法の
建築物が多い地域で、その修復や新築の施工に必要な本物の土を
供給するスペシャリストなのです。

本気で良い土造りに取り組まれているのですね。
感動しました。

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こだわりの土を作り続ける中島社長様ご夫婦です。
何年掛けてここまで来られたのでしょうか?
その努力と姿勢に尊敬の念を抱かずにはいられません。

久住誠氏が仰っていた意味が良く分かりました。
「中島建材さんが無くては困るのです!」
この言葉が頭の中にこだまします。
そして実際に拝見して、建材店の本来在るべき姿を見せていただきました。

大変良い勉強をさせていただきました。
弊社も中島建材様のようにお客様に必要とされる店を目指します。
そして、本気で土のこと考えていきます。
中島社長様、久住誠様、 ありがとうございました。


投稿時間 : 18:14 個別ページ表示

2009年02月15日
 ■ 山本忠和 京都の左官伝統工法を受け継ぐ若武者

京都の左官伝統工法を若くして受け継ぐ、山本忠和氏をお訪ねしました。
山本氏がどんな仕事をしてるかって?

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先ずは、京都巡りと参りましょう。

日本三大祭りの一つ祇園祭りが開催される八坂神社の西楼門です。
この八坂神社の漆喰塗りは山本氏の手によるものです。

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重要文化財 安楽壽院の書院です。

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1795建立の美しい書院を庭園から眺めます。

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この漆喰壁も山本氏の技を駆使した作品です。

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そして今、その書院を取り巻く土塀の修復工事に取り組んでいます。

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永い時を経た、大きく長い本格土塀の弱くなっている土質に対処する為、
山本氏の高度な技量が発揮されます。
長期に渡る改修工事は我々の想像を超える大変な作業になる事でしょう。

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その他、各地に点在する文化財に山本氏の鏝技が生きています。

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どうですかこの素晴らしさ。
見る者の心に漆喰の美しさが写し込まれます。

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その技術を絶え間なく研究し続ける左官基地、
山本工業所をお尋ねしました。

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先ずは、1階の作業場件倉庫を拝見します。

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何処を見ても、建材店も真っ青なキッチリと整理整頓された用具、工具、材料です。
この真似はなかなか出来ませんよ本当に・・・。
山本氏のこの几帳面さが、仕事に生きているのですね。

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伝統的工法の実態を見極めるため、改修現場の壁や蛇腹の一部を持ち帰り、
研究を重ね施工に生かしていきます。

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2階へお邪魔します。
オオッ! 何だここは!?
全く想像もしていなかった空間が広がっています。

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これが、左官店の事務所ですかぁ〜
木と土とダルマストーブのファンタジックなアトリエです。
木のらせん階段には参りました。
夢を見ているようですね。

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室内の表札代わりに彫刻の鏝にご挨拶をいただきます。

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何やら趣のある重厚な木の飾り箪笥です。

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開けていただき中を拝見すれば、やはりそこにはこだわりのコレクション!
凄いの一言です。

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鏝を手に取ると山本氏の表情が引き締まり、仕事への情熱が伝わって来ます。

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同行していただいた小沼充氏も真剣に鏝を検分します。

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暖かさがじんわりと浸みてくるダルマストーブを囲み鏝談議が続きます。
建築に必要な道具は数々あれど、鏝ほど種類の多い物はないでしょう。
カタチ、大きさ、固さ、金質、焼き具合、材料によって、仕上げ方によってと、
限りがないほどです。
お話を伺っているうちに、左官の奥深さと魅力、面白さが分かってきたような気が
しました。
しかし何て過ごしやすい空間でしょうか。
時の経つのを忘れてしまう、ここで塗り壁の打ち合わせが出来たら最高でしょうね。
山本氏の作る世界は実に素晴らしく見事です。

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氏を一言で言うとカッコイイ左官屋さん。
行動を拝見していると、常に物事に対して真剣、際だつ集中力の持ち主で
几帳面、それでいて時には やんちゃ? と魅力一杯の人柄でした。
驚くのは、重要文化財等の伝統工法を地道に確実にこなしながらも、
現代に要求される新しい壁や土間の左官の世界を想像し造り、仕上げているところです。
山本氏の素晴らしい左官の世界を沢山勉強させていただきました。
そして、家族思いの優しさも。

お忙しい時にも拘わらずお付き合いご指導をありがとうございました。
山本様の今後の益々のご活躍をお祈りしております。

投稿時間 : 14:47 個別ページ表示

2009年02月08日
 ■ 神田 遠藤邸 古民家復元移築

以前ご紹介した神田明神に隣接する宮本公園内に移築中の、
遠藤邸がほぼ完成しました。

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足場が取れ全貌を現した遠藤邸は魅力的で迫力満点です。

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黒しっくい塗りの凛とした姿に、ただただ見とれるばかりです。

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南向きに面した表情はまた違った趣です。

千代田区有形文化財に指定された遠藤邸は戦前の木造建築の
商家で、昭和2年に内神田に建てられたものです。
遠藤家は江戸時代から続く材木商で、店舗・住宅兼用の材木商
ならではのこだわりの建物です。
昭和48年に府中に移築していましたが、伝統的な日本家屋の息遣いを
知ってほしいとの願いから神田への里帰りとなりました。

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遠藤邸には凝った部分が随所にあり、先ず最初に目に付いたのは、
出窓を支える持ち送りの飾りでめちゃくちゃお洒落です。

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小鳥が両側に今にも飛び立つかのように掘り出されています。
いきなりの可愛さにもの凄く感激です。

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いよいよ玄関から中へ入ります。
内壁は殆どが美しい本聚楽土の切り返し仕上げです。

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京都 佐藤左官工業所の藤原様が最終の仕上げを丁寧に行っています。
中外全ての壁に、藤原氏の鏝技が生きています。

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柱、欄間、源氏襖の木材の素晴らしさに土壁の質感が見事に
調和した伝統的和の世界が広がっています。

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襖を開けて振り返れば、竹で縁取った廻り縁が粋ですね。
竹と土がおりなす面の処理に絶妙な技が光ります。
何と美しい事でしょう。

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茶室の壁と、これまたお洒落な下地窓に感激です。
材木商人がこだわる銘木を更に引き立てるべく、
土壁の塗り厚を調整し柱一本々のしっかりと存在感を主張させる
藤原氏の高度な技術に感動せずにはいられません。

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佐藤左官工業所の本領発揮!
稲荷山黄土の本炉壇です。
研ぎ澄まされた高度な技が覗える逸品です。
ここで開かれる素晴らしいお茶会が想像されます。

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2階の広間です。
どうですかこの伝統的日本家屋の息遣い!

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網代天井、透し彫り欄間、襖、障子等、多くの部材は一端京都へ運び込まれ
十分な手入れを行ってから再び神田に持ち込まれました。
そして畳、土壁、どれもが究極のこだわりの世界です。

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扇型の飾り窓です。
随所にお洒落心がいっぱいです。

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竪繁障子もご覧の通り。
その美しさに声を無くします。

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障子を開けると隣接する神田明神が見えます。

「戻って来ました」 「お帰りなさい」
ご挨拶の声が聞こえたような・・・。

本物の日本建築を見る機会が少ない今、
神田宮本公園にその良さを実感できる遠藤邸が竣工します。
多くの人に見て頂きたい本来の日本家屋です。
築約80年を越えて、2回の移築を行い更に活き活きと再生する日本家屋に
大きな感銘を受けました。
木や土、自然素材を扱う原理原則を踏まえた建築だから成せる技ですね。

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改めて木造住宅建築の奥深さを知りました。
そして、本来追求するべき快適住居が何かを見せていただきました。

遠藤家の皆様、京都 中村外二工務店様、佐藤左官工業所様、
庭師 にわ耕様、ありがとうございました。

投稿時間 : 11:36 個別ページ表示