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2008年09月30日
 ■ 神田 宮本公園 移築現場

第5回 漆喰・土壁 技術講習会 好評受付中
10月19日(日)開催 富沢建材株式会社
詳しくは「富沢建材ホームページ 新着情報」 をご覧下さい。

神田明神のすぐ隣にある宮本公園内に大きな古民家の移築工事が
行われています。

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昭和2年に神田橋に建築された店舗兼住宅で、その後府中に移築、
更にこの度神田への移築となりました。
大手材木問屋の建物だけにしっかりとした蔵作りの構造は2回の移築に
びくともしません。

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この移築にあたっては、古民家再生で有名な京都の中村外二工務店様が施工、
左官にはやはり京都の名工、佐藤左官工業様が入っておられます。

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外部仕上げは、黒漆喰塗だそうです。
本日は二階の屋根下からのハンダ中塗が行われていました。

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上げ裏も全て塗物です。

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横長手のハンダ塗りではかなりの長さを糸と定木貼りで、
正確に面を出していきます。

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糸に合わせ下付けをする斎藤氏です。

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下面を決める為、定木を貼っていきます。
藤原氏(前)が鍛え上げられた技で正確に位置決めをしていきます。

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ビシッと決まりました。

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下場を決めていく、本田氏です。

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しばし藤原氏の鏝さばきを見せていただきました。
ハンダを鏝板に取り、使いこなした地金の鏝の先に、

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少しづつひょいっと乗せて、

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正確にポイントへぶつけて抑え込んでいきます。
そのリズミカルな動きに思わず見惚れてしまいました。

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その後定木ずりをしますが、当たる部分を見てもさすが殆ど凹凸は有りません。
完璧な面を作り出します。

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そして定木を慎重に外します。

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最後に鏝を当てて刷毛を引いてハンダ中塗を終えます。
まるで仕上げ塗の様な丁寧さです。
今日は定木を使う本物の技をたっぷりと拝見させて頂きました。

ピーンと通った角面はお見事です!
見ているこちらも気持が一本通った様な爽快な気分になりました。
実はこれだけ長い角を通して見せるには何やら隠し技があるようです。
伝統左官工法の隠された秘密にもっと迫ってみたくなった一日でした。

中村外二工務店 後藤様、
佐藤左官工業 藤原様、本田様、
斉藤左官 斎藤様、
ありがとうございました。
引き続き勉強させて下さい。よろしくお願い致します。

投稿時間 : 09:02 個別ページ表示

2008年09月26日
 ■ 技術講習会準備

技術講習会準備の様子をお知らせいたします。

第5回 漆喰・土壁 技術講習会 好評受付中
10月19日(日)開催 富沢建材株式会社
詳しくは「富沢建材ホームページ 新着情報」 をご覧下さい。

技術講習会が間近に迫ってまいりました。

当日、伊勢磨きにチャレンジして頂く方用のパネルの製作が
行われました。

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いつもの様に平成会の皆様にお手伝い頂きました。
先ずは枠作りからスタート、まるで大工さんの様に大工道具を
広げて、手慣れた作業で作り上げていきます。

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平成会の阿嶋会長がわざわざ? 応援に駆け付けて下さいました。
作業場の空気がパッと明るくなります。

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阿嶋会長もお見えになったので、本日のサプライズ!
台東区の田中左官工業所 田中氏に平成会の半纏が手渡されました。

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枠が完成した所で、塗り付けへと進みます。
講習会講師の西川氏に書いて頂いたレシピに基づき材料を調合します。

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先ずは下地にBドライをしごき塗します。
木村左官工業 木村氏です。

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15枚のパネルがアッという間に下擦り完了です。
忍者左官 小沼氏です。

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次に中塗の土を配合します。
愛知小牧 丸林製土所の中塗土にひだしスサのみの配合です。

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土1にスサ1,2の割合で配合します。
砂は入れません。

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かなり粘り気のある調合になりました。

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下擦りに追っかけ中塗土を下付けします。
上野左官 上野氏です。

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中塗土の下付けが乾燥後、中塗がおこなわれました。
塗り厚の確認をしています。
定規で若干センターに厚みが出ているのを確かめます。
上々の様です。

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慎重に塗付作業が行われています。
田中左官工業 田中氏です。

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木村氏が地金チリ鏝でチリ周りを塗り始めました。

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仕上がった中塗の仕上げにチリ刷毛で丁寧に掃除をする
小沼氏です。

この様に、いつも多くの皆様にお手伝いを頂き準備を進めております。
気分が盛り上がって来て、当日がとても待ち遠しいですね。

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そして、とても勉強になった左官三昧の一日でした。
技術的な面や鏝やチリ刷毛等の道具についてなど、
普段聞けない貴重な話を沢山伺えました。

見逃せないのがお宝(道具)拝見です。
上の写真の籐で出来たこだわりチリ刷毛の様に、
その日持ち寄るお宝は見事なものばかりで、
登場する度、話が大盛り上がりです。

私にとってとても楽しい贅沢な時間を過ごす事が出来ました。

お世話になりました、上野様、木村様、小沼様、田中様、
本当にありがとうございました。

投稿時間 : 10:53 個別ページ表示

2008年09月21日
 ■ 漆喰の魅力

漆喰の魅力

第5回 漆喰・土壁 技術講習会 好評受付中
10月19日(日)開催 富沢建材株式会社
詳しくは「富沢建材ホームページ 新着情報」 をご覧下さい。

健康・エコ・自然素材
今注目のテーマですが、その全てに叶う建材が漆喰です。

漆喰は、消石灰・麻スサ・海藻のりを配合した天然の壁材です。
石灰は鉄の精製、水の浄化、消毒、医療用、食品添加など多くの物に有効利用されている
100%国内資源の素材です。
そして、石灰の特徴は空気中の二酸化炭素を吸って硬化し、石に戻っていく性質を
持っています。CO2 削減に役立つ訳です。
石灰を主成分として、つなぎに麻スサ、海藻のりを混ぜて壁材として使われているのが
漆喰です。
自然素材だけで出来た漆喰の壁は、特に室内においては二酸化炭素の吸着や調湿機能を
発揮し健康的な最高の環境を作り出します。

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弊社が在庫する、お薦めの漆喰材をご紹介致します。

左  九州  田川産業 城かべ(粉体)
中  高知  田中石灰 たなか壁 (粉体)
右  栃木  村樫石灰 村樫のしっくい (粉体)

自然素材調合済みの白い漆喰です。
伝統的製法で焼き上げた良質な石灰を使っています

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上右  田川産業  古代漆喰 上塗用(練り)
上左  田川産業  古代漆喰 外部用油入り(練り)
下右  田川産業  城かべ 黒しっくい(粉体)
下左  田川産業  城かべ 屋根しっくい 油貝灰入り(練り)

本格的練りしっくいです。
厳選された海藻を炊きのりにして練り込んであります。      
黒しっくいは粉体でありながら水で練るだけで真っ黒なしっくいになります。

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右  田中石灰  純黒(練り)
左  田川産業  ほんねり(練り)

純黒は土佐しっくいの特徴を活かして、その名の通り見事な黒を表現します。
ほんねりは炊きのりしっくいの良さを、練り込みで使い易くしてあります。

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今注目の、
田中石灰  タナクリーム シリーズです。

#300 外部用   
#200 内部用
#100 フレスコ用
N−20 中塗り用

高度な技術で生石灰を消化しクリーム状にした、しっくい生石灰クリームです。
薄塗り、厚塗り、全ての建物の条件に合わせて納得のしっくい壁を作り出します。

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田中石灰  純ねり(練り)

高知土佐で育まれた純度の高いしっくいです。
塩焼灰に発酵したワラを混ぜただけの、糊も混ぜないピュアーなしっくいです。
本来石灰の持つ特徴を最大限に発揮する優れ物です。
それは、台風銀座と呼ばれる高知土佐地方に100年経てもしっかりと美しく構える
現役の壁面を見ることで証明されます。
妥協の無い伝統的しっくい作りの良さを活かした歴史のある商品です。

弊社在庫のしっくい材の一部をご紹介しました。
どれもがこだわりの一級品です。
日本の建築に最も適した壁材、しっくい壁の良さは、時代を超えて今最も
注目される建築材料です。
地球規模の環境問題を含め、あらゆる環境改善に役立つ石灰をもっと勉強して
広めて行きたいと思います。

しっくいで建てた家の健康的な過ごし易さ、快適さを多くの皆様にご紹介出来るよう
自然素材を扱う建材店として建築に携わる皆様と頑張って参ります。


投稿時間 : 14:52 個別ページ表示

2008年09月08日
 ■ 第5回 漆喰・土壁 技術講習会のご案内

第5回 漆喰・土壁 技術講習会 好評受付中
10月19日(日)開催 富沢建材株式会社

今回は伊勢磨きをテーマに、お伊勢さん名物「赤福」の へっつい の技法を
再現していただきます。

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             ↑
兵庫県篠山150年古民家再生 伊勢磨きへっつい施工の様子
(この後に見事な伊勢輝きの仕上がりを知る事になるのです)

三重県を代表するこだわり左官、尾崎氏、西川氏、松木氏が、幾重にも手間を掛け
仕上げて行く、あっと驚く究極の技を皆様の目でお確かめ下さい。

当日は、久住章氏、挟土秀平氏にもお越し頂きます。
皆様のご参加をお待ちしております。

詳しくは「富沢建材ホームページ 新着情報」 をご覧下さい。
               ↑
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なるべく早目のお申し込みをお願い致します。

投稿時間 : 14:06 個別ページ表示

2008年09月06日
 ■ 二毛作 おでん 東京葛飾立石

第5回 漆喰・土壁 技術講習会 好評受付中
詳しくは「富沢建材ホームページ 新着情報」 をご覧下さい。

京成立石駅と言えば、もつ焼き 「宇ち多」 が有名ですが、
その斜め前に、おでん 「二毛作」 と言うシビレるお店があります。

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立石仲見世商店街は昭和の雰囲気そのままの、
素晴らしい美味しい散歩道です。

その中ほどで、日曜日も2時から営業している二毛作へ突撃!
一番乗りです!!

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楽しみにしていた瞬間です。
暖簾をくぐると右手にお品書きの黒板が魅力的に迎えてくれます。

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テーブルにもお薦めメニューが置いてあり、どれにしようか迷ってしまいます。

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先ずは生ビールを頂きます。

久々にフリーな日曜日、丸の内で映画を見て午後2時に立石に到着。
明るい日差しを感じながら昼間から一杯やる幸せに、長生しなきゃと
思うのでした!?

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お通しはフランスパンにツナと玉ねぎのサラダです。
おでん屋さんなのにお洒落ですね。

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連れは、「サイダー・ストロングボウ」 と 「トマトハイ」 を注文。

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最初のオーダーは 「茹で上げピーナッツ」 です。
柔らかくて甘くて美味しいです。

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そしてこだわりのお料理へと行きましょう。

「スペシャルとろろ」 じゅんさい・おくら・うに・いくら 
薄い綺麗なグラスの中に集合です。
良く掻き混ぜて口に含めばとても美味しい贅沢とろろです。

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「生マグロの中落ち」 は、しっとりと生ならではの食感で、
新鮮さを楽しめます。

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こちらも新鮮、「本つぶ貝の刺身」 です。
これを手前のうにを溶いた醤油に付けて食べれば、
つぶ貝のコリコリと、うにの甘いとろみに参った参ったの旨さです。

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良く煮込まれたさっぱり系の 「牛すじの煮込み」 で、
口の中で溶けてしまいます。

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さて、いよいよおでんを注文します。
定番のはんぺん・竹輪麩・玉子・餅入り茶巾です。
おでん種は言うに及ばず、関西風の薄口醤油と美味しい昆布の
出汁がしっかりと浸み込んだお味はさすがです。
何故そんなに美味しいかって?それは・・・お隣がマスターのご両親が
経営する、おでん種専門店「丸忠蒲鉾店」なんです。

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てな訳で、ここからはお目当ておでんと行きますか。

「トマトのおでん」 です。
丸ごと出汁で煮込まれた甘いトマトをハフハフ言いながら、
スープと一緒にいただくと、他で食べるのと違う!
これは何だと、美味しい感動です。

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そして、「青のりのおでん」 です。
これまた驚きの美味しさです。
おでん出汁と青のりの風味が最高!
声を失う逸品です。

14〜5人で一杯になるお店は、スタッフの皆さんのカッコ良く
気の利いた接客と美味しい料理でいつも満席です。
料理、飲み物の品数が豊富、美味しさと夢が一杯のお店で、
誰でも楽しめる立石の名店ですね。

投稿時間 : 13:02 個別ページ表示

2008年09月01日
 ■ 左官伝統工法 荒壁講習会

第5回 漆喰・土壁 技術講習会 好評受付中
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8月10日・17日(日)の二日間に渡り、
東京都立城東職業能力開発センターに於いて、
左官伝統工法 荒壁講習会が開催されました。

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熱心な多くの参加者を得て、東京では今までに無い
本格的な荒壁の実習体験の場が用意されていました。

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講師に久住章氏を迎え講習会のスタートです。
氏の高度な技と溢れる知識を学ぶチャンスです。

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先ずは刈り込んだままの長いワラから、土に練り込む
ワラスサを作ります。
押し切りを操作して5〜6センチにカットしますが、
見ていると怖いくらい手早く刻んでいきます

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長いワラの一部で貫を塗る時に伏せ込むカキワラを作ります。
キッチリと長さを揃えて束ねておきます。
どの様に使うかは後ほど。

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さあ、荒木田土の練り込みです。
ミキサーで砂を配合し水を加えながら適度な状態まで
攪拌して取り出します。

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そこへ、5〜6センチに切ったワラをどっさりと乗せていきます。

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ワラが平均に混ざる様に一斉に鍬で練り込みます。
ワラが多いところ、少ないところが無いように目と手足の感触で
チェックしながらひたすら練り込みます。

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いい塩梅に荒壁土が練り上がりました。

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さい取り棒でひょいっとひとすくい。
早速塗り付け開始です。

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待ち受ける久住章氏にパス。

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受け取ってそのまま一発で小舞にぶつける様に塗り付けます。

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上から下へ鏝を動かし押さえ込み、均します。

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先程切り揃えておいたカキワラを貫の部分に伏せ込んでいきます。
3〜4本づつ先っぽを鏝で押えて直ぐ伏せ込む要領で素早く
貫に沿って貼り付けていきます。

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参加者も一斉にスタート!
さい取り棒のネタを受け損ねたり被ったりと大騒ぎです
でも流石に皆さん直ぐに技を習得して楽しそうに荒壁塗を
体験していました。

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途中に技術的な部分と構造の解説もして頂きました。
その場で受ける講義は分かり易く良く理解出来ます。
勉強不足だった小舞の性能や組む技術を教わりました。

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夕方には塗り付けが終わり、今回の総評を久住氏にお願いしました。
「良く出来たと思います。この経験を生かし、この先は自分で考えて
もっと素晴らしい物を作っていって下さい。」
参加者の今後の活躍を願うカリスマの言葉は 「左官 愛」 が溢れるものでした。

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最後に足立校指導員、横山先生より修了証書の授与が行われ
閉会となりました。
皆様お疲れ様でした。


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何と私まで修了証書を頂いてしまいました。(感激)

東京都立城東職業能力開発センター 足立校の
素晴らしい環境の中で久住章氏の最高技術を見学出来て、
本当に最高の勉強になりました。

またまた、左官の奥深さに魅せられた2日間でした。
スタッフの皆様、参加者の皆様ありがとうございました。

投稿時間 : 08:56 個別ページ表示