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2011年05月31日
 ■ 小林隆男 滋賀江州白土 泥団子

「土舟のすゝめ」 滋賀の名工 左官職人 小林隆男氏が、
心を込めて作ってくれた江州白土の泥団子3姉妹が届きました!
心待ちにしていた可愛いお団子さん達です。

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先ずは多賀白土の団子さんです。
手擦りした面は表情豊かで手の温もりを感じる仕上がりです。
微妙な凹凸による艶の濃淡が、土その物で出来ている証のように
奥深い輝きを放っています。
何か末っ子の甘えん坊のようなお団子さんですね。

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野州の江州白土の団子さんです。
よく見ると白土に混ざる砂状の石が浮き出て見えます。
小林氏のお弟子さん、小舟さんの言う 「透けて見える」 は、
このことを言うのですね。
うむ、確かに初めて見る繊細な表情のお団子さんです。
これも江州白の魅力ですね。
透き通るような肌のお団子さんは真ん中の女の子のようです。

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次なるは、江州白土 二十年物!!
そこに多賀の赤土を少々トッピングしてお洒落しています。
磨きの技を駆使して二十年物の良質な粘土質を表面に浮き出させて
仕上げた逸品です。
何とキメの細かい肌でしょうか。
手に取ると吸い付くような感じがします。
少し大人になって薄っすらと化粧をした綺麗な一番上のお姉さんのようですね。

小林氏はお弟子さん達といろいろな手法で泥団子にチャレンジされているそうです。
土舟さん達が作り上げるお団子さんは、どれも命を吹き込まれたような
生き生きしたものばかりです。
土を知り尽くす達人だからこそ生み出せるお団子さんなのですね。
そして、この土と技が壁に生かされていることを思うと興奮せずにはいられません。
氏の作り出す土壁の世界をもっと深く知りたくなりました。

憧れの江州白土の魅力に再び触れることが出来ました。
とても幸せな気持です。
小林隆男様、ありがとうございました。

投稿時間 : 16:23 個別ページ表示

2011年05月30日
 ■ 小沼充 青松寺 大津床磨き

東京都港区愛宕にある青松寺の現場に、今回特別に許可をいただき
3日間見学させていただきました。
小沼充氏が究極の技を駆使する、座禅堂床の大津磨き仕上げの施工で、
今回は周り廊下の改修です。
8年前の工事を懐かしく思い出し、この日を楽しみにしていました。

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小沼充氏が生み出した大津床磨きの技は、
8年前にすでに完成の粋を見ていますが、そこに留まらないのが氏の持つ
飽くなき探求心で、今回は何が起こるのか・・・心がはやります!

この状態で既に下地は準備万端、1回目の仕上げ段階の引土を塗り付け
充分に馴染むまで鏝圧をかけて押さえ込みます。

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その後、タイミングを見て2回3回と仕上げ引土ノロを塗り付けていきます。

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大面積の床に厚みを均一に塗り付ける作業は大変です。
でも皆さん小沼氏の指導のもとしっかりと技術を学んでいきます。

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さあ、ここからが勝負!
この日は8人態勢で床面の端から端までローテーションを組み
入れ替わり立ち替わりの押さえ込みにかかります。
左右手が届く範囲をムラ無く鏝を当てていきます。

何とこれをほぼ一日続けるのです。
皆さん息絶え絶えに頑張ります。
見ているだけでも疲れてきます・・・などと言ったら怒られますね!

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ほぼ押さえが完了。
大分大津独特の輝きが出て来ました。

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そして次に軍手で手擦り磨きをおこないます。
丁寧に丁寧に心を込めて磨き込みます。
数日はこれを続けろそうです。

足にも軍手??
また小沼氏いつものおふざけパフォーマンスかと思いきや、
氏曰く 「足に力が入り爪が立って床を傷付けることがあるので履くんです。」 
と、にやにやしながら語ります。納得。
んっ でも靴下でもいいよな、と後からやっぱり現場に笑いが起こるのです!!
緊張が続いた中、疲れが癒される瞬間です。

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その日に出来る行程の最終チェックです。

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見事な輝きです。

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その深みのある美しさに心が引き込まれていきます。
進化を感じる深みです。
そして素足で踏みしめれば優しく何とも心地が良いのです。
冬の寒い時は暖かく、夏の暑いときは爽やかに涼しいのでしょう。
土や石灰の素晴らしさを大いに体験出来ました。

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青松寺本堂を挟み、座禅堂の対面に位置する観音聖堂の
青大津磨きの大壁です。
こちらも8年前に施工、木摺下地技術の粋を凝らした大作は、
地震にもびくともせず美しい輝きを放っています。
これも小沼氏の歴史に残る秀作です。

感動の3日間で凄い勉強をさせていただきました。
小沼氏の何処までも深い左官思考に改めて脱帽です。
そして志一つに左官職人さんが集結し前人未踏の左官技に挑む姿に、
体が震えるほどの感動を覚えました。

小沼充様、皆様、ありがとうございました。
皆様の今後の益々のご活躍をお祈りしております。

追伸:私事、毎夜夢の中でも皆さんの床磨きが行われていました。


投稿時間 : 13:47 個別ページ表示

2011年05月07日
 ■ 魅惑の看板

ある晴れた日の夜、
時々一杯やりに立ち寄る新宿高田馬場の「とん八」さんで、
美味しい料理をつつきながらゆっくりと本を片手に1人酒を楽しんだ
後の出来事でした。

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すっかり良い気持ちになり会計を済ませ、お店を出て歩き始めると、
あれっ 今まで気が付かなかったけど気になる看板が?
前から有ったかな??

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よく見れば、
「宮内庁御用なし まずい魚 青柳」・・・。
面白いですね〜。
お店を覗けば満席でかなり盛り上がっている様子。
今度寄らせてもらおうと、次なる高田馬場の楽しみが増えた
ほろ酔い帰り道でした!

投稿時間 : 16:50 個別ページ表示