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2008年03月26日
 ■ 津久見 美味礼賛

津久見 美味礼賛

第4回 漆喰・土壁 技術講習会のご案内です。
 平成20年5月25日(日) 遂に京都の巨匠 奥田 信雄氏の
 京壁がテーマです。
 詳しくは、弊社ホームページ
 『新着情報』 をご覧下さい。

お腹の空くのも忘れて興奮の津久見ワールドに浸っていました。
浜茶屋燻製工房に到着です。
津久見世間遺産探偵団の加茂恵介氏のお店です。
恵介氏、実は津久見の有名な料理人だったんです。
大評判のお料理が楽しみですね。

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すっ凄い!!
ハーレーダビッドソンの編隊から、乗用車、バスまで駐車場は一杯です。
地元で美味しくて有名な浜茶屋です。

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店内もお客様で一杯です。
中央には生簀があり、その奥はオープンキッチンになっていて
何やらジュワ〜と焼き物の好い匂いと活気で溢れています。

我々は個室へ入れて頂きました。
藤田氏を囲み昼から宴会モードムンムンです。

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活きの良いお刺身と旬のお料理はどれも美味しくて、
お昼とは思えない盛り上がりです。

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そこへ現れたのは、熱した石板の上でジュウジュウと音を放つ
看板料理 マグロのステーキです。
醤油たれ(上)と塩味(下)の組み合わせで実に美味です。
マグロを軽く燻製にしてあるのでしょうか?
かなり熱が通っても柔らかく旨味が見事に凝縮された、
シェフ恵介さんの技ありの味と食感ですね。

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こちら(右)はチーズ味で、トロトロのチーズが香ばしく焼かれて
マグロとの相性がピッタリです。
付け合わせのモヤシも新鮮な細めの歯ごたえシャキシャキで、
香ばしいタレと絡めていただくと最高です。
こんなに美味しいマグロステーキは初めてです。

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加茂恵介氏です。
津久見の良さを料理の世界で見事に演出する若き料理人で、
伝統的な味を大事にしながら、新しい料理を生み出す根っからの
職人です。
味にうるさい藤田先生や津久見の人々が認めている事は、
お店の繁盛ぶりを見れば一目瞭然ですね。

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午後も沢山の世間遺産を見学し、そして夕暮れを迎えます。
津久見の綺麗な海を眺めながら恵介氏の別荘へと向かったのです。

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さてさて、かまどの海の別荘に到着。
思いっきり雰囲気のある部屋で炉を囲み、四天王が密談!?
四天王とは左から、イナックスの辻氏、チャッカマン 藤田氏、
月刊さかん編集長 小林氏、薩田建築スタジオ 薩田氏です。
四天王の本当の意味は、4人集まって 「なに してんのー」 
だそうです。(笑)

この4人の方々が揃うと大爆笑の嵐が起こります。
(公開出来ない写真も・・・)

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手作りの炉を囲んでいると、恵介氏のお母様が炊き込み中のご飯の釜を
持ってきて、セットしてくれました。
これは美味しそうなご飯ですね。

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お店が忙しいのにお付き合いして下さる恵介氏です。
津久見の美味しい話、世間遺産の事、
いろいろな話を聞かせていただきました。

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これは、津久見の伝統的料理で、
お祝いの席などで振舞われる汁椀です。
やさしい味の逸品です。

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切干大根です。
いつも食べている物とは違う、大根の味がしっかりとした、
津久見の風を感じる切干大根です。

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これまたしっかりと美味しい出汁が浸み込んだ、
何とも言えない美味しさのお煮物です。
汁椀、切干大根、お煮物と、恵介氏のお母様の手作りで
忘れられない感激の美味しさです。

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おっと、ここで取って置きの焼酎を御馳走になります。

宮崎の赤霧島です。
上品な芋焼酎でとても飲みやすいですね。
手に入りにくいプレミア物の一本だそうです。
幸せ!

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囲炉裏で焼き物を始めます。
拘りの仕込みで先ずは、

キビナゴです。
この光具合はどうですか!
美味しさの証だそうです。

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キビナゴを炙ると油が浮き出てきます。

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いずれも肉厚な鯵と水烏賊の一夜干しです。

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焼き上がりの熱々を頬張れば、津久見の恵みに
涙が出そうなぐらい感激しました。
こんな旨い酒は滅多にありつけません。

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みかんの収穫の時に使った籠です。
痛まないように内張りが施されています。
これをぶら下げてご機嫌な小林氏、深夜まで盛り上がったのは
言うまでもありません。

そして、興味深い津久見の魅力的な話と、美味しいお料理とお酒に
すっかり酔いしれてしまいました。
時を忘れるってこのことですね!

世間遺産の意味が少し理解出来たような気がします。
自分で作り出す本物の素晴らしさ・・・
忘れていた物作りの心・・・
自分達で出来ることは何か?
これからは何をするべきか!
もっと藤田先生と恵介さんにご指導頂き精進したいと思います。

続く。


投稿時間 : 17:56 個別ページ表示

2008年03月18日
 ■ 第4回 漆喰・土壁 技術講習会のご案内です。

平成20年5月25日(日) 遂に京都の巨匠 奥田 信夫氏に
お越し頂く事になりました。

詳しくは、弊社ホームページ 『新着情報』 をご覧下さい。

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春の技術講習会に向けて準備を開始しました。
今回は土のカリスマ奥田氏に本物の京壁を見せて頂きます。

皆様のご参加をお待ちしております。

投稿時間 : 18:24 個別ページ表示

2008年03月09日
 ■ 津久見 かまどの海 みかん

大分 津久見 かまどの海にやってまいりました。

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素晴らしい景色と、美味しいみかん有り、魚有りの、
羨ましい限りのご当地を藤田先生と、浜茶屋燻製工房の
オーナーシェフ、兼、津久見世間遺産研究家の加茂恵介氏に
ご案内を頂きました。

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風情のある石垣の通路を進めば、

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綺麗にみかんを実らせた木々を見ることが出来ます。

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その中によく見ると・・・
あれっ 缶ビールがなっている!!

これは、鳥よけに下げているそうです。
キラキラしたものが嫌いなのだとか。

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診療所です。

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何かの映画のシーンで見たことが有る様な気がします。

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家の門か塀の一部だったのでしょうか、
シャレた石積の世間遺産です。

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何やら上に乗っている物は?

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サザエの貝殻でした。
飾りで埋め込まれた楽しい作品ですね。

恵介氏はこの様な世間遺産を沢山発見されているそうです。

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みかんを出荷する人に、挨拶する藤田先生です。

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寒い朝でしたが、みかんの愛らしさに夢中になり心はホット!

しかし、津久見は手作りの良さを思い切り知る事が出来る所ですね。
みかん、三和(たたき)、かまど、石垣の塀etc
自分に大きく欠けているものは何かを考える機会を頂きました。

続く。

投稿時間 : 17:23 個別ページ表示

2008年03月02日
 ■ みかん小屋 大分津久見 魅力の世間遺産

このところ何をしていたかと言うと?

 (※お知らせ
 鏝サミットは都合により、しばらく休止させて頂きます。
 次回開催は改めてご案内い申し上げます。。
 鏝の修理等は従来通り承っておりますのでよろしくお願い致します。)

夢叶って大分の津久見、世間遺産の町へ行ってきました。
九州の東部に位置する津久見は、みかんと石灰・セメントの街です。

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切り取られた石灰岩の山「水晶山」の麓に繰り広げられる石灰、セメント産業は、
日本を背負って来た歴史を物語る迫力の世界でした。

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石灰岩を積んだトラックの後ろ姿からも、その活力を感じます。

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おっと、セメント町と書かれたバス停です。

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本当にセメント町ってあるんですね!
何かとっても身近な町に感じて嬉しくなりました。

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山裾に作られた、石灰を焼くかなり大きな釜です。
石積みで出来た昔のもので当時の石灰産業の様子が想像出来る世間遺産です。

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津久見湾を眺めながら山へ向かえば・・・

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そこには、写真家で、「鏝絵放浪記」 「藁塚放浪記」 「世間遺産放浪記」の著者
藤田洋三先生の世界が待っていました。

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温暖な気候を利用して昔からみかんの栽培が盛んに行われているところで、
樹齢800年と言われている珍しい古木も、おいしいみかんを実らせ続けています。

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労力を使って山の傾斜地に石を築き上げたみかん畑です。
山の上まで至るところに石積みされた段々畑が広がっている様子は圧巻です。

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姿を現した「世間遺産放浪記」の中でトップに紹介された 
みかん小屋です。

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感激です!
よくぞ山にしがみつくように建っているこのみかん小屋は、
みかんを作っている方々が自分たちで建てた手作りの小屋なんです。

石を運び上げ、積んでは三和(石・石灰・土を混ぜた現代のセメントモルタル)
で塗り付け組み上げて作ったのでしょう。
心を込めてみかんを美味しく熟成出来るように考え尽くされた構造です。
山の斜面に沿って半地下にしてあるのは、土中のバクテリアがみかんの
熟成を促すためだそうです。
愛媛みかんの出荷最盛期を過ぎるまでこの小屋にみかんを温存し、
美味しくなったところで一斉に出荷するとか・・・。
津久見の人の技と知恵の素晴らしさを実感しました。

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山の上まで伸びるケーブルカーのようなみかん運搬機で、今ではつかわれていせんが、
これも素晴らしい世間遺産です。

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みかん畑一つ一つにそれぞれのオリジナルみかん小屋が建っています。

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こちらは、石灰や土を使っていない石積みだけで建っている珍しい小屋です。
どれを見ても可愛らしい思わず抱きしめたくなる小屋ばかりです。
この子?達は、この一帯に沢山あって、まだ発見されずにひそかに眠るものも
あるとか。

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小屋ばかりではなく、擁壁や住宅の外壁などその石積みの技術が生かされて
いました。

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目にするもの全部違う美しい出来映えで、思わず見とれて
暫しそこから離れがたい心境になります。

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一本一本の路地がこの様な味のあるこだわりの世界です。

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昔使われていたみかんを入れて小屋に仕舞って置く箱がありました。
プラスチックのケースばかり見慣れている私達には、何とも考えさせられる
出会いです。
木の箱ってさぞみかんにとって居心地が良かったのではないでしょうか。
みかん箱って(りんごも)・・・少し前まで木で出来てましたよね!?

それが、勉強机だったりして。

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こちらは、スケールの大きいみかん小屋です。

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大量にみかんを作っていたのでしょう、2階建ての作りで通気などに
かなりの工夫が見られる構造です。

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デザインも意識した綺麗で明るい壁面で、三和(石、石灰、土を混ぜた現代の
セメントモルタル)が作り出す強くて優しい建造物です。

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歩いているうちに、南イタリアのアルベロベッロの町を思い出しました。
両方の町の手作りの雰囲気に共通するものを感じた幸せな散策です。

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漁師が使う魚網を柿渋で炊いた、三和(石・石灰・土)で出来たかまどです。
非常に強度があり、昔の技術の高さを知る世間遺産です。

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さらに散策していると、おっと何か日干しをしています。

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大根でした。
天日干した切干大根は実に美味しい!
実は昨晩お世話になった美味処で自家製をたっぷりといただいおりました!

この土間も、本物の三和(たたき)です。

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ご覧下さい、綺麗に梅が咲いています。
人工的なコンクリートブロックや金属、化学製品の塀や家に囲まれた梅の花と
何か大きな違いがあると思いませんか?
地場の自然素材を使って、先人の知恵と技で作られた建造物は、より津久見の
梅の花を引き立てているのですね。

大きな感動と本物は何かを改めて考え直すチャンスをいただきました。

お世話になった、藤田先生、恵介さん、ありがとうございました。
心より感謝申し上げます。

取り敢えずのご報告 第1弾、後をお楽しみに!


投稿時間 : 18:52 個別ページ表示