2012年05月02日
 ■ 挾土秀平氏 心の3部作出版

新刊が相次いで出ております。
富沢建材お薦め、春の第2弾!

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挾土秀平氏が心の3部作を出版されました。

「歓待の西洋室物語」
「光のむこう」
「青と琥珀」

著者    挾土秀平
発行所  木耳社
定価    各1.200円(税別)

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写真、文、構成、全てを自らが手掛けた秀作です。
挾土秀平氏 感動の心の詩。
氏が作り上げてきた左官の世界は、何を思い考え生まれて来たのか・・・。
自身をさらけ出し人々に問いかける物語です。

あの、小林澄夫氏曰く
「秀平は直木賞を取るかも!」

弊社店頭でお求めいただけます。

投稿時間 : 15:05 個別ページ表示

2012年01月18日
 ■ 久住有生 テレビ東京 ソロモン流に登場

1月22日(日) 午後9:54 テレビ東京 「ソロモン流」で、
「左官職人 久住有生」 が放映されます。

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久住有生氏の魅力をたっぷりとご覧下さい。
番組の中で弊社の講習会の様子が少々紹介されるそうです。

投稿時間 : 13:03 個別ページ表示

2011年10月05日
 ■ 久住有生 富沢建材(株) 第8回 漆喰・土壁 技術講習会

平成23年10月2日(日) 富沢建材(株) 第8回 漆喰・土壁技術講習会が
久住有生氏をお迎えして開催されました。

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毎回雨に泣かされた講習会日、今回はどうにか降られないで済みそうです。

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いつもの様に会場に花を添えていただくのは、平成会の皆さんの粋な袢纏姿です。

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遠方の方を含め今回も150名様以上のご参加をいただきました。

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お題は「次世代左官への提案」
午前中は映像で久住氏の世界を股にかけて施工された数々の作品紹介と、
それにまつわる左官技術とデザイン力の重要性を語っていただきました。

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茶室を仕上げる際の繊細な感覚や、驚きの大きな磨きの現場の対応、
概念に捕らわれない塗り壁の世界など、初めて見て聞く世界です。

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伝統技法に基づく左官の技を生かすためには、デザイン力も問われると説きます。
各現場でのお施主様の求める壁をどれだけ上質に自然に表現出来るか。
作り上げられたカリスマ的な心技体を全てぶつけて取り組む姿勢が伝わって来ます。
世界にはまだまだ知らないことが沢山あり、何でも積極的にチャレンジして来た
自分の過去を振り返り、今後も皆さんと一緒に考え、鍛え、素晴らしい次世代の
左官を造って行こうと訴えました。

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どうですか、この皆さんの集中して真剣に聞く様子!
若くしてこれだけ左官を熱く語る久住氏に受講者の心は釘付けです。

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休憩時には、東京金広様、梶原鏝製作所様、スギタ様、関忠様の、
各鏝屋さんのブースを参加者が取り囲み品定めで盛り上がります。

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これだけの鏝が揃うのもこの講習会の魅力です。
極みの逸品も数多く並んでいます。

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午後からは実技が行われました。
手にするのは久住有生氏オリジナル デザイン磨き壁です。
これを後ろの中塗り土を塗り付けた4.5m×1.8mの壁面2枚に
施工しようと言うのです。
久住氏の指示で現場と同じスケールで皆さんにも施工を体験していただく為、
平成会の皆さんに作ってもらいました。

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先ずはデザインのコンペを行います。
全員に配られた紙に好きに思いつくデザインを描き込みます。
それを舞台の上に広げ、皆で順番にお気に入りにチェックをしていきます。

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そして、チェックの多い2枚を選抜して、その作者にデザインを壁面に
描き込んでもらいます。

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成る程、どちらも選ばれるだけのことはある素晴らしいデザインです。

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次に何が起こるのか皆さん興味深々です。

すると久住氏が細かい刃の付いたノコギリの替え刃を取り出します。
1?巾に金切りハサミで横に切り何枚かの刃付きのチップを作りました。

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それを指で摘んでラインに沿って土中塗り壁を削って溝を付けていくのです。

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意外と簡単に溝が掘れていきますね。
皆さん楽しそうにガリガリと手を動かしています。

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そこへ今度は磨きノロの塗り付けです。

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ノロ材料の作り方を説明します。
タナクリーム#100に、顔料の弁柄やバイエル山吹Aなど調合して、
赤系のノロと黄色のノロを作りました。

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ノロの塗り付け開始です。
あまり厚く付け過ぎないように塗り付け方を指導する久住氏です。

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鏝の当て具合など、技術的テクニックも伝授する久住氏です。

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自らお手本の披露です。

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鏝をくるりと廻し、縦横スウーっと素早く操る立ち姿は素晴らしくカッコイイ!
誰もが憧れるカリスマ左官職人です!!

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鏝当たりの音が段々乾いたシャーっと言う音に変わって来ました。
いよいよ最終段階で輝きが出始めます。
教わって見ればこうして比較的簡単に磨きが掛けられるのですが・・・
でも、ここまでこの技を考え出すのが大変なんですね。

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興奮覚めやらぬ中、あっと言う間に講習会も終了の時が来ました。
講習中には多くの質疑応答があり充実した内容の講習会になりました。

最後は久住有生氏に感謝の気持を込め、
参加者を代表して、田村梢様(高校2年生)に、花束の贈呈をしていただきました。
実は梢ちゃん、卒業研究で土壁と左官のこと調べてくれてるお嬢様なのです。
調べている内容のレベルが凄いんですこれが!
それこそ 「次世代左官」 にとって強〜い味方なのです。

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片付けも終わり、仕上がった作品をバックに記念撮影です。
弊社倉庫に色鮮やかな磨き壁が燦然と輝いています。

お陰様で久住有生氏の考え方、見方、こだわり、デザインのセンス、
そして、世界からカリスマとして注目を浴びながらも、その温厚で親しみを
感じる真摯な人柄が、ご参加いただいた皆様の心に爽やかに浸透し、
氏の姿がいつまでも心に残る得るものが大きい素晴らしい講習会になりました。
これは益々、有生ファンが増えますね。

久住有生様、奥様、お弟子様の皆様、
お忙しい中ご指導をいただき、本当にありがとうございました。

平成会の皆様様々なお手伝いをありがとうございました。

ご参加いただきました皆様ありがとうございました。
お陰様で盛り上げていただき無事に終了することが出来ました。

皆様に心より感謝申し上げます。
左官 万歳!

投稿時間 : 18:35 個別ページ表示

2011年09月15日
 ■ 宮澤喜市郎 黒漆喰磨き

富沢建材(株)技術講習会のご案内
第8回 漆喰・土壁 技術講習会 好評受付中
10月2日(日)開催 富沢建材株式会社
久住有生氏 登場! 「次世代左官への提案」
詳しくは「富沢建材ホームページ 新着情報」 をご覧下さい。
150名様 定員になり次第締め切らせていただきます。
参加ご希望の方は早目のお申し込みをお願い致します。


新潟県のカリスマ左官 宮澤喜市郎氏の左官道場へお邪魔して来ました。
念願だった宮澤氏との対談に、心も体も心地良い左官酔いになった
深〜い一日でした。

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皆様ご存知、宮澤氏は漆喰磨きの名工です。
氏は真壁の左官教室で、平成16年から19年まで長きに渡りその左官の技を
若き左官職人に伝承し続けて来ました。
その他、全国に多くの伝統的建築物の施工に携わっておられます。

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宮澤道場は想像以上に左官のエネルギーが詰まっている塗り壁の聖地です。
先ずは昨年9月に久住章氏と技を競いあった時の作品が出迎えてくれました。
説明の通り、宮澤氏と久住氏の仕上がり具合の違いを確認する事が出来ました。
どちらも究極の出来映えです。

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壁に飾ってある写真に気付き何方かと尋ねれば?
中央におられる方が、宮澤氏の師匠 新潟県新井市の水島左官様と言うことで、
それはそれはピカイチの凄い技の持ち主であったそうです。
水沢氏の生前に黒磨きの講習会を行った時の一枚です。
左から2番目のちらっと正面を覗き込んでいる方は、若き挾土秀平氏です。

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この日も、山形県と四国の香川県から若人が勉強に訪れていました。
直に教えを請う真剣な姿勢に、左官の明るい未来を見たような気がしました。

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そして宮澤氏が鏝を取り、お手本の施工を開始します。
中塗り最終の砂漆喰の押さえ込みは、その段階で綺麗な仕上がりに見えるほど、
艶やかに鏝が当てられています。

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時間を置いて何度も掌で水引具合を見て、
黒ノロを掛けるタイミングを計ります。

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次に秘蔵の黒ノロを取り出し、

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ダマや不純物を取り除くため、目の細かい布で濾していきます。
このノロは久住氏曰く、宮澤氏オリジナルの極上の黒と言わしめた、
5年物の究極の逸品だそうです。
墨の良さは勿論、仕上がりの邪魔をする遊離石灰等を徹底的に排除した
ものなのです。

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黒ノロの塗り付けが始まりました。
無駄の無い鏝さばきは、手際よく平均にノロを配り塗り広げていく
熟練の技です。

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鏝が通せるまで均一に圧力を掛けながら押さえ込みます。
見ていて分かるとても強い面が作られていきます。

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砥の粉打ちをして更なる磨きを求めます。

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手擦りで砥の粉を馴染ませていきます。
この段階でもうピカピカ!

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いよいよ仕上げの最後の鏝押さえです。
宮澤氏の顔がパンと写る素晴らしい黒磨きの完成です。
一気にここまで持ってくる動きは、迫力満点です。

施工中、氏が何回も口にする言葉は?
「私は上手くはないけれど、誰にも負けない強い保つ壁を作り続けて来た。」
新潟の地で、年数が経っても艶のあせない壁を追究し続けた強者が語ります。
その検挙でありながら力強い自信に満ちた言葉に感動を覚えると同時に、
宮澤氏の左官魂が見えた清々しい瞬間でした。

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今までなかなか直接お話を伺うことの出来なかった宮澤氏ですが、
この度は作業をしながらいろいろな事を話しいただきました。
師匠の水沢左官様のこと、宮澤氏の若かりし頃のこと、家族のこと、
今までお世話になった方々のこと、材料、道具のことなど、
一度に聞くのは勿体ないほど沢山のお話をして下さいました。
そうそう、初耳は地元で採れる村上粘土の名付け親は榎本新吉親方だったこと!
榎本氏との長きに渡る深い繋がりも感動ものでした。
やはりカリスマ同士、何処かで繋がって切磋琢磨しあっているのですね。

素晴らしい新潟の一日になりました。
宮澤氏の壁への思いを知り、改めて左官の奥深さを知ったのでした。

宮澤喜市郎様、ありがとうございました。
また、勉強に行かせて下さい。


投稿時間 : 10:43 個別ページ表示

2011年09月10日
 ■ 久住有生 富沢建材(株)技術講習会のご案内

第8回 漆喰・土壁 技術講習会 好評受付中
10月2日(日)開催 富沢建材株式会社
久住有生氏 登場!

詳しくは「富沢建材ホームページ 新着情報」 をご覧下さい。
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150名様 定員になり次第締め切らせていただきます。
参加ご希望の方は早目のお申し込みをお願い致します。

開催に向け皆様にご満足いただけるよう準備を進めております。

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つい先日 9月1日のNHKBSテレビ番組 「エル・ムンド」で、
久住有生氏 生出演!

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左官を魅力的に熱く語るその内容は、出演者と視聴者の心を捕らえた
素晴らしい番組でした。
左官に対する思いがどれほど深いのか、その真摯な姿勢が人を
惹き付けるのですね。
メディアも注目の氏は今までに数多くのテレビ放送に出演されています。

その久住有生氏と直に語り合うチャンスです。
今までに造り上げてきた作品の技と思いを解説、
実技もご披露いただきます。
そして、当日は皆様に現場だと思って施工していただくサプライズも!
次世代左官への提案
素晴らしい久住左官の世界をご一緒に如何ですか!!

皆様のご参加をお待ちしております。

投稿時間 : 08:48 個別ページ表示

2011年08月27日
 ■ 久住有生 富沢建材? 講習会

富沢建材(株) 第8回 土壁・漆喰技術講習会の
開催が決まりました。
平成23年10月2日(日) 講師は久住有生氏です。
テレビや書籍等で広く紹介されて多忙な日々を送る氏ですが、
今回何とかお引き受けいただきました。

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魅力一杯の久住有生氏の左官の世界を見ていただきます。
お申し込み等、詳しくは弊社ホームページ 「新着情報」 
をご蘭下さい。

お問い合わせは 
富沢建材(株) TEL 03 3362 7774 まで。
 
皆様のご参加をお待ち申し上げております。

投稿時間 : 15:06 個別ページ表示

2011年08月20日
 ■ 品川博 ドライウォッシュ時計

弊社事務所に新しい仲間が増えました。
品川博氏の手作りの逸品、ドライウォッシュ時計です。

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左上のテレビモニターでは、品川左官さんの西荻窪現場ドライウォッシュ工法の
施工の様子を映し皆様に見ていただいております。
そして右、書籍棚の上に・・・。

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品川博氏が技を駆使して制作してくれた左官芸術作品、
ドライウォッシュ工法で文字盤を仕上げた時計を展示しました。

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23?各のドライウォッシュ時計です。
早速時計の器械を買いに東急ハンズへダッシュ!
似合う時計針を見付けて取り付けてみました。
カッコイイです!
しかも3個も!!

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今までに出会ったことの無い美しい時計です。

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そして思わず顔を近づけて見たくなる時計!?

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ドライウォッシュで細かい種石や貝殻などを見事に浮き出させた
綺麗な仕上がりは、まるで湧き水が輝きながらさらさらと流れているような
動きを感じる素晴らしい出来映えです。

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こちらの黒系のモデルは、まさに銀河系の輝く流星のようです。
こんなに近づいて見たくなる時計が今までに有ったでしょうか。
夜閉店後の事務所で手にとって暫し・・・いつまで見ていも飽きませんね。
おっと大変、晩酌の時間を忘れてしまいそうです!?

本当に表現の無限な可能性と楽しさを教えてくれるドライウォッシュ時計です。
「これが壁や床になったら凄いだろうな〜」 
見てくれたお客様の一言に、飛び上がるほど嬉しくなった今日この頃です。
この時計は弊社のいや、私の宝物です!

品川様、ありがとうございました。

投稿時間 : 10:40 個別ページ表示

2011年07月26日
 ■ 品川左官 西荻窪の家

梅雨が明けた7月中旬の猛暑の中、兵庫県加古川の
皆様ご存知 品川左官様が東京杉並区の西荻窪で
ねずみ漆喰とドライウォッシュ工法床仕上げを施工されました。

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西荻窪駅直ぐ近くのその建物は、昭和3年に建てられた趣のある
日本建築の木造住宅です。
この辺には古き良き建築物が結構残っています。
その内の一軒がギャラりー兼、店舗として生まれ変わろうとしています。

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室内に入り昭和初期にここではどの様な生活が営まれていたのか
暫し思いを巡らせます。

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下の写真は映画での1シーンを撮ったものだそうです。
オーナー様のご希望でこの壁のイメージを求められています。

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仕上がった壁を優しい視線でながめる品川博氏です。
オーナー様の思いに応えるその姿には左官愛が一杯溢れています。

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今回のねずみ漆喰の施工は均一な表情ではなく、
映画の中に出てきた壁のように経年変化を表現する事を求められています。

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それを表現すべく下塗りから上塗りの押さえまで技と神経を使う作業です。

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慎重な鏝運びに見ている者も引き込まれていきます。

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そして、品川左官様の手によってネズミ漆喰が施された壁は、
和の空間にさらに落ち着いたモダンの風がそよいでいます。

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床の仕上げはドライウォッシュ工法で黒の配合をベースに、
岡山の寒水石5厘を使用します。

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モルタル下地にシーラー処理をしてベースの樹脂モルタルを下塗りします。

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7分乾きの上に黒のネタ材を手際よく塗り付けていきます。

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定木であたりを見てフラットな面を形成していきます。

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仕上時に綺麗な揃った面を出す為に大事なのはこの伏せ込みです。
砂利の頭が綺麗に表面に列ぶように鏝を運びます。
塗り付け開始直後の鏝に石が当たるジャーと言う音から、優しく撫きる頃には
シューと言う軽い音に変わって来ます。
熟練の技が充分に発揮される時です。

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ピタリと押さえ込まれた面に目地切りをします。

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丁寧に元首シビ引きで溝を切っていきます。
実に綺麗に収めていますね。

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締まり具合を見てドライウォッシュブラシで表面を擦り寒水石の頭を出していきます。
手元の動きが速くてなかなか写真が決まりません!
4人で一斉にドライウォッシュをしている様子はハイテンポなリズムで楽しそう!?
いや、いくら慣れているとは言え屈んでの作業は大変そうです。
楽しそうなどと言ったら怒られますね。 

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お見事!
玄関の部分が綺麗に仕上がりました。

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伏せ込みとドライウォッシュの技が生み出す素晴らしい表情です。
時間が経ち人が歩き込むことで更に石の頭が磨き込まれ、
美しい輝きを放つ床になっていくことでしょう。

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ここで品川左官の皆さんをご紹介します。
4人兄弟皆様左官職人でご長男は亡くなられたそうです。

先ずは品川家ご次男の房男氏です。
現在は一番長老で親方として品川左官をまとめておられます。
一番の元気左官職人でエネルギッシュに活動する姿が目に焼き付きます。
技も凄いがジョークも切れる!
施工中の緊張の合間に房男氏の一言で笑いが絶えない品川ファミリーです。

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三男の清志氏です。
左官の技術も特級品ですが、鏝・左官道具類を何でも作ってしまう凄腕なのです。
漆喰の塗り付け鏝、鏝絵用の先が豆粒のような小さな鏝、面引き、
その他何でも鍛冶屋さんも脱帽の世界です。

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そして、四男の博氏です。
その名は全国の左官職人さんの知るところで、その作品は2000?もある
漆喰の現場から、各地記念館・大学等に掲げられている大小絶品の鏝絵、
はたまた本物と見間違えるモルタルの蟻、サンショウウオ、ヤドカリ、ひものなど、
その技は神懸かり的なものばかりです。
尚かつ、その経験から生まれる新しい鏝や道具、ドライウォッシュなどの新工法など
左官の世界を開拓し続けるカリスマ左官なのです。

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酉は博氏のご長男 福太郎氏です。
数年前に中目黒の現場でお目に掛かって以来の再会です。
すっかり頼もしくなって品川左官の血統を引き継ぐオーラが溢れ出ています。
カッコ良くて腕も確か、将来どんなカリスマになるのか楽しみな好青年です。

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これが清志氏の宝箱・・・いや鏝を収めたアタッシュケースです。
全てが手作りの究極の鏝がびっしりと列んでいます。

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見る人誰もが言葉を無くす美しさで、触れるのもためらうほどひかり輝いています。
でもこれ実際に使われていると聞くとさらにビックリ!
このこだわりの世界どこまでやるのでしょうか?
良い鏝、道具があって初めて良い仕事が出来るのでしょう。
博氏曰く 「この鏝もう少しこうしてほしい、ああしてほしいと、兄の清志に言うと
次の日の朝には手直しして持って来てくれます。」
なんという左官職人兄弟でありましょうか!!

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皆さんお揃いで一枚。
中央の美女はこの建築の記録を担当する倉橋美香子さんです。
素晴らしい記録ブログ西荻プロジェクトを更新されています。

品川さんが東京でお仕事をされると聞いてこの日を楽しみにしていました。
間近で拝見する品川左官の技の数々、やはり凄いの一言です。
夏の暑さ以上に左官の熱さを体一杯に体験できた素晴らしい
西荻窪の家でした。

オーナー様、倉橋様、品川左官様、皆々様、ありがとうございました。
皆様の益々のご健勝をお祈り申し上げます。

※ドライウォッシュ工法のビデオ収録をさせていただきました。
 弊社事務所で上映しておりますので是非ご覧下さい。

投稿時間 : 17:21 個別ページ表示

2011年05月31日
 ■ 小林隆男 滋賀江州白土 泥団子

「土舟のすゝめ」 滋賀の名工 左官職人 小林隆男氏が、
心を込めて作ってくれた江州白土の泥団子3姉妹が届きました!
心待ちにしていた可愛いお団子さん達です。

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先ずは多賀白土の団子さんです。
手擦りした面は表情豊かで手の温もりを感じる仕上がりです。
微妙な凹凸による艶の濃淡が、土その物で出来ている証のように
奥深い輝きを放っています。
何か末っ子の甘えん坊のようなお団子さんですね。

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野州の江州白土の団子さんです。
よく見ると白土に混ざる砂状の石が浮き出て見えます。
小林氏のお弟子さん、小舟さんの言う 「透けて見える」 は、
このことを言うのですね。
うむ、確かに初めて見る繊細な表情のお団子さんです。
これも江州白の魅力ですね。
透き通るような肌のお団子さんは真ん中の女の子のようです。

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次なるは、江州白土 二十年物!!
そこに多賀の赤土を少々トッピングしてお洒落しています。
磨きの技を駆使して二十年物の良質な粘土質を表面に浮き出させて
仕上げた逸品です。
何とキメの細かい肌でしょうか。
手に取ると吸い付くような感じがします。
少し大人になって薄っすらと化粧をした綺麗な一番上のお姉さんのようですね。

小林氏はお弟子さん達といろいろな手法で泥団子にチャレンジされているそうです。
土舟さん達が作り上げるお団子さんは、どれも命を吹き込まれたような
生き生きしたものばかりです。
土を知り尽くす達人だからこそ生み出せるお団子さんなのですね。
そして、この土と技が壁に生かされていることを思うと興奮せずにはいられません。
氏の作り出す土壁の世界をもっと深く知りたくなりました。

憧れの江州白土の魅力に再び触れることが出来ました。
とても幸せな気持です。
小林隆男様、ありがとうございました。

投稿時間 : 16:23 個別ページ表示

2011年05月30日
 ■ 小沼充 青松寺 大津床磨き

東京都港区愛宕にある青松寺の現場に、今回特別に許可をいただき
3日間見学させていただきました。
小沼充氏が究極の技を駆使する、座禅堂床の大津磨き仕上げの施工で、
今回は周り廊下の改修です。
8年前の工事を懐かしく思い出し、この日を楽しみにしていました。

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小沼充氏が生み出した大津床磨きの技は、
8年前にすでに完成の粋を見ていますが、そこに留まらないのが氏の持つ
飽くなき探求心で、今回は何が起こるのか・・・心がはやります!

この状態で既に下地は準備万端、1回目の仕上げ段階の引土を塗り付け
充分に馴染むまで鏝圧をかけて押さえ込みます。

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その後、タイミングを見て2回3回と仕上げ引土ノロを塗り付けていきます。

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大面積の床に厚みを均一に塗り付ける作業は大変です。
でも皆さん小沼氏の指導のもとしっかりと技術を学んでいきます。

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さあ、ここからが勝負!
この日は8人態勢で床面の端から端までローテーションを組み
入れ替わり立ち替わりの押さえ込みにかかります。
左右手が届く範囲をムラ無く鏝を当てていきます。

何とこれをほぼ一日続けるのです。
皆さん息絶え絶えに頑張ります。
見ているだけでも疲れてきます・・・などと言ったら怒られますね!

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ほぼ押さえが完了。
大分大津独特の輝きが出て来ました。

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そして次に軍手で手擦り磨きをおこないます。
丁寧に丁寧に心を込めて磨き込みます。
数日はこれを続けろそうです。

足にも軍手??
また小沼氏いつものおふざけパフォーマンスかと思いきや、
氏曰く 「足に力が入り爪が立って床を傷付けることがあるので履くんです。」 
と、にやにやしながら語ります。納得。
んっ でも靴下でもいいよな、と後からやっぱり現場に笑いが起こるのです!!
緊張が続いた中、疲れが癒される瞬間です。

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その日に出来る行程の最終チェックです。

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見事な輝きです。

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その深みのある美しさに心が引き込まれていきます。
進化を感じる深みです。
そして素足で踏みしめれば優しく何とも心地が良いのです。
冬の寒い時は暖かく、夏の暑いときは爽やかに涼しいのでしょう。
土や石灰の素晴らしさを大いに体験出来ました。

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青松寺本堂を挟み、座禅堂の対面に位置する観音聖堂の
青大津磨きの大壁です。
こちらも8年前に施工、木摺下地技術の粋を凝らした大作は、
地震にもびくともせず美しい輝きを放っています。
これも小沼氏の歴史に残る秀作です。

感動の3日間で凄い勉強をさせていただきました。
小沼氏の何処までも深い左官思考に改めて脱帽です。
そして志一つに左官職人さんが集結し前人未踏の左官技に挑む姿に、
体が震えるほどの感動を覚えました。

小沼充様、皆様、ありがとうございました。
皆様の今後の益々のご活躍をお祈りしております。

追伸:私事、毎夜夢の中でも皆さんの床磨きが行われていました。


投稿時間 : 13:47 個別ページ表示

2011年01月12日
 ■ 榎本新吉 卍新年 

榎本新吉親方に新年のご挨拶に行って参りました。
昨年9月の奥様のご逝去から早3ヶ月を過ぎ、
さぞ寂しい新年をお迎えのことと思いきや・・・。

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榎本磨きの作品群を前に、いきなり卍固めをくらい一本負け!
ギブアップして参りました!!

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いやー、お元気で何よりです。
気迫の声と笑顔で新年の気合いを入れて頂きました。

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暫く伺わない内に何枚もの素晴らしい卍模様の作品が出来上がっていました。
しかもどんどん進化しています。恐るべき探求心です。
そして、作品を作っている時の楽しそうなこと。
榎本親方のパワーには脱帽です。

元気なお姿を拝見してとても嬉しかったです。
伺う度に教えをいただき心底感謝です。
今年も気合いを入れて行くぞっ と誓った榎本詣でになりました。
榎本新吉様 本当にありがとうございました。

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2010年11月20日
 ■ 西川和也 パオ連続講座

10月24日(日) 第8回パオ連続講座が開催されました。
今回が最終回となる連続講座の大取を努めるのは、
伊勢のカリスマ左官 工房カズ 西川和也氏の登場です。

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千秋楽を迎え、会場は顔馴染みのお客様も増えて左官ムードが高まっています。
連続講座が大成功の表れですね。

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さあ、西川和也氏のご登場! お題は 「素朴な左官」 です。

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西川氏と言えば伊勢神宮ですね。
お伊勢さんには氏の左官技があちらこちらで輝いてます。
内宮の入り口に架かる宇治橋の手前には見事な90?の洗い出しが
施工されています。
玉砂利も、そしてここを通れば心も綺麗に洗われると言う訳です。

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皆様ご存じ、お伊勢参りに欠かせない「赤福」様の赤福餅。
そしてお客様を迎える真っ赤な かまど です。
毎年兄弟子の尾崎孝行氏と一緒に塗り替えている究極の作品で、
伊勢参りに見えたお客様の心と体を癒してくれる美しい かまど です。

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お伊勢さんパワーを発しながら熱く語る西川氏です。

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その他、店舗、住宅、美術館等、あらゆる場所で活躍されています。

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大きな壁面に施工された黄大津壁です。

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そこに施された虫籠窓(むしこ)窓です。
他にも大きさとデザインの違う作品がいくつもあります。

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以前にもご紹介した西川氏の傑作で、杯をデザインした黄大津の磨きです。

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どうですか、この粋なこと!
裏の室内側はワラを浮き出させた土壁で同じデザインで仕上げてあります。
お施主様がさぞお喜びになった事でしょう。

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こちらは法仏殿です。
伝統的な日本建築の修復もお手の物で、基本的な線・面を大事にして、
非常に高い精度で仕上げてあります。

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西川氏曰く、
「一番言いたいことは、左官と言うのはもっと身近なもので昔からあるものです。」
伊勢磨きの真髄を世に知らしめるカリスマ左官の素朴な言葉!
「素朴な左官」 がそこにありました。

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じっと見ていると生き生きとしていて呼吸をしているようにも感じられますね。
西川氏の究極の技と、伊勢で育まれた素晴らしい素材が生み出す、
美しい作品です。
これが壁になるのですからたまりません!!

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受講者に囲まれ質問攻めに遇う西川氏です。
一つ一つ丁寧に答える姿は仕事に自信を持つカリスマのオーラが溢れていました。

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そしていよいよフィナーレを迎え、西川和也氏、座長の木村謙一氏を囲んで
楽しい懇親会です。
西川氏には弊社の講習会でかまどの磨きをお世話になりました。
何しろ面倒見の良い人なんです。
この人柄に多くのファンがいるのも当然ですよね。

三重県、伊勢は左官にとって幸せなところだと話してくれました。
伊勢の独特な工法は左官業界注目の世界です。
そして更に伊勢磨きやその他の工法を進化させ、知恵を使って
自分たちの力でやり遂げる姿勢に大きな感銘をうけました。

農業も営む西川氏、やはり土に触れることが生き甲斐なんですね。

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さらに2次会・・・時間も忘れ夜が更けていったのでした。

西川和也様、ありがとうございました。

木村謙一様、安仲卓二様、パオ8回連続講座、最高でした。
「左官仕事 どろり 好奇」 車座で日本を代表する8人のカリスマ左官職人と
身近に触れることの出来た左官ライブ、今年一番の思い出に残るイベントでした。
素晴らしい企画に心から感謝申し上げます。
ありがとうございました。

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2010年10月30日
 ■ 小沼充 大津磨き 葛飾劇場

東京都葛飾区のU様邸新築現場に於いて大津磨きと、土佐漆喰の
塗り壁施工が 忍者左官 小沼充氏の手により行われました。

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予てより伝統的左官の塗り壁工法にご興味をお持ちのお施主様のご要望で
積水ハウス様のご協力により和室への施工が実現しました。

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和室の壁面全体は土佐漆喰のかた押さえで仕上げてもらいました。
表面の均一な仕上がりと、入り隅、出隅の面の美しさは見事です。
そして、大津壁の施工は正面の壁に額縁を取付け赤の磨きで行われます。

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10月24日(日) いよいよ和室の仕上げ最終日、朝から大津磨きの
本番開始です。
輪島塗の三段重ねの岡持を広げれば大津を仕上げる鏝のラインナップが
表れ、使用する順番に取り出し並べます。

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正面の額縁の中は1週間前に中塗りを施し準備万端整っています。
3週間寝かした灰土のあんばいを丁寧に混ぜながらチェックする小沼氏、
この段階で表情が徐々に引き締まってきました。
普段はお茶目な氏が壁に向かう時、カリスマ忍者左官に変身し、
大津磨きのプレミアムスイッチが入ります。

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お施主様が見詰める中、いざ灰土の下塗り開始です。

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1回目の灰土の下塗は下地の中塗り土の水引が早い為、
素早く平滑に塗り付ける必要があります。

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比較的早い時期に鏝の動きが重くなり始めますが、
しっかりと圧をかけて押さえ込んで表面をこなしていきます。

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1回目の灰土の押さえ込みが終わり左の手の平で水引の具合を確かめます。

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締まり具合を見極め2回目の灰土を塗り付け、空かさずしっかりとした
鏝圧をかけて壁面を平滑に追い込んで行きます。
この段階で既にうっとりするほど美しいしっとりとした壁面が出来上がっています。

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次の段階の引土を塗り付けるタイミングを見る小沼氏、
こうして全てが終了するまで緊張の糸が張り詰めっ放しです。

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30分程頻繁に手の平を当てて様子を見た後、
今だとばかりに一気に小さめのノロ塗り付け鏝で引土を塗り込みます。

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お施主様の目を釘付けにする引土を塗り付ける鏝の動きの手早さは
何ともお見事!
手首を使い鏝を細かく素早く動かすことで引土に入っている紙スサを
分散し、塗りつけ面に早く均等に密着させる為の動作です。
時間との勝負に見ている方もついつい手に力が入ってしまいます。

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その後押さえ鏝で充分に下地に馴染む様、力を込めて押さえ込みます。

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まるで鏝、材料、壁面と見つめ合い会話をしているかのような仕草に、
大津の世界に一気に引き込まれます。

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ふと足下に目をやれば あれれっ スリッパの主は・・・

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日左連青年部長 我らの(株)あじま左官工芸 阿嶋一浩氏がお見えになりました。
緊張感に包まれていたその場の空気が一瞬和んだ一時でした。

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2回目の引土塗りも終わり、最終段階に入ってきました。

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更に鏝に体を預けるようにして押さえ込んでいきます。

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ハードな大津技に、手首、腕、体が悲鳴をあげています。
まさに、心技体が一体化して成せる技!
凄い迫力です。

磨き鏝で仕上げる姿を夢中で見ていて、どれほど時間が経ったでしょうか?
「終わりました」 の声にはっとして我に返ります。
舞踊を見ているような、格闘技を見ているような・・・。
美しく、力強い大津磨きの技に思わず拍手です!

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全て自然素材で仕込んだ手作り材料の数々、下地から仕上げまでの数工程、
体の一部のような沢山の鏝、そして心技体、どれが欠けても仕上がらない
大津磨きは左官技の最高級仕上げと言われる由縁です。

氏曰く 「下地が全て」
大津磨きを数多くこなして来た左官職人のこの言葉に塗り壁の技が集約されています。
常に物事の先を読み、人の3倍は動く忍者左官が発する言葉には感動の重みがあります。

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仕事が終わった途端にお茶目な笑顔の小沼氏に戻ります。
この悪戯っぽい笑顔がたまらなくいいんです!
仕上がった大津壁と同じ位い良い表情ですね。

榎本新吉氏の一番弟子として伝統的左官工法を確実に習得し、
それを更に進化させている小沼氏の飽くなき探求心は、
業界に大きな夢を与えてくれる左官魂と左官愛なのです。
タップリと忍者左官の大津磨きワールドに浸れた一日でした。

そして何より大事なことは、本物を求めるお施主様が居て下さる事が
全てだと思います。
こだわりを持つお施主様ほどその選択肢の中に塗り壁の良さが加わることは
間違いありません。
この日も全ての行程を一緒に見て感動していただきました。
左官職人と材料屋にとって一番嬉しい瞬間です。
お施主様の良い家を一緒に造ろうと言う有り難い思いが、
職人魂を育ててくれるのですね。

U邸お施主様、積水ハウス様、小沼充様、阿嶋一浩様、ありがとうございました。

※今回の施工のDVDを弊社事務所でご覧いただけます。


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2010年10月22日
 ■ 久住有生 パオ連続講座

9月26日(日) パオ連続講座 第7回目
お待ちかね、世界を飛び回る左官 久住有生氏 の登場です。
テーマは「うちの子 アホやから 左官にして」
何やら意味深なテーマですね。

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連続講座も7回目を迎え参加者の皆さんも益々左官の虜になってます!

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そこにアイドル系左官 久住有生氏の・・・
いや、左官の伝統的なものから新しいものまで世界を股に掛け
幅広く格好良く仕事をこなすスーパースターの世界が始まります。

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最初の技は、やはり伝統的日本建築の真髄を表現する久住氏の
類い希な鏝さばきです。
特に茶室の仕事は、ご主人が一番気に入っている茶器などを中心にして
壁を考え、そのものが一番綺麗に見えるように壁を塗るそうです。
久住氏の心技体が一つになるときお施主様の求める壁が完成するのです。

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そして、その仕事の正確さは伝統左官技法の美しさを限りなく表現する
極みの世界です。
単純なものほど難しく、このなまこ壁も壁一面でミリ単位の精度を追求し
驚くほどの人工を掛けて仕上げたそうです。
徹底的に妥協を許さない究極の伝統技法で仕上げた作品です。

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次に紹介されたのは、ご存知の方も多いとは思いますが氏の代表作の一つ、
INAX 常滑 土・どろんこ館です。
誰もが驚かされた大迫力、且つ繊細さも兼ね備えた土の館です。
建物内外に繰り広げられた久住ワールドは言葉を無くす土の秀作です。

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こちらは仙台での公共施設の天井の漆喰磨きの現場です。
とてつもない面積をご覧のように見事に磨きを掛けてます。
磨き仕上げと言えば小さな面積でも施工のタイミングが難しい工法で、
どうやってこんなに大きな面積を仕上げたのか、その技法に謎が
深まるばかりです。

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この様な何とも愛くるしい植物と戯れる土壁もお手のもの!
実際に生き生きと育つ草花に土壁って生きているんだなと
つくづく思うのでした。
久住氏のどんな曲面でも下地から作れば出来ると言うノウハウと
センスの良さが表れた作品ですね。

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六本木農園の版築の壁です。
全国の農家の土を使って仕上げました。

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こちらは鏝絵の大作です。
オリジナルデザインの秀作はオーナー様の思いを読み取り
心を込めて仕上げた会心の作品です。
氏の芸術性の豊かさが溢れ出ていますね。

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でもやはりそこには、努力と苦労の積み重ねが見え隠れします。
阪神淡路大地震の経験も良い勉強になっているそうです。
久住氏のいつも笑顔で優しい表情からは想像出来ない
重い深い心技体の修養、訓練を積み重ねているのですね。

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海外での活躍振りもテレビ等で何度も紹介されています。
毎年フランス グルノーブル大学の土祭りでは学生に講義をとり、
左官の魅力を世界に発信しています。

この建物は、アルケスナンの王立製塩所です。
ここの改修工事で発揮した久住テクとは、 なっ何と・・・

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工事現場を覆うファンタスティックフェンスなのです!
いろいろな土を使い夢の世界に飛び込んだような環境にしてしまう、
綺麗で可愛い目隠しフェンスです。
久住氏の手に掛かれば修復現場もこの通り!!
何と言うことをしてくれるのでしょうか、素晴らしいの一言です。

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ある時は砂漠の中に茶室を造りました。
現地で全ての材料を調達し作り上げた作品です。

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どんな所でも、完璧に物が揃っていなくても充分に
作り上げる事が出来るのですね。

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砂漠の中とは思えない和の空間です。

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茶道の心得もある久住氏、着物も持参でお茶を振る舞われたそうです。
これまた粋なお姿ですね。
さぞ、オーナー様、皆様が喜ばれた事でしょう。

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講座修了後のお楽しみ懇親会です。
更に久住氏のお人柄に触れさせていただく事が出来ました。

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久住氏曰く
「今までの左官の世界は提案すること無しに来てしまいました。
うちの子 アホやから 左官にしてと言われてしまう事が左官を駄目に
して来たのだと思います。
世界では物を作る職人さんは尊敬されています。」
職人の本音を語る久住氏です。

伝統的なものから新しいものへ、一般の人、現代建築に取り入れやすい
左官の仕事を提案していく事が重要だと訴えます。
何もないところからフリーハンドで下地から作り始めれば何でも出来る、
それを実行しているのが久住氏です。
左官の良さを広める為に頑張り続ける若きカリスマ左官なのです。

久住氏の物事の考え方、見方、触れ方、作り方がとても良く理解出来て、
心地よく心と体に染み込んで来たような気がします。
そして、テレビ等で度々登場し名声を得ているにも拘わらず、
その謙虚で魅力的な人柄が世界の人を引き付けて止まないのですね。
これから更に久住氏がどのような世界を造られて行くのか楽しみです。

久住有生様 木村謙一様 ありがとうございました。

次回はいよいよ最終回 10月24日(日) 2時
伊勢の西川和也氏の登場です。
詳しくは パオ まで。

投稿時間 : 09:37 個別ページ表示

2010年08月26日
 ■ 挾土秀平 パオ連続講座

8月22日(日) 第6回パオ連続講座が開催されました。
今回はあの挾土秀平氏の熱いトークショウ!
参加者の目と耳を釘付けにしました。

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猛暑が続く8月の日曜日、秀平氏に会える事を楽しみにしていた参加者が、
パオに集います。

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いつもの様にオーラを放ちながら講座の開始です。
お題は 「この壁は一度限り」

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先ずは挾土氏の自然と土を愛する心・・・
生きた素材と対話をしながら仲良くなり、

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その素材の良さを最大限に引き出して作り上げる作品は、
自然を知る者だけが表現出来る作品として生まれ変わります。

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そしてその持てる究極の技は、腕だけではなく他の左官職人の技の凄さも見抜く
鋭い鷹の目をも持ち合わせて更に進化し続けます。

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心技体が一致した挾土氏だから成せる技は、
江戸時代に作られた土蔵の完璧な復元にもはっきりと表れています。
江戸から訳ありで高山に流れて来た左官職人 江戸屋万蔵 作の蔵を
見事に正確に、いや、狂っている所までそのままの再現を成し遂げました。
万蔵の精神まで読み取っているのです。

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とにかく挾土氏の話は面白い!
3時間とっぷりと秀平ワールドに浸かります。

何しろ手間を掛けることの大好きな人間・・・
何処までやるの?と、いつも言いたくなるその恐ろしいほどの集中力にも
圧倒されます。

そして、左官には沢山の言葉があると氏は言います。
左官の仕事も文を書くことも一緒だと。
左官の詩が書けるカリスマなんですね。

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最後に 職人社秀平組 の話をしてくれました。
常にチームとして一丸となり仕事を完成させていきます。
大事なことはチーム力!
それがあれば何でも出来る!!
お弟子さん達を可愛がり育てる左官愛もピカ一です。

またまた参加者の心をギュウっと捕まえてしまいました。
本当に魅力的なスパースターです。
がっつり、秀平パワーを頂きました。

挾土秀平様、メチャクチャ忙しい中、本当にありがとうございました。
益々のご活躍をお祈りしております。
でも、くれぐれもお体ご自愛下さい。

木村謙一様。パオ様、ありがとうございました。

次回は9月26日(日) 久住有生氏です。
詳しくは パオ連続講座 まで。

投稿時間 : 13:17 個別ページ表示

2010年07月26日
 ■ 小沼充 DVD

小沼充 DVD 魅惑の大津磨き

富沢建材(株) の事務所内では・・・

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忍者左官 小沼充氏が毎日飽きもせずに?大津磨きを施工してます!(笑)
皆様、お茶でも飲みながらその素晴らしいテクニックをじっくりとご覧下さい。

投稿時間 : 09:17 個別ページ表示

2010年07月17日
 ■ 松木憲司 パオ連続講座

7月4日(日) パオ連続講座 松木憲司氏の、
「マサ土の国から」 が開催されました。
松木氏は、平成9年 第33回全国左官技能競技大会で優勝、日本一を獲得し、
現在はエキスパート集団 蒼築舎(株)の代表として、主に三重県を中心に本格的 
土・漆喰の仕事をこなす凄腕左官です。

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このパオ連続講座は、次から次とスーパースターが登場する
本当に凄いイベントです。

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しかも、今回は名古屋の(有)勇建工業 加村義信氏(壇上左)も登場!
迫力の布陣で講座スタートです。

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とても綺麗な球体が展示されています。

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これも松木氏が得意とする、タデラクトで仕上げた作品です。
表面の艶が何とも深みのある、吸い込まれてしまいそうな光を放っています。

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何かこの時点で、松木氏が占い師のように見えて来ました。
占い左官 松木憲司の世界・・・あなたの未来を占います!?

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タデラクトの仕上げで使う磨き石です。
タデラクトとは、モロッコで古くから伝わる伝統の左官技術です。
その起源はローマ時代と言われています。

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壁、床、浴槽、洗面台などあらゆる所に施工が可能な技術です。
水硬性石灰を材料として、塗り付けた表面を小さな磨き石で
丁寧に磨き込み仕上げていきます。
その仕上がりは天然石を思わせる艶と透明感を持ち合わせ
丈夫さも兼ね備えた素晴らしい技法です。

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松木氏は2007年にドイツで行われた世界7カ国の技能者が集結する
タデラクトミーティングに植田俊彦氏と日本代表として参加されました。

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氏の高度な左官技術と鏝の素晴らしさは参加者の注目を浴び、
世界の職人さんに日本の伝統工法の素晴らしさを大いに教示されたのです。

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セメントが無い時代の防波堤にも施工された、服部長七の三和土(たたき)で
有名な三重県ですが、その地元四日市での仕事が多い松木氏が残す作品は、
あらゆる左官技が見られる究極の左官パラダイスなのです。

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見事な黒漆喰仕上げの塀です。
この現場は松木氏の大親友でライバルである伊勢の 工房カズ 西川和也氏が受けた豪邸で、
同じ三重県人、技を競い合って表裏で何十スパンも磨きあげました。

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技術的、体力的、精神的に全力投球で施工した代表作の一つです。

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若手職人さんの笑顔に、成し遂げた喜びが溢れています。
本当にいい顔してますね。

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伊豆にも持てる技術を結集した、後世に残る「ナマコ壁」があります。
完成度の高さは素晴らしく、年数が経っても美しい状態が保たれています。

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あらゆる「かまど」の制作もお手のものです。
熱効率からデザインまで使う人の身になって作り上げる作品は、
思わず美しいと唸る秀作です。

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心を込めて制作した鯛焼き屋さんの鏝絵です。
人を引き付ける出来映えに、益々お店のご繁盛間違い無しですね。

その他、土佐漆喰も得意技とするオールラウンドプレーヤーです。

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松木氏が愛する地元の土、マサの原土です。
左が風化したマサ土、右が風化前の花崗岩で、
マサ土の固まりは手でボロボロと崩れる程の柔らかさです。
これを篩って作ったマサ土が、磨きやあらゆる施工で威力を発揮する優れ物なのですね。

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マサ土で作った綺麗な洗い出し見本です。
見とれてしまう自然の美しさです。

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この様に白い固まりが花崗岩で、その廻りに風化したマサ土が見えます。
現地を視察したインタビュアー 木村謙一氏は、こんな丸見え地層に遭遇し狂喜乱舞したとか!
土中毒患者の典型的な症状です!!

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また、松木氏の土に対する探求心は留まるところを知らず、
九州熊本まで出かけ、水に溶けない土も探し出しました。
誰にも負けない土を愛する気持ちがひしひしと伝わってきます。
左官職人さんて本当に素晴らしいですね。
講座での氏の語る姿がとてもカッコイイです。

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松木氏の現場の様子です。
大勢の左官職人さんで一斉に大津壁の磨きを行っています。
大迫力ですね。

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いつも現場は活気と笑顔が絶えません。
何故だろうと見ていると、現場には軽快な♪けんちゃんリズム♪があるんですね。
現場以外でもいつも廻りの人を虜にする楽しいリズムの持ち主なんです。
そう、左官に大事なリズムがあるんですね。
実は、松木氏のお父様はミュージシャンだったのです。
なるほど、仕事は違えどその血をしっかり受け継いでいるのですね。
良い仕事はここから生まれて来るのです

廻りの人にいつも優しい松木憲司氏ですが、いざ鏝を握ると
きりっとした表情に変わります。
持てる技と豊富な知識をその都度全力で発揮し、
更に絶え間なく伝統工法や新しい技術の研鑽を積み
突き進んで行く姿は多くのお施主様と若者に感動を与えています。
松木憲司氏の生き様はまさにこれからを考える近代左官そのものなんですね。

心地よい 「けんちゃんの左官リズム」 に酔った講座でした。
松木憲司様、木村謙一様、パオの皆様、ありがとうございました。

次回は、8月22日(日) 挾土秀平氏です。
詳しくは 「パオ イベント案内」 をご覧下さい。

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2010年07月02日
 ■ 久住章 柳生の庄

6月25日(土)・26日(日) 
伊豆修善寺温泉 「柳生の庄」 に於いて、
数寄屋建築(左官)を語る会 が開催されました。

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昨年「柳生の庄」様の大規模な改修工事が行われ、その左官工事は、
久住章氏が持てる左官技を大いに駆使した大舞台です。
氏は全国から腕利きの若い左官職人を集め、本格派数寄屋建築に
求められる究極の左官仕上げを見事に表現する事に成功し、
左官の真髄を作り上げました。

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修善寺を代表する高級旅館「柳生の庄」様は全てにおいて
最高のおもてなしを誇る、海外からのVIPも多く宿泊される老舗です。
伝統的な数寄屋建築の文化をたっぷりと肌で感じる事が出来る名旅館です。

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その工事に要した左官職人は40日で延べ1300人工!
若い左官職人は久住親方に実際の本格的現場を通して、仕事の難しさ、
厳しさを教わり、この上無い貴重な経験を積んだ最高の場であったことは
言うに及ばず、遠山記念館以来の近年では無かった左官の大事業を
成し遂げたのです。

玄関前のアプローチに入り振り返ると、そこにはとても爽やかな
修善寺の風が吹いていました。
これもおもてなし!

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玄関でお客様をお迎えする静謐とした大きなオブジェです。

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天井から下がる小壁のお洒落な下地窓の仕上げは、
京都の山本忠和氏による施工で、フリーハンドで縁取りを
決めた秀作です。

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お迎えの間の久住親方と女将です。

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お取り次ぎの間から玄関の方の眺めです。
玄関からおもてなしの心が溢れる素晴らしい空間です。

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落ち着くムードのロビーに引き付けられるように入って見ると・・・。

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ワァオー、螢壁(錆壁)ではありませんか。

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間接照明で本当に螢が舞うように美しく見えます!

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ロビー全体が螢狩りに来たような楽しさで、旅の疲れが癒されますね。

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ひとつの錆が二重になって広がる仕上がりは、超美技の世界です。

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客室の中でも一番の贅をこらした離れの「松の生」です。
部屋の仕様、庭園の眺めも最高の贅沢空間です。

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その控えの間でくつろぐ皆さんです。
空気が素晴らしいですね。

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可愛い化粧小部屋がとっても粋です。

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戸あたり同士の狭い隙間にもきっちりと土壁の仕上げが施されています。

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天井見切りの仕上がりも、ここまでやるかの驚きの精度で決めています。

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久住親方こだわりの櫛型窓です。
座って見る位置から計算された曲面は、単純な円孤にならないよう、
工夫がされています。

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黒磨き面の仕上げも逸品です。
この他、別の客間の火灯窓(花窓)にも親方のこだわりと、
遊び心が組み込まれています。

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久住章氏曰く、
「素材を感じる左官壁、一目で分かる味わいのある壁に仕上げる。
 均一の壁はクロスや吹き付けに見えてしまう。
 それを変えるには鏝まで作って仕上げ面の表現を考え工夫すること。」

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「柳生の庄」では、あらゆる土壁の味わいを楽しむことが出来ます。
室内の土壁・・・

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廊下の土壁も・・・

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そして、各部屋の浴室の土壁も・・・。

どの壁も久住親方が若い左官職人さんを指導し
互いに納得のいくまで塗り付けて仕上げたものです。
技は勿論、心のこもった塗り壁は美しいものですね。

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さて、離れに向かう階段、通路、渡り廊下に更なる左官の技が、
繰り広げられています。
階段を上がると・・・。

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灯りの下に何と美しい洗い出し・研ぎ出し土間仕上げが浮かび上がっています。
階段自体がその作品なのです。

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丁寧に仕上げた面は愛おしくずっと撫でていたい風合いで、
素足で歩きたくなる絶妙な肌です。

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這いつくばって舐めるように見ている様子を女中さんに不審そうに!?
見られてしまいました!!

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渡り廊下に続く階段です。

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床灯籠の光と庭からの日差しがあたり、美しい輝きを放つ
洗い出し・研ぎ出し床です。

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廊下の石張りの両脇には、深草を使った洗い出しが施されています。

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これまた綺麗な仕上がりですね。

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突如、絵画のような庭園が広がります。
庭の美しさも言葉にならないほど素晴らしいものです。

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腰掛待合いがある渡り廊下も庭園と一体になって、
とても粋なスポットになっています。

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その足下を見ると、

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ここにも洗い出しが施されていました。

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奥のVIPルームに続く廊下も、

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壁から床すべてに左官の技が。

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ここは「武蔵の湯」の内湯です。
湯舟は掻き落とし・研ぎ出し仕上げで出来ています。
ずっしりと落ち着きのある印象で今までに触れたことの無い、
魅力的な柔らかい肌触りがとてもいいんです。

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壁も腰上、下に配色を変えて洗い出し・研ぎ出しが施されています。

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「つうの湯」の露天風呂です。
風呂底土間も掻き落とし・研ぎ出し仕上げで出来ています。

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そこにそっと佇む東屋があります。
ゆっくりと湯に浸かり、のぼせ気味の体で腰掛けて露天風呂の景色を
楽しみます。
ふと、袖壁に目をやれば・・・。

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景色も素晴らしいが、その壁も何とも言えない雰囲気を持つ癒される
仕上がりを見せています。
そうか、これが久住親方が言っていた「遊んでる壁 はかま流し藁」ですね。
何本かの長藁がすーっと流れるように伏せ込んであります。
若い左官職人さんが、7回も塗り替えて必至で仕上げた秀作です。

何とも言えない湯処で楽しむ贅沢なひとときです。

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そして、各部屋には贅沢な部屋湯が付いています。

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「松の生」では、更に贅沢にプライベート露天風呂まで
用意されています。 

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黒の掻き落とし・研ぎ出し仕上げの湯舟の、それはそれは美しいこと・・・
湯が掛かり渋く淡く黒い光を放っています。
暫し言葉を無くし見入ってしまいました。
やはり、触れた感触はすごく優しいです。

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湯に移る梅雨時の新緑が見事です。
湯舟に浸かると全面均等に湯が溢れて、
洗い出し・研ぎ出しの肌に流れる様子は
とても美しいそうです。

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また趣の違う半露天風呂です。
浴槽を桶のようにしつらえた、やはり全てを左官の技で作り上げた
快適湯です。

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ここは、檜の香りがいっぱい漂う檜風呂です。
半露天で気分爽快ですね。

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こちらも部屋付きの露天風呂です。
どれも究極のこだわりをもって仕上げられた作品です。

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ゆっくりとお風呂を楽しんだあと、お部屋で庭を眺めながら涼みます。
何という至福の時間でしょうか。

数寄屋の文化については、1574年に来日したキリスト教宣教師 
ジョアン・ロドリゲスが1634年に著した、日本教会史に記述があります。
その後、利休、古田織部、小堀遠州と、茶人の世界でいろいろな変化を
見せながら引き継がれて来ました。
そして現代、その数寄屋建築技術を蘇らせると同時に進化させ続ける達人として、
我らが 久住章氏がいます。
その氏が如何に凄い人であるか今回改めて良く理解出来ました。
どこまでも深い知識と技術を持ち合わせる久住親方は、
その、利休、織部、遠州より上をいく人かもしれません。
そして、遠山記念館以来と言われる本格的数寄屋建築 「柳生の庄」 様の
大工事を通して職人さんの素晴らしさ、その技の凄さに大きな感動を
覚えました。

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久住親方はよく言われます。

「左官の仕事はこれが正しいとか良いとか言うのは無いんです。
 今あるのは一時的なもので、技術はどんどん良くなります。
 いいですか、自分で研究して造っていくんです。
 死ぬまで勉強や!
 それが自分にとってどうか、人が見てどうかと言うことなんです。」

若い左官職人に夢を与える「左官愛」溢れるお言葉です。

久住親方、柳生の庄オーナー 長谷川卓様、柳生の庄の皆々様、
幹事の植田俊彦様、ご参加の皆様、ありがとうございました。
最高の修善寺左官三昧に心から感謝申し上げます。 

投稿時間 : 09:56 個別ページ表示

2010年06月15日
 ■ 小林隆男 パオ連続講座

平成22年6月6日(日) 小林隆男氏 登場 
パオ連続講座 第4回目が
「琵琶湖の土の話」をテーマに開催されました。

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地元琵琶湖エリアで土の研究に没頭する小林氏が語る、
「大津壁」 「大津磨き」 「近江商人」 とは?
待ってましたの左官界の貴公子と、美術家 木村謙一氏が繰り広げる、
楽しい左官ショーの始まりです!

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小林氏の手による作品が沢山展示されています。

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土の優しさを上手く表現した可愛い塗板サンプルですね。

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大津の輝きはソフトで奥深い光を発します。

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江州白(白土の現土)です。
これが全国でも最高級品と言われている白い土なのです。

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小林氏が自分で焼いた貝灰です。
左は焼く前の貝、中央が焼いたもの、右が消化して
パウダー状にしたものです。
少々肌色っぽい色合いです。

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その優れた素材を生かすのが小林氏の類い希な技なのです。
手掛けた作品や現場を、鏝扱いと同じように巧みな会話で披露してくれます。

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土が持つ魅力と左官職人の心意気を優しく語り、
時には笑いのジャブを入れて会場を盛り上げます。

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大津磨きの作品に会場の目は釘付けです。

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多くの復元工事をこなす小林氏が目を向けるものは、

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随所に光る職人技の数々です。
何気なく見過ごしてしまいそうな逸品も小林氏の目は逃しません。

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何と言う美しさでしょうか!
先人達はこのような仕事を指示されてこなすのではなく、
左官の職人魂で自らが施していく心意気を大いに語ってくれました。

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宝の山!
白土の他、色々な土が露出する画家のパレットのような山肌です。
ここで育ったなんて羨ましい限りですね。

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石田純一モード?で、近頃忘れかけている土から出来た文化を、
熱く熱く聞かせてくれます。
人との出会いの大切さ、近江商人が職人を育てたこと、
施主と職人の良い関係を、自分の経験から心を込めて伝えていただきました。
そして何より、土そのものに触れていたい気持ちと、
土をこよなく愛するその人柄の素晴らしさが参加者の体に心地よく染み入ったのでした。

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小林氏の鏝です。

天下布土
「土は小さな粒子からできている
そんな風に小さな小さなひとりひとりが集まって
無限の可能性を秘めた『カタチ』を生み出す」
江州左官 土舟 小林隆男親方の一心さ  

「美しいもの は どうやって造る?
美しいとは??
銅が、金や銀よりも好きな色になった・・・」 
お弟子さん 小舟さんの熱心さ

滋賀の土を愛する左官さんの講座は本当に美しく、力強く、
楽しかったのでした。
小林隆男様、小舟様、木村謙一様、ありがとうございました。


追伸:次回以降の予定は下記の通りです。 
7月 4日(日) 三重の松木憲司氏、
8月22日(日) 高山の挾土秀平氏
9月26日(日) 兵庫の久住有生氏
10月24日(日) 伊勢の西川和也氏

どんな話しが聞けるのか楽しみです。
お問い合わせは、パオ まで。

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2010年06月03日
 ■ 小沼充左官 下北沢の家 塗り壁

左官三昧の素晴らしい住宅をご紹介します。

下北沢の家
萩野アトリエ 萩野紀一郎氏の設計による木、土、漆喰、和紙、漆を用いた、
究極の快適住宅です。
萩野氏は能登半島地震で倒壊した土蔵や町並みを保全する活動を
続けておられます。その様子はNHKテレビのお昼のゴールデンタイムで、
大きく紹介されました。
現在は輪島市にお住まいで毎週上京されて竣工までの運びとなりました。
本物を求めるお施主様と本物を作り上げる萩野紀一郎氏と名工職人さん達の
技あり住宅はやすらぎと癒しの理想的住宅です。

そして塗壁は、左官 小沼充氏が腕を振るった事は言うまでもありません。

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どうですかこのきりっとしたセンスの良さが光るデザインは!
見るからにこだわりの家作りが想像出来ます。

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外部の壁は木と見事な調和を見せる深草色の左官掻き落としの技、
現場調合で作られたセメント系の材料で丁寧に仕上げてあります。

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右の入り口から玄関に上がる階段脇の壁もモルタル掻き落としが、
施工されています。
次々と左官技が表れますね。

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そして、玄関です。
さすが、本日のオープンハウスには大勢のお客様がお見えの様です。
オオッ 正面の壁には・・・。

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小沼氏の絶妙な 「沖縄土大津磨き」 が渋く輝いています!

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両袖を村上粘土の糊さし仕上げ白壁、天井には能登の和紙を
あしらい、互いを品格ある仕上がりで高めあっています。
いやー とっても上品で美しいですね。
初めて見る感動の作品です。

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玄関から思い切りガツンとやられました!!

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入って左側の部屋は音楽を楽しむプレイルームです。
壁は白い漆喰鏝押さえ仕上げで、その調湿性能と音響効果も考慮した、
空気の綺麗な室内になっています。
なるほど、楽器にも漆喰はその性能を発揮しているのですね。

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広い室内はグランドピアノがとても良くお似合いです。
あれ?ピアノを良く見ると・・・。

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これまた ウオッッ
スタンウエイ・アンド・サンズではありませんか!!
世界最高峰と言われる超々高級ピアノです。

この名器スタンウエイを預かり守る漆喰壁って凄〜い、偉〜い。

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そして驚きは続くのでした。
こちらの浴室・パウダールームも実に素晴らしいです。
洗面台には能登輪島の伝統工法 拭き漆の技法を施してあるそうです。

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広々とした室内に沢山の光が差し込むとても爽やかな空間です。

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2階に上がる階段室です。
上がり切って振り返ると優しい白土の壁に包まれているのに
気付きます。

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2階フロアーは南からの光をいっぱいにに取り込める開放的な
空間が待っていました。
選り抜かれた木材と漆喰の壁が見事に調和する、
とっても贅沢な展開です。

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快適な生活が約束された本気で羨ましくなる世界です。

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やはり空気の良さを実感するプレミアム空間ですね。

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暫し言葉を忘れ無重力状態に居るようにあちらこちらを
さまよいます。

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リビングとつながる白土で仕上げた書斎です。
とても落ち着く感じです。

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魅力的で楽しそうななキッチンですね。
ここではどんな美味しいお料理が振る舞われるのでしょうか。
想像してたら急にお腹が空いてきたのはナイショです。

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洗面所内にも白土の壁を施し、漆喰壁と相まって
その質感を楽しませてくれます。
敢えて同じ白を組み合わせるのも技の内なのですね。

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改めて大津磨き壁の前に立ちます。
沖縄土と村上粘土、こだわりの土で仕上げた作品は
艶やかなサンゴの赤い色合いと、深みのある白色の
両方の美しさを楽しめる最高の仕上がりを見せています。

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玄関に飾られた絵の木の額に何とも似合う土壁です。

萩野氏曰く
「東京の住宅地にしては少々欲張り過ぎた住宅ですが、
その分シンプルな構成と素材の種類を減らすように心掛けました。」

良く聞けばそれはとても難しいことだと思います。
建築の伝統工法を取り入れた優れた設計デザイン能力と、
高度な技術を持つ職人さんとが出会ってこそ初めて可能な
仕事だと思います。
ここまで技を駆使し完成された建築には、なかなかお目に掛かれません。
下北沢の家、拝見出来たことをとても嬉しく有り難く感謝します。

オーナー様、萩野紀一郎様、小沼充様 皆様、ありがとうございました。
今後の仕事に大いに参考にさせていただきます。

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2010年05月30日
 ■ 小沼充 パオ連続講座

ご報告が遅れましたが、
5月9日(日) パオ連続講座「左官仕事、どろり好奇」
第3回目が開催されました。

講師は東京の小沼充氏です。

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テーマは「忍者の磨き」
小沼氏の磨きはいつも左官技法の最高レベルに達する究極の
仕上がりを見せてくれます。

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その技話を聞けるとあって会場は満席です。

今までの作品の多くは、木村氏の美術家としてのセンスが加わり、
更に進化してきました。

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材料から技法、道具までこだわり抜く小沼氏の世界は、
気が遠くなるほど奥深いものです。

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その作品は他の左官職人をあっと言わせた、青松寺本堂の磨きの大壁、
座禅堂の磨き床などのとてつもない大型物件から、

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銀座 一草の癒しの大津磨き間仕切り壁など、人々に感動を与えるものを
多く手掛けています。

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更に、本物の工法をお施主様や設計の皆様に知っていただく為、
左官工法講習会の講師として全国を飛び回っています。

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かまどの制作も小型から大型まで何でもござれ!
洗い出しのかまども素晴らしいものがあります。

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これは、晴れやか美術計画 木村謙一氏との共同個展で展示した
作品です。
木村氏のデザインする複雑な型に、見事に大津磨きを施工してあります。

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土壁もまるで生きているような躍動感溢れる仕上がりに、
見る人の心が引き付けられます。
磨き、土壁、洗い出し、その他何をやっても一級品。
ここまで来るのにどれほどの努力と苦労があったでしょうか。
でも、更に小沼氏の進化は止まりません。
忍者左官ですから。

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何故忍者かと言うと、ある現場でお施主様が小沼氏の仕事振りや、
動きを見ていて「忍者だ!」と思い、忍者の服装を用意して着させたのが
忍者左官の始まりなのです。
何と言う逸話でしょうか!!
左官職人とお施主様の素晴らしい関係ですね。

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道具箱も自分でデザインした輪島塗特注品の凄いものです。
高級料亭のお料理を運ぶ岡持でもここまでやるか?の逸品ですね。
時には、旅行カバンとして使う時も??
そのこだわりにも恐れ入りました。

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内容の濃い講座も終わりホッと一息の小沼氏です。
京都の山本氏、三重の松木氏、名古屋の加村氏も応援に駆け付け、
講座修了後の懇親会です。
このメンバーが揃えば後は・・・(爆笑)
いやー、勉強になったの、楽しかったので2倍の美味しさ満喫です。

小沼充様、木村謙一様、ありがとうございました。
次回も楽しみにしています。

投稿時間 : 08:06 個別ページ表示

2010年05月27日
 ■ 久住 章 第7回 漆喰・土壁 技術講習会 富沢建材(株)

5月23日(日) 雨・・・。
富沢建材(株)の第7回 漆喰・土壁 技術講習会が開催されました。
テーマは、久住章氏の 「鏝の話」 です。
またまた生憎の雨ではありましたが、左官材には水が付きものとばかり、
遠方の方も含め160名様ものご参加をいただき熱気溢れる講習会になりました。

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前日の会場設営の様子です。
平成会の木村左官工業 木村氏、細井工業所 細井氏、
(株)ヤブ原 濱田氏、東京壁材製造(株) 河内氏にお手伝いをいただきました。
いつもながら大工さんかと思うくらいの見事な技を駆使して準備が進みます。

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翌朝準備完了の会場です。
講師の久住章氏と小沼左官 小沼充氏が打ち合わせ中です。

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(有)東京金広様です。
鏝屋さんは今回5社のご参加で、朝早くから展示の準備に取りかかって
いただきました。

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左官道具の(株)関忠様です。

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三木市からはスギタ様、

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(株)カネシカ様、

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そして、梶原鏝製作所様にお越しいただきました。

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9時からの受付開始で、ご参加の皆様が続々とご入場です。

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今回は鏝屋さんも受講者の皆さんと一緒に講習に参加していただく為、
ステージ並びに展示をお願いしました。
どの展示も素晴らしく、鏝がとても美しく輝いています。

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さあ、久住章氏 「鏝の話」の始まりです。

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冒頭から伝わってくる皆さんの熱心さ、凄かったです!

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長田左官工業の長田氏にも講師をお願いし、
鏝技を見せていただきました。

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更に会場の空気が盛り上がって来ます。

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いつもながら気の入った久住氏の声が、参加者の心を引き付けていきます。
土壁水捏ね仕上げに使う鏝から、次に糊捏ね仕上げ、漆喰、大津、
大津磨きの灰土、引土、鉄壁等順序立てて説明が進みます。

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それぞれの鏝の形状についても分かり易く図解して、
その性能と特性を教えてくれました。

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ワラスサを振るう箕(み)の使い方の説明です。
決してドジョウすくいではありません!(笑)
初めて見る方も多くオオッーと言う声も上がりました。

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さっと鏝をとって塗り付けです。

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全員の目がその動きに釘付けです。

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素早く確実に塗り付ける鏝さばきは見事です。

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鏝の握り方、鏝運び、角度など、その動きや力の入れ具合の
一つ一つについて、何故こうするのかの理由を教えてくれました。


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だんだん声にも力が入って来て、講師の久住氏も聞く方も
夢中になり時間の経つのを忘れます。
やはり話の内容が凄いです!

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4、5時間にわたる鏝の話は無事終了しました。
その後鏝を見る時間を取り閉会となりましたが、
その時の皆さんの鏝を手に取る様子が違ってきたように思います。

久住氏曰く 「時間が足りん!!」
どこまで知識が豊富なのか計り知れません。
今回、ゲストでお見えいただいた久住氏の一番弟子 
左官を考える会 代表の植田俊彦氏も、ご挨拶の中で
本当に久住親方は凄いと絶賛されていました。
そして最後に、
「自分で考え鏝を注文して作ること。
これで完成という技術は有りません。
さらに進化し続けるのが技術です。
もっと勉強して頑張って下さい。」
と、締めていただきました。
左官愛溢れる重みのあるお言葉に大変感激しました。

久住章様、貴重な鏝のご講義、本当に勉強になりました。
ありがとうございました。
平成会の皆様のご協力を心から感謝申し上げます。
そしてご参加いただきました皆様、最後まで熱心に受講いただき
誠にありがとうございました。
今後の皆様のお仕事のお役にたてれば幸いです。

皆様の益々のご発展をお祈り申し上げて御礼のご挨拶とさせていただきます。
次回もお楽しみに。

投稿時間 : 13:19 個別ページ表示

2010年04月29日
 ■ 小沼充 パオ連続講座のご案内

注目のパオ連続講座「左官仕事、どろり好奇」 第3回目が、
5月9日(日)に開催されます。

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今回のゲストは、東京の 忍者左官 小沼充氏 です。
テーマは「忍者の磨き」
いつも業界に驚きと感動を与え続けるカリスマです。

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巨匠 榎本新吉氏の一番弟子としてその技を継承し、
更に師匠を超えた磨きの世界を創造する強者です。

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生き様そのものを磨きで表現するその姿を人々が見て、
誰が呼んだか「忍者左官」

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見ているうちに心も体もどんどん引き込まれていきます。
建物を生き物に変える瞬間は振るえが来るほど衝撃的です。

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周りにはいつもその究極の美技を学ぼうとする熱い視線が・・・。

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常に磨きの現場では、一端作業が始まると一気に止まる事無く
仕上げまで突っ走ります。
何工程にも及ぶ作業の中に、瞬間々に要求される早業が次々と繰り出します。
何しろ素早い! 機敏な動きが目に焼き付きます。
さり気なく技を見せ、語る姿がかっこいいんです。
しかも材料はほとんど手作りなんて、まさに「忍者左官」です。

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今日も大切な鏝を輪島塗りの岡持に入れて全国を飛び回る小沼氏です。

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現場での緊張から解放されると、いたずらっぽい笑顔に戻ります。
小沼氏と居ると時間の経つのを忘れます。
技、真剣さ、集中力、洞察力、こだわり、生き様etc・・・。
氏を見ているといろいろな言葉が浮かんで来るのです。

5月9日(日) 何を語るのか!
木村謙一氏が引き出す 「忍者左官 小沼充」 楽しみです!!

詳しくは、パオ連続講座 まで。
          ↑
         クリック

投稿時間 : 11:42 個別ページ表示

2010年04月22日
 ■ 山本忠和 パオ連続講座

パオ連続講座 「左官仕事、どろり好奇」
4月18日(日)に東中野のキャラバンサライ パオに於いて、
連続講座第2回目が、京都の強者 山本忠和氏をお迎えして
開催されました。

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開始前の会場で準備を進める山本氏に、次回講師の小沼充氏も
駆け付けてエールを送っていました。
大の仲良し、東西の若手代表のご両人は、良きライバル、
良きパートナーとして、互いに尊敬し合い切磋琢磨して新しい左官を
創造し、塗り壁の未来を明るくしてくれる逸材です。

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山本氏オリジナルの塗板サンプルや素材サンプルも各テーブルに
置かれ、準備完了です。

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さあ講座開始です。
お題目は「技の数々」
山本氏が社寺、住宅、店舗、そして豪邸と腕を振るった写真を
スクリーン一杯に写し出します。

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そこで駆使した技について木村謙一氏の美術家的インタビューで、
次々と披露されていきます。

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京都の重要文化財 安楽壽院の土塀復元工事では、かなり状態の悪かったものを、
正確な診断と高度な技術をもってして見事に蘇らせました。

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一切手を抜かない見事な仕上がりは素晴らしいの一言!
お弟子さんにも叩き込まれた山本流左官魂が見え隠れする秀作です。

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技術面や仕上げの表現でもそれぞれの建物に合わせた
施工を考えていて、一例は、壁一面を縦3等分に分けて、
両端は横にほうき引きで仕上げ、中央は掻き落としにする事で
生きた壁にする。
又は外壁内壁の角面全てを丸面の仕上げをした家などは、
壁一面の縁が切れない為、一気に通しで仕上げなければならず
施工が大変だけど、とても可愛い愛着の湧く家になった事など
現代風の仕上げにも持てる技を大いに発揮されています。

山本氏曰く、
「本来、住宅の施工においてもきっちりとした壁を塗るのが好きです。
予算の有る豪邸の壁も沢山塗って来ましたが、逆に予算の無い
現場でもどうやって仕上げようか悩むのも面白いですね。」
お施主様を思うとても優しい言葉ですね。 感激しました!

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休憩の合間も色々な質問に分かり易く答える山本氏です。

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参加者は設計の先生が多く、塗板見本や店舗内の実際の
塗り壁を見ながら、デザイン性、機能性、施工に付いてレベルの
高い意見交換が行われていました。

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インタビュアーの木村氏が山本氏のことを、
「何しろこの人、凄腕ですから!」 とキッパリ!!
鏝を左右両手で使いこなし、伝統的工法から現代の
建築に合う仕上げまであらゆる左官の技能をこなし続ける
カリスマ左官なのです。
山本氏、木村氏のノウハウと魅力溢れるお人柄にたっぷりと
触れさせていただきました。
いやー、大変勉強になりました。
と同時に今までの左官の講習会とは一味違うとても 「楽しい」
講座でした。

講座修了後には希望者で懇親会がおこなわれました。
山本忠和様、木村謙一様、お疲れさまでした。
次回が待ち遠しいです。

皆様もいかがですか。
参加ご希望の方は 「パオ連続講座」 をご覧下さい。

投稿時間 : 14:38 個別ページ表示

2010年04月03日
 ■ 左官・久住章 写真家・日暮雄一 パネルディスカッション

3月27日(土)の午後、青山の環境パートナーシップオフィスにおいて、
NPO法人「緑の家学校」の基調講演会が「左官的塾」の共催で
開催されました。

テーマは、パネルディスカッション「土の家」と題して、
左官・久住章氏と、写真家・日暮雄一氏を招き、両カリスマが身体で
感じ取った世界の土建築の魅力を熱く語るスーパー講演会です。

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この日も会場が一杯になる盛況振りで、建築家の皆様が土の建築に
対してどれほど関心をお持ちかが伺えます。

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講師の紹介です。
左官・久住章氏と、建築写真家・日暮雄一氏です。
久住氏には5月の弊社の講習会でも講師をお願いしています。

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日暮氏(日暮写真事務所)はもともと有名設計事務所に席を置き、
数々の近代的大型物件の設計に携わるバリバリの設計マンでした。
その日暮氏がある日突然土壁に魅入られ、その美しさを人々に伝える為
フリーのプロカメラマンに生まれ変り、アフリカや中近東の土着的建物を数多く
カメラに収め多くの人に紹介し感銘を与えておられます。

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講演の内容は、設計の経験を生かし建物を知り尽くした人だから出来る
素晴らしいものです。

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図面の無い土で出来た建物も、氏の巧みな技で図解しとても分かり易く
解説してくれます。

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日暮氏の写真を見ていると、まるでそこに居るような気持ちになって来ます。

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アフリカのリマでは、日暮氏が紹介したあの有名な土建築のモスクの
土壁塗り替え行事を撮影するために、2ヶ月も現地に滞在したそうです。
その他、色々な場所の興味が湧く写真を沢山見せていただきました。
写真の出来映えは言葉を無くす美しさで感動を覚えます。

4駆車に機材を一式積み込みアフリカの台地でアクティブに活躍される
日暮氏の魅力的な姿が目に浮かんで来る公演でした。

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久住氏は日本古来の左官の技術を極めた日本を代表する左官職人です。
その活躍振りは広く世界に及び、ドイツではアーヘン工科大学で教鞭をとり、
世界各地の土壁を見て周り、現代の建築に土の素晴らしさをよみがえらせた
カリスマ左官です。

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イギリスでの泥壁施工の話しや、その他ヨーロッパ各地の版築壁、
日本の伝統的な土壁の仕様など、実際に施工にからむリアルな
話しに皆さん聞き入ります。

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土壁が生きていること、土壁の良さを語りだしたら止まりません。
その語りは熱く多くの人の心を引き付けて止まない久住氏です。

両講師が感じとった土の質感と表情・表現をたっぷりと見聞出来た
非常に中身の濃厚な3時間でした。
改めて土という素材に惚れ直す事が出来た講演会に感謝です。

久住様、日暮様、緑の家学校様、ありがとうございました。

投稿時間 : 15:00 個別ページ表示

2010年03月23日
 ■ 白石博一 パオ 連続左官講座 

第7回 漆喰・土壁 技術講習会 好評受付中
5月23日(日)開催 富沢建材株式会社
詳しくは「富沢建材ホームページ 新着情報」 をご覧下さい。
参加ご希望の方は早目のお申し込みをお願い致します。


平成22年3月21日 以前ご案内しました、
パオ連続講座(8回) 「左官仕事、どろり好奇」 が開催されました。

第1回目 トップバッターに茨城の左官 白石博一氏の登場!
「感じる」をテーマに魅力溢れる左官話を伺いました。

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会場は、東中野 中央アジア料理「パオ」様です。
左官についてとても造詣の深い、パオ代表・安仲卓二様のご理解とご協力のもと
雰囲気バッチリのセッティングです。
室内は塗り物の多い左官ワールドが広がっています。

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白石氏が持ち込んだ、鏝、泥団子、材料の現物サンプル、塗板見本です。
床全面に敷き込まれたオーナーこだわりの絨毯にとてもお似合いのコラボです!

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定刻になりほぼ満席状態で講座の開始です。
設計の先生を中心に左官を知りたい方々が集合しました。

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木村謙一氏の司会、インタビュー形式で進行していきます。

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究極の左官工法で有名なホテル川久の大迫力の現場施工について、
熱く語る白石氏です。
その他、いろいろな現場での体験を細かく披露していただきました。

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材料の素材的な説明に化学式を表わすなどして、更に美術的な観点から
理解し易く解説する木村氏の巧みな進行と、白石氏の経験から言葉に
滲み出る左官の凄さをたっぷりと聞かせていただきました。
両氏の技が一体になって作られる世界は逸品です。
今までとは違った切り口の左官講座はとても素晴らしいものでした。
あっと言う間の3時間、今後の講座が益々楽しみになってきた第1回目でした

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無事第1回目も終了し残れる方々で、木村氏、白石氏、
オーナーの安仲氏を囲んで楽しく反省会です。
左官を愛する人々の集いはいつも暖かで幸せになります。
素敵な会場は大いに盛り上がったのでした。

投稿時間 : 16:18 個別ページ表示

2010年03月03日
 ■ 久住章の 「土壁・漆喰 技術講習会」

富沢建材(株) 第7回 土壁・漆喰 技術講習会のご案内です。
5月23日(日) 日本一のカリスマ左官 久住章氏 をお迎えし、
究極 「の話し」 の講習会を開催致します。

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久住 章 氏

鏝のことをこれだけ語れる人は他にはいません。
いろいろな鏝の種類や性能、使い方を一日かけて解説していただきます。
素晴らしい久住章氏の鏝ワールドをお楽しみ下さい。

お申し込み等、詳しくは弊社のホームページ
新着情報 第7回 漆喰・土壁 講習会」 をご覧下さい。

皆様のご参加をお待ち申し上げております。

お問い合わせはお気軽に 富沢建材(株) までどうぞ。
TEL 03 3362 7774

投稿時間 : 12:20 個別ページ表示

2010年01月21日
 ■ 挾土秀平 個展 「泥の心象」 銀座

左官 挾土秀平氏の個展が開催されています。

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銀座 兜屋画廊
東京都中央区銀座8−8−1 出雲ビル8F
TEL 03 3571 6331
資生堂ビルとなり

2010年1月19日(火)〜31日(日)
A.M.10:30〜P.M.6:30(最終日P.M.6:00)
会期中無休

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一言 凄いです!
挾土氏が世界の土に対してどれ程の愛情を持って接しているのか。
それぞれの土とじっくり語り合いその土柄(人で言えば人柄)を見出し、
その土が喜んでくれる作品を作る・・・。
それがご本人と作品から発せられる やすらぎ のオーラとなって
人の心を引き付けているのが分かります。
土と自然の通訳、左官 挾土秀平の世界 「泥の心象」
皆様、是非ご覧下さい。

投稿時間 : 08:21 個別ページ表示

2010年01月13日
 ■ 榎本新吉 2010 現代大津磨き

榎本新吉氏の現代大津磨きが進化し続けています。
そして、今年も熱い榎本節!

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冴えわたるちょっと厳しい言動に多くの人が刺激を受けて、
技を習得していくのでしょう。

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次々に生まれる作品に、伺う度に驚かされます。

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榎本氏曰く、「技法とデザインは無限だぞ。」

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地下室に眠る材料も同じく、全国を歩いて見つけた宝物(色土)です。
全国無限に有るのです。

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素材を生かし、もてる技とデザインセンスが合体して生まれる作品は
とても魅力的で目を奪われます。
榎本氏のこの飽くなき探求心はどこから生まれて来るのでしょう。

上の作品はどれも壁に対する思いから生まれた子供達です。
これを育てるのが我々の役目だと思います。
若人の皆さん、榎本新吉氏の元へ集おうではありませんか!
榎本節も良いものですよ。
行けば必ず得る物が有り勉強になります。
厳しさの中に左官愛が見え隠れする奥の深い世界を皆様と一緒に。

投稿時間 : 14:00 個別ページ表示

2009年10月23日
 ■ 品川 博 言葉を無くす左官美技の世界

遂に念願叶い、兵庫県加古川市の品川博様のお宅へお邪魔して参りました。

品川氏は左官の名工として究極の技を駆使し、とんでもなくすばらしい作品を
次から次と生み出すスーパーマンです。
全国の社寺や公共施設のデザイン壁などを多く手掛け、最近の作品では、
高野山奥の院六地蔵噂灯篭塔の修復、関西大学2号館、及び父母会館の
7m×2mの鏝絵2大作を手掛け多くの人に感動を与えたばかりです。
その他小さい作品ではセメントで出来た本物と見間違う、蟻とか、魚の干物、
スルメイカ、サンショウウオ(あまりのリアルさに本当にびっくりします)など、
もの凄く沢山の作品を作りだしています。

そして作品だけに留まらず、氏のお兄様の品川清志氏と新しい鏝や道具を常に
開発、製造し意欲的に左官の発展に寄与されています。
特に最近人気の「漆喰押さえ鏝」は、かつてバリバリの野丁場時代にべら棒な
面積の漆喰壁を前にして、どうやって効率よく仕上げるか悩んだ末に開発した
漆喰を楽しく塗る鏝で、漆喰仕上げにとって革命的な発明です。


早速お宅へ上がり込み品川氏のお話を伺います。

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品川氏のアトリエです。
三木市から依頼され製作中の鏝絵を前に語り始めた品川氏の体からは、
オーラが出ていて、その周りの全ての物が輝いています。

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今回伺ったメインのテーマは、ドライウオッシュ工法(水を使わない洗い出し工法)
を見せていただく事です。
オオッ ドライウオッシュ工法で時計のパネルが出来上がっていました。

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綺麗な海岸の砂です。
これを使って彩豊かに仕上げる訳ですね。

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なるほど拾い分けていくと、ご覧のように様々な自然に磨かれた貝殻が
沢山出て来ます。

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綺麗な桃色の貝殻ですね。

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そして、道具です。

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ドライウオッシュ工法用に開発されたワイヤーブラシです。
とても細い繊細なワイヤーです。

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そして、面を抑える専用面引きです。
これも、お兄さんの清志氏が一晩で作った逸品です。

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塗り付けたネタが、かなり締まって来た状態でブラシを垂直に当て、
ソフトなワイヤーの掻く感触を大事に表面を掻き落していきます。

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出来あがったサンプルを見せていただきました。
細かい砂状のものまで一粒々が綺麗に表現されています。
小粒ながら、それぞれが自分を主張しているように。
繊細な面でありながら、きっちりと窪みを表現しています。

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可愛いキューブ型の作品です。
何か宝物のように輝いています。

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こちらは一枚の中に流れを意識したデザインで、
暗くすれば流れ星のように白い細かい砂と、色彩鮮やかな貝殻が
素晴らしく美しく光り輝く作品です。

品川氏曰く、「ごの技法で今迄は難しかったかなり細かい砂状のものまで
洗い出し仕上げが可能にりました。どんな素材でも使って表現する事が出来ます。
可能性が無限になりました。」 

実はこの技、過去の失敗から生まれた事を話してくれました。
氏の言葉がとても重く心に響いた瞬間でした。

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現在、製作中の三木市から依頼された鏝絵です。
製作するにあたって品川氏がこだわる世界を聞かせていただきました。

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驚きの鏝絵用の鏝です。
とても小さいものでもしっかりと焼きの入ったしなりの良い鏝です。
これら全てが兄清志氏との共同開発のグッズなのです。

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品川氏は原画を見て、描かれる人物の履くワラジの様子が納得がいかず、
氏のお母様の作られたワラジを参考に本当の履き方で描く事にされたそうです。
そこまでこだわる品川氏だからこそ、素晴らしい作品が出来上がるのですね。

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見事な深みのある臨場感は技量の凄さを表しています。
今にも額から飛び出して来そうな出来映えですね。
鏝絵って素晴らしい!

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ふと見ると、ヤドカリ君達が挨拶に来てくれました。
ようこそと言ってくれた様な気がしました。
本当に生きている感じなんです。

改めて品川博氏のもの凄さを知りました。
一切の妥協は無しに徹底して材料を研究し、技を磨き挑戦し続ける
その姿を拝見し、自分の心の中にただ感動したでは済ませれない
もっと大きな左官維新が起きたような気がしました。

職人文化を忘れ掛けてる昨今、もっと多くの人に知って欲しい
品川博氏の世界でした。

品川様、お忙しい時にも拘わらずご指導を頂きありがとう御座いました。
益々のご活躍をお祈り申し上げます。


投稿時間 : 20:15 個別ページ表示

2009年09月08日
 ■ 品川博 佐藤ひろゆき 進化する左官の技

品川博氏、佐藤ひろゆき氏による左官の新しい技をご紹介します。

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9月5日(土)に、丹波篠山の南左官 南俊行様からお電話を頂きました。
南氏のとても興奮した声で 「今、品川さんの所に居て凄いものを見ています!」
それは、兵庫県加古川市の名工 品川博氏による乾式洗い出し、
「品川式ドライウォッシュ工法」 を目の当たりにされ、感激のあまりわざわざ連絡を
下さった訳です。

そして、本日品川様よりサンプル(上の写真)をお送り頂きました。
見た瞬間、私も驚き思わず月刊左官の編集長 小林澄夫氏に電話を掛けて
しまいました。

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何が凄いかと言うと、1厘前後の細かい砂まで実に綺麗に洗い出しされているのです。
写真では分かりにくいと思いますが。白い部分の細かい所が凄く綺麗です。
普通なら流れてしまうような細かい粒が・・・とにかく素晴らしい! 
ドライウォッシュ工法?
どの様に施工するのか不思議ですね。
今すぐ、品川氏の所へ行って教わりたくなりました。

品川氏曰く、 
「この工法によって、水による洗い出しの弱点や難しさを取り除き、
施工性、デザイン性、表現力の可能性を高めることが出来ます。
?水を使わず素材を表わすため、白華(エフロエッセンス)が出にくく仕上がりが
綺麗です。
?水で洗わないため、素材(種石等)の流れ落ちの心配がなく、小粒子(1?内)
まで素材表し仕上げが可能で、大小混合も容易にできます。
?水を使わず汚水を出さないため、内部への仕上げも容易で、素材の選び方、
高級感や、わび、さび、など表現の仕方で無限な可能性があります。
?小粒子の使用ができる事により、より小細工物の素材表し仕上げができます。
?大掛かりな道具や設備の必要が無なく、左官の基本技術、知識があれば
施工ができます。
?水を汚す事がないため、環境にやさしくエコタイプであり、、街中や道路脇でも
施工が容易です。

この工法が使える事により 
あらためて身の周りにある砂等の素材を見直し、美しいのも、面白いものを
掘り起こし、それらを表面表現する事により、より味わいの深い左官仕上げを
作り出したいと思います。

南氏が驚くのもごもっとも!!
またしても品川氏、やってくれました。

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そして、この作品はと言うと、
1週間前の土曜日8月29日に、京都の佐藤左官工業所の佐藤ひろゆき氏に
お越しいただいた折に、有難く頂戴した錆壁の作品です。

良い塩梅に錆が出た土の上に、くっきりと浮き出た白い左官の文字が・・・。
その部分だけを錆が出ないよう技を使っての作品です。
はて、これまた如何にしてこのような文字が?
工法については後ほどご指導いただく事になっております。
この技もこれからの新しい左官の表現の仕方として楽しみな世界ですね。

品川博様、南俊行様、佐藤ひろゆき様、ありがとうございました。
いつも左官の素晴らしい世界にご案内いただき感謝申し上げます。
何て幸せな建材屋なんだろうとつくづく思う今日この頃であります。

投稿時間 : 10:33 個別ページ表示

2009年05月20日
 ■ 挾土秀平 凄腕ニュース

第6回 漆喰・土壁 技術講習会 
5月24日(日)開催 富沢建材株式会社
詳しくは「富沢建材ホームページ 新着情報」 をご覧下さい。

我らの挾土秀平氏に思わぬところでお目に掛かりました。

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地下鉄丸の内線 新宿駅改札近くの人が激しく行きかう地下通路です。

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人の流れに乗って歩いていると・・・。

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あれっ! 

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あれれれっ!!

秀平さんだ。

凄腕。
左官職人
挾土秀平。
わかる。 水が違う。

何てカッコイイんだ。
我らの左官職人 秀平さんが焼酎のコマーシャルに登場。
ここ以外にも、36ヵ所で人の目と心を奪っています。

どこまで進化するのか高山の孫悟空&矢沢永吉 挾土秀平 
※「月刊左官 左官西遊記」 氏の書下ろし 連載中

益々のご活躍をお祈りしております。

弊社の講習会にもお越し頂ける予定です!

投稿時間 : 18:39 個別ページ表示

2008年12月14日
 ■ 榎本新吉 飽くなき探求

進化し続ける千石磨き

榎本新吉氏にマンツーマンで千石磨きのご指導を頂きました。
伺う度に何かが違う、「ほーら、分かるかな?」

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と、言いながら泥団子を気持を込めて磨き始めます。

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すると次の瞬間、ピカ〜っとくるのです。

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他の泥団子と比較しても、今まで見た中で確かに一番光っています。
しかも、輝き方に深みが有ります。
何が違うんだこの泥団子は!

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すると榎本氏、泥団子をコマのように指先を捻って回し始めました。
コマ回し?

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またまた、「ほーら、真円だからまったくぶれずに良く回るだろ」
これは初めて拝見するパフォーマンスです。
なるほど、本当にまん丸なんですね。
いつまでも回っていました。

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同じノロで平面の磨きもお願いしました。

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元々仕上がっているパネルに直に謎のノロを塗り付けます。
重ね塗りして磨く事で益々深みが出るそうです。

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そして直ぐに油焼きのヘラで丁寧に押さえ込みます。
余分なノロが削れてしっかりと下地に馴染んでいきます。
繰り返し押さえる内にヘラが滑り出し、この段階でかなり艶が出始めます

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仕上げに滑石のパウダーを布に付けてさらに艶出しを行います。

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驚くべき見事な艶が出ました。
しばし言葉を無くします。
榎本氏、満面の笑みを浮かべて今日3度目の「ほーら」です。

「やってみな」と言われてチャレンジ!
同じパネルに再度塗り付け仕上げまで優しく?ご指導いただきました。

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綺麗に凹凸を出した仕上げです。
その他、あっと驚く色々な作品があります。
一つ一つが進化し続け生まれて来た物なんですね。
「土がいいんだよ」と一言!
一貫して良い素材を探し求め、それに巡り会えた時に凄い作品を
生み出す技量は益々の冴えを見せています。

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榎本氏と一緒に居ると時間が経つのを忘れます。
氏の左官愛の世界に引き込まれ、その都度沢山の事を教わり
そしてテーマを与えてくれます。
次にお目に掛かる時は自分も進化していなければと言う気にさせてくれるのです。
左官本来の技術を本気で伝えようと取り組んでおられる姿勢には心を打たれます。

榎本詣で、今度皆さんもご一緒に如何ですか。
怖さと優しさ、癖になりますよ!

投稿時間 : 11:32 個別ページ表示

2008年10月25日
 ■ 富沢建材 第5回 漆喰・土壁 技術講習会

10月19日(日) 第5回 漆喰・土壁 技術講習会を開催いたしました。

テーマは伊勢磨きで、伊勢神宮の門前に構える赤福様のへっつい(かまど)
の技法を再現するお楽しみイベントです。
伊勢の名工、尾崎孝行氏、西川和也氏、松木憲司氏をお迎えして、
ご指導頂く日が遂に来ました!

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当日は天気にも恵まれ心地よい秋晴れの中、
150名の方にご参加頂き活気のある講習会となりました。

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いつもながら平成会の皆様には準備の段階から大変お世話になり、
当日もお世話係としてご活躍を頂いております。
平成会の半纏は粋でカッコイイですね。

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講習開始前からへっついと道具の周りには人だかりが。
会場の雰囲気は徐々に盛り上がって来ました。

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あじま左官工芸 阿嶋一浩氏の アジ な司会進行により、
講習の開始です。

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技術解説をお願いした 工房カズ代表 西川和也講師の
行程説明から始まり早速作業開始です。

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先ずはへっついに刷毛で水打ちを行います。

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予め土の下塗を施したへっついに中塗土(かっちゃく)を塗り付けます。
※かっちゃく・・・くっつきが良い中塗土のこと
メイン講師 尾崎孝行氏の35年間、赤福様のへっついを
磨き続ける鏝さばきに参加者の目が釘づけになります。

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そして、こちらも磨きの達人、蒼築舎代表 松木憲司氏です。
やはり、無駄の無い機敏な動きに目が放せません。 

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3氏が繰り広げる伊勢磨きに会場が益々熱くなってきました。

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今回も好評の映像システムを使って、スクリーン1台と
テレビモニター2台で講師の手元を大きく映し出し、
皆様に手元が分かり易くじっくりと見て頂けるようにセットしました。

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飛騨高山の挾土秀平氏、淡路の植田俊彦氏、京都の山本忠和氏も、
ご参加下さり盛り上げて頂きました。

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中塗土が落ち着いた頃、一回目の白い砂漆喰が塗り付けられます。
(石灰・真砂土粗め・ひだしスサ配合)

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この段階で鏝でかなり押さえてキッチリと面作りを行います。
ここからは参加者も加わって、さらに押さえ込にかかります。

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水引具合を見て、2回目の色をつけた砂漆喰を塗り付けます。
(石灰・真砂土細目・ベンガラ・白雪配合)

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この間、希望者に14枚のパネルを用意して実際に塗って頂き
材料の感触を体験して頂きました。

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西川氏のアドバイスに注目の皆さんです。
素晴らしい鏝技に思わずため息も。

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真砂土で出来た材料の独特な感触を楽しんでもらいました。

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細かい部分を丁寧に慎重に抑え込む尾崎氏、松木氏です。
その両氏の笑顔には、楽しんで鏝を握る左官愛が滲み出ています

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この段階でかなり艶が出始めています。
曲面を抑える巧みな鏝捌きはお見事の一言に尽きます。

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さあ、いよいよ最終段階の仕上げノロの塗り付けです。
(石灰・ベンガラ・80メッシュ真砂土配合)
これも早業で素早く鏝を動かしながら、平均に塗りのばして
いきます。
.
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見る方も身を乗り出して注目です。

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一気にスパート!
西川氏の表情も真剣です。

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最終段階、手擦りの技に入ります。

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我が子を撫でるように優しく丁寧に仕上げていきます。

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遂に完成です。
その瞬間、会場は何とも言えぬホッとした雰囲気に包まれます。
9時半開始から講師の3氏は昼食も休憩も取る事無く、
15時までただひたすらへっついと向かい合い完成させてくれました。
本当にお疲れ様のハードな作業で、見学者も肩を撫で下ろすような
感じです。

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締めくくりにあたり、挾土秀平氏と山本忠和氏に総評を
お願いしました。
伊勢磨きの素晴らしさに両者とも感激の様子、
左官の技術を更に磨きをかけて頑張ろうとまとめて頂きました。

最後に質疑応答が行われ、ノリを使わない伊勢磨きの技法についてや、
壁面に応用する対策など、即仕事に生かそうという参加者の前向きな
対応に主催者側として嬉しい限りの締めくくりでした。

ご参加頂きました皆様、本当にありがとうございました。

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会場の撤収作業を終えて、記念撮影です。
お世話になった講師の、尾崎孝行様、西川和也様、松木憲司様、
平成会の皆様、その他お手伝い頂いた皆様、
そして、頑張ってくれた社員の皆様、
お陰さまで無事に終了出来た事に心より感謝申し上げます。
ありがとうございました。

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皆様にお配りした資料は、へっついのイメージを
大事にしたいと思い、「どぞうの絵本」の作者 村尾佳州子様に
無理を言って作って頂きました。
とても素晴らしい出来映えだと思います。
今回の講習会を盛り上げてくれた大事な宝物です。
村尾佳州子様、ありがとうございました。

来春も気合いを入れて開催しますので、また是非ご参加下さい。

投稿時間 : 15:24 個別ページ表示

2008年07月26日
 ■ 伊勢 赤福の「竈」へっつい

7月20日(日)三重県伊勢市の「赤福」へ行ってきました。
お目当ては300年の歴史と文化を誇る赤福さんの赤福餅と赤福かき氷をいただくことと、
見事に赤く輝く「竈」へっついを拝見することです。

そして、このへっついを高度な技法を持って毎年暮れに塗り替えをされている、
左官の名工 西川和也氏、尾崎孝之氏にお目に掛かることが出来ました。

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暑い日にも拘わらず凄い人出です。
伊勢神宮へ参拝し赤福さんで一休みは誰もが願う、お伊勢詣での
基本です。

その店先で出迎えてくれるのが赤い「竈」へっついなんです。
先ずは、本店と支店のへっつい4連発です。

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何と言う美しさ!
訪れる人の心を癒してくれるこの見事な赤い輝き!!
このへっついで湯を沸かして頂くお茶は体と心に沁み入ります。

一体どの様に左官の技を使って仕上げていくのでしょうか?

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こちらは、他店のお菓子屋さんで活躍する薄茶色のへっついです。
この色もいいですね。

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右が西川氏、左が尾崎氏です。
「そろそろ塗り替えやな」 とオーナーさんと話しておられました。

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こちらは料理屋さんの黒磨きの物でかなり使い込んでいます。
伊勢磨きは強い物なんですね。驚きました。

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おはらい町にある五十鈴塾のへっついです。
素敵な建物だなと思いつつ奥へ入れていただきビックリしました。
伊勢の伝統的な居心地の良い素晴らしい室内空間です。
五十鈴塾は日本の暮らしにある心地よさを体験し、
全身で季節を感じながら自然を大切にする暮し方を
教えてもらえる塾です。

大型のへっついで実際にご飯を炊いたり料理をしたりと、
羨ましい環境の熟です。

やはり、西川氏による施工で我が子のように優しく撫でながら
工法の説明をして下さいました。

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赤福様の新店舗をご案内いただきました。
赤福様のオーナー自らが陣頭指揮を取られて、それに答えるべく
西川氏が存分に左官の技を発揮された場所です。
黄色の大津壁が見事に仕上がっています。
真中をよくみると・・・。

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盃を何とお洒落に表現したことか。

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建物に入り、その裏側を見て、オッオッ!
わらを伏せ込んだ土壁仕上げの中に盃が手に取れるように
クッキリと息づいているではありませんか。
お見事です。

この他、沢山の西川氏、尾崎氏の手掛けた作品を見せていただきました。
それら伊勢で培われた伝統的な文化は、これから我々の考えるべき
大事なポイントと方向性を示しているように思いました。

お陰さまで、多くの事を学んだ中身の濃い旅でした。
赤福様、西川様、尾崎様、ありがとうございました。

投稿時間 : 17:24 個別ページ表示

2008年07月19日
 ■ 榎本新吉 チリ刷毛・墨つぼ作り講習会

7月13日(日)平成会主催の榎本新吉氏による
チリ刷毛・墨つぼ作りの講習会が開催されました。
会場となった東京都左官職組合連合会会館には、
40名近くの参加者が集まり道具作りの原点を学びました。
先ずは午前中に行われたチリ刷毛作りをご紹介致します。

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何事が始まったのかと思うヤシの木の解体です。

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表皮を一枚一枚剥がしていきます。
このように剥がれるんですね。

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剥がした表皮の皮の部分をハサミで切り取り繊維の
部分を残します。

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絡み合った繊維を少量ずつすき取るように引き抜き、
同じ向きに揃えていきます。

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そうして徐々に束ねます。

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全員でお手本を見ながら作業開始!

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これだけ揃えるのも大変なんです。

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それを今度は紐で仮巻をします。

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手慣れた足付き?で、器用に巻き付けていきます。
足の裏で転がすんです!

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仮巻までを榎本氏がチェックします。
どうやら合格のようですね。

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次に、鉄線で2回目の仮止めです。
最初の仮止めを少しずつ解きながら徐々に太さを変えて、
形を整えていきます。

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そして同線巻です。
最初の巻は丁寧にきっちりと決めます。

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榎本親方の指先から目が離せません。

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一か所の巻き数を10巻き位で止めて、次の巻へ移動します。

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等感覚に、2つ目・・・。

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3つ目と、キレイに巻き付けていきます。

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するとどうですか、この通り見事に巻き上がりました。

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最後に止をして巻き付け完了。

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木槌で叩き型を整え、

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ハサミで揃えて完成です。

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どうですか、この美しさ!
手作りの素晴らしさに歓声が上がります。
出来栄えだけでなく、材料を少しも無駄にすること無く進める
手作業に熟練の技を見る事が出来ました。
ほんの少しですが、榎本氏が若い人達に伝えたい事が
分かったような気がします。
榎本親方の技を見て学ぶチャンスは滅多にありません。
どれだけ勉強になったかは簡単には言えない程です。
改めて左官の素晴らしさ奥深さ、器用さを教わりました。
ありがとうございました。

後ほど、墨つぼ編もお送り致します。

投稿時間 : 16:22 個別ページ表示

2008年06月06日
 ■ 奥田信雄の京壁講習会

5月25日(日) 待ちに待った奥田信雄氏の京壁講習会が
開催されました。

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当日の午前中はあいにくの雨でしたが大勢の方にご参加頂き、
会場を盛り上げてくださり感謝です。
受付では奥田氏自筆の講習会資料が配られました。

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九州は熊本から、東北は新潟からと遠方の方を含め170名のご参加で、
欠席者がほとんど無くご覧のようにお集り頂きありがたい限りです。

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今回はカメラマンもスタンバイで鏝さばきをスクリーンに写し出す企画です。

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さあ、いよいよ講習会のスタートです。
久住章氏や挟土秀平氏にもご挨拶を頂きました。

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テーマは、「水捏ね仕上げ」と「投げスサ仕上げ」で、
材料と行程に付いて説明が行われました。

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その後、早速水捏ねの塗り付けに入ります。
皆さんの目は奥田氏に釘付けです。

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引き続き奥田左官工業所の原氏、泉氏にバトンタッチで、
仕上げて頂きます。

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受講者の中から10名の希望者に実際に塗り付けて頂きました。
今回の大目玉は、奥田氏の作った材料を奥田氏の鏝で塗る
事が出来るスペシャル版なのです。
これはなかなか経験出来る事ではありません。
皆さん一斉に水捏ね仕上げにチャレンジです。

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真剣に壁に向かいます。

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それに応えて奥田氏の熱い指導が始まりました。

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次から次へと、時には笑顔を交えながらアドバイスして頂きます。

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ポイントでは、参加者全員に分かり易く解説してくれます。

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神の手のような技に目を奪われますね。

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鏝の握り、寝かせ方、運びを的確にアドバイス!

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そしてその場で会場の皆様にも解説してくれます。

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奥田氏は実に熱心に、一人一人に声を掛け、

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丁寧に手解きをされていきます。

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壇上の壁も最後の仕上げに手を入れます。
まるで太極拳のようにゆっくりとした鏝の動きで、
見ている方も息を止めてしまうような空気です。

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その鏝さばきを正面のスクリーンと両サイドのテレビモニターに
写し出します。

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このモニターの設置により鏝の動きと、仕上がっていく肌が良く見えると、
良い評価を頂きました。

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テント内のモニターを見る皆さんです。

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全員が奥田氏に心を奪われたように、京壁の世界へ
入っていき時間の経つのも忘れてその動きを追いかけます。

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原氏による投げスサ仕上げに入ります。
20年寝かしたワラをまるで風でなびかせるように伏せ込んでいきます。
奥田氏の技を継承する原氏の素晴らしい鏝さばきです。

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平成会の小宮氏です。
伏せ込んだワラの上を引き摺り鏝で抑え込み仕上げていきます。

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緊張しながらの作業がモニターで紹介されます。
普段見ない?真剣な表情はカッコイイです。

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奥田氏は写真も本格派で、鏝も凄いがカメラも半端じゃありません。
こだわりの人は全てにおいて追及されるのですね。
合間を見て、お弟子さん達の姿を写されていました。

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壇上の仕上がった作品に歓声の声が。
直に見る本物の京壁の美しさに目を奪われます。
土の持つ味わいを堪能出来る仕上がりです。

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会場では恒例の書籍販売も行われました。
左官関連の本が増えて来たことはとてもありがたい事で、
多くの事が得られる情報源として活用して頂きたいと思っています。

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そして、左官にとって一番大事な鏝屋さんにもお越し頂きました。
三木市から鏝鍛冶の五百蔵製作所様、東京金広様に展示販売を
お願いしました。多種にわたる鏝類は見ているだけでも楽しくなる、
逸品揃いです。

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無事講習会も終了しました。
ホッと一息の奥田氏です。
一日中会場を動き回り、喋り続けてさぞお疲れの事と思います。

日頃滅茶苦茶お忙しい中、今回の講習会の為、事前準備の段階から
丁寧にご指導いただき、そして、鏝コレクションの驚きの展示、
材料も全て手造り、鏝もお借りするなど、思いもしなかったご厚情と気合に
御礼の言葉もありません。

その後ご参加頂いた皆様から、
「とても良かった」 「凄く勉強になりました」 「素晴らしい資料を頂いた」など、
多くのお褒めの言葉をいただいております。
今後のお仕事に大いに参考になる事と思います。

これも奥田様の熱意と京壁に対する真摯なお心が皆様に通じた結果と、
大変嬉しく思っております。
よくぞ、弊社の講習会をお引き受け下さったと感謝申し上げます。
ありがとうございました。

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雨も上がった夕刻、大方撤収も終わり奥田氏と平成会の皆様で
記念撮影です。
平成会の皆様のご協力には心より感謝申し上げます。
皆様のお力添えがあっての講習会だと思っております。
ご好評を頂く影に、いや表に平成会あり!!

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皆様、奥田様のカッコ良さを楽しんでいただけたでしょうか。
本当は現場での姿がもっとカッコイイです!

奥田様、奥田左官工業所様の益々のご発展をお祈り致しまして、
お礼の言葉とさせて頂きます。

ご参加頂いた皆様ありがとうございました。
皆様に盛り上げて頂いたお陰様で良い講習会になりました。
次回、秋も企画を進めておりますので、またのご参加をお待ちしております。

投稿時間 : 09:20 個別ページ表示

2008年05月21日
 ■ 奥田 信雄氏の京壁 講習会準備編2

※第4回 漆喰・土壁 技術講習会のご案内です。
平成20年5月25日(日) 遂に京都の巨匠 奥田信雄氏に
お越し頂き、京壁の技をご披露して頂きます。
詳しくは、弊社ホームページ 『新着情報』 をご覧下さい。

現在、まだご参加頂けます。
是非この機会をお見逃しなく!

5月18日(日) 講習会を一週間後に控えたこの日、
受講者用の塗り付けパネルの最終準備が行われました。

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先日下塗りまで施されたパネルにチリの塗り付けを行います。

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奥田氏から戴いた施工指示書に基づき、
今までに無く緊張の面持ちで打ち合わせを行います。

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作業開始。
チリの位置決めです。

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慣れた手付きで毛引きを操り、正確なラインを出して行きます。

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次に暖簾の加工に入り、5センチ程の間隔に鋏で切れ目を入れます。

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暖簾の打ち込みです。
小振りの頭の効いた暖簾打ち用の金鎚で素早く貼り付けます。

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力強くビシッと打ち付けられた暖簾です。
暖簾も作り手によって違う事を教えて頂きました。

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さて、チリの塗り付け開始です。
今回は、吉野石膏のB-YNを使って下付けを行いました。

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暖簾を伏せこむ為、丁寧な作業が要求されます。

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追っかけ暖簾を伏せ込んで行きます。

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この間、丁寧ながらも手早い作業に目が離せません。

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そして、奥田氏から送って頂いたチリ塗り付け用の本聚楽土(中内建材)を
取り出します。

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既に配合され練り込まれている本聚楽土の塩梅を見ます。

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直ぐに石膏の上に薄く塗り付けます。

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この日は4人の方にお手伝いを頂き受講者の皆様の為に、
じっくりと作業に取り組んでもらいました。

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実際に現場ではなかなかお目に掛かれない作業に
時間の経つのも忘れて見入ってしまいました。

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真剣に鏝を操る姿はカッコイイです!

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養生テープを剥がして完成です。

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10枚のパネルが次々に出来上がっていきます。
この上に講習会前日24日に奥田氏が中塗を施されて、
当日の仕上げの実技にお使い頂きます。

お手伝い頂いた平成会の、上野様、木村様、小沼様、河西様
ありがとうございました。

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こちらは、奥田氏が当日塗り付けるパネルです。
既に京都から作って送られて来ました。
これだけ見てもうっとりですね。
そして当日使うすべての奥田氏手作りの材料も到着しました。
このように準備に関しても奥田氏の京壁に対する情熱と、
講習会に向けての丁寧さ、真剣さがひしひしと伝わって来ます。
こんなにして頂いて感謝の気持ちで一杯です。

いよいよ奥田氏の京壁が拝見出来ます。
ドキドキして来ました。
ご参加頂く皆様とご一緒に大いに楽しみ勉強したいと思います。
皆様のお越しを心よりお待ち申し上げております。

投稿時間 : 08:43 個別ページ表示

2008年05月12日
 ■ 奥田信雄氏の京壁

※第4回 漆喰・土壁 技術講習会のご案内です。
平成20年5月25日(日) 遂に京都の巨匠 奥田信雄氏に
お越し頂き、京壁の技をご披露して頂きます。
詳しくは、弊社ホームページ 『新着情報』 をご覧下さい。

待ちに待った講習会が、いよいよ間近に迫って参りました。
お陰さまで、準備も奥田様のご指示を頂きながら緊張感いっぱいに
進めております。

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今回のテーマは奥田氏の究極のこだわりの世界で、
これほどまで突き詰めた技は他では滅多に見る事が出来ません。
お弟子様も4名の方にお越し頂きご指導願います。
是非この機会に本物の京壁をご覧頂きたいと思います。

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奥田氏に披露して頂く技は6種類で、ご自身が用意された
6枚の講習用パネルが届きました。
材料も近々送られて来る予定です。

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そして、皆様に朗報です。
鏝の解説をお願いしてあるのは勿論ですが、
当日ご希望の方に何と奥田氏所有の鏝をお借りして、
弊社が用意したパネルに実際に塗って頂ける事になりました。

奥田氏が可愛がる鏝で、奥田氏が調合した材料を塗って頂ける事は
素晴らしい経験になること絶対間違い無しです。

ご参加の皆様には、充分に勉強して頂ける良い講習会になるように、
頑張って準備を進めておりますので、楽しみにお待ち頂きたいと思います。

尚、現在まだ若干の参加枠が御座います。
参加ご希望の方は、お早めにお申し込み下さい。

投稿時間 : 17:53 個別ページ表示

2008年04月29日
 ■ 奥田信雄氏 京壁講習会準備

弊社開催の講習会も1ヶ月後に迫ってまいりました。
今回は、久住章氏、挟土秀平氏もご参加下さるそうです。
どんな講習会になるのかとても楽しみです。

 ※第4回 漆喰・土壁 技術講習会のご案内です。
  平成20年5月25日(日) 遂に京都の巨匠 奥田 信夫氏に
  お越し頂き、京壁の技をご披露して頂きます。
  詳しくは、弊社ホームページ
 『新着情報』 をご覧下さい。

4月27日(日) 第4回 漆喰・土壁 技術講習会の準備が行われました。

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東京都左官職組合連合会 平成会の皆様にお手伝い頂き、
受講者向けの土壁パネル10枚を製作していただきました。

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いつ見ても気合いの入る、カッコイイ平成会の袢纏です。

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いろいろな道具が次々に飛び出します。

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いつもながら左官屋さんとは思えない見事なパネル製作風景です。

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最後にサンドペーパーをかけて仕上げていきます。
講習に参加する方の身になって心を込めて作ってもらってます。

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今回はTSサンドをB-YN石膏で練り下塗りを行いました。

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ここからが鏝を握っての本職技の始まりで、鏝と材料が遊んでいるように
塗り付けていきます。

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お手製のチリハケでチリ周りの処理です。

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半乾きまで待ち、本聚楽土を塗り付けます。

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京都 中内建材の本聚楽土を使い下塗り材の準備です。

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ヒダシスサを配合します。

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丁寧にフルイで通して不純物を取り除きます。
欠かさず行う行程ですね。

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本聚楽土にヒダシスサを徐々に混ぜ込んで仕込んでいきます。

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出来るだけ薄く塗り付けます。

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10枚塗り付け完了しました。
表面に軽く刷毛を引いて乾燥を待ちます。

後は5月18日(日)にチリ周りの処理を行って講習当日に備えます。

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下塗り作業も終了で片付けを終えて、ここからが楽しい時間の始まりです。
この墨壺は、湯河原の長田左官様の手作りの物です。
木をくり抜いて作ったそうで何とも雰囲気のある壺ですね。

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そして、これはお見事!
小沼左官様の大事な手作りチリ刷毛です。
古い物は50年前の物もあり、手に取る人の目が皆真剣になります。
チリ刷毛の素材を何処で調達するかとか、作り方、物の善し悪しと、
話題は尽きません。
使いやすさは天下一品の秀作です。
仕舞うときは一丁一丁を布に包んで箱に収めていました。

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こちらの鏝は、現在小沼氏所有の榎本新吉氏から譲られた兼定の鏝です。
弊社でも暫くお預かりして、鏝サミットの時に展示をさせていただきました。

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箱の下にも宝物が・・・。
この紋所が目に入らぬか!! とばかり「榎本」の刻印がさんぜんと
輝いています。

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今回も素晴らしい左官の世界にたっぷりと浸らせていただきました。
講習会の準備をお手伝いいただきながら、こんな楽しい体験が出来るとは
つくづく幸せな事だとありがたく思うのでありました。

今回、お手伝いいただいた、木村左官様、小沼左官様、小宮左官様、長田左官様、
ありがとうございました。

講習日1週間前の5月18日(日)には、チリ周りの処理をお願いします。
今度はどんな事が起きるのか、楽しみな事です。

講習会のお申し込みもご好評のうちに多くの方から頂いております。
まだの方は早めのお申し込みをお待ちしております。

投稿時間 : 13:16 個別ページ表示

2008年04月21日
 ■ 久住 章  小舞教室

2月3日・24日 東京都足立職業訓練校で、
久住章氏による竹小舞の講習会が開催されました。

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今回の講習会では小舞3種類を学ぶと共に、それぞれに
荒壁を付けた後、強度試験も行う予定で、参加者が真剣に
取り組む実践向けの講習会でした。

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さあ、施工開始です。
土台は5寸角で組みます。

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柱は4寸角で建てていきます。
土台、柱にはほぞ穴が切ってあります。

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左官屋さんの集まりとは思えない大工さん顔負けの
テキパキとした組み上げです。

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今回使われた竹は滋賀県の(有)竹松さんの材料で、
弊社でお世話をさせて頂きました。
山口工芸社 山口氏に間渡し竹、割竹の割り振りをお願いし、
竹松さんで加工して送ってもらった物です。
十分に寝かされた竹は、しっかりとした材質で色艶の素晴らしい
物です。

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ワラ縄もきっちりと編みこまれた表面が綺麗な物で、
品質にこだわる竹松さんが選ぶ丈夫な縄です。

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梱包を解き細部の加工に入ります。

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斧を使って縦横のえつり穴に差し込む様に両端をカットします。
簡単のようで難しい作業です。

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貫板を差し込みます。

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貫板を差し込んだ部分の上場にクサビを打ち込みます。
これも緩まない様にクサビの向きがあるんですね。

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横間渡し竹の組み込みです。

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横間渡し、横割り竹を交互にはめ込みます。

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横竹のセット完了です。

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次に縦間渡し竹を組み込みます。
これが終わるといよいよ小舞の編み込みです。

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久住親方から3種類の編み方やワラ縄の扱い方を
ご指導頂きます。

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はっ早い!
しかし、しっかりと力強く編み込んでいく技はさすがです。
一度や二度では理解出来ません。

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さあ皆さん編み込み開始!

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何と言っても数をこなして慣れるしかありません。

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真剣に時間を忘れて取組ます。

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久住親方の 「もっときつく編まないとあかん。全部ほどいて
やり直しや!!」 と厳しい言葉も飛び出します。

編んだり解いたり繰り返すうちに段々上達して行くのが分かります。

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狭い竹の間を指を駆使してきつく編み込む作業は大変です。
手袋をしていると作業がはかどらず素手でチャレンジ!
指に血が滲んでいる人も・・・。

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完成した小舞を外へ運び出します。
しっかりと編み込まれて頑丈に出来ました。

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そして再び組立開始。

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本格的な小舞壁は迫力ありますね。

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組み上がりました。
次回、夏の荒壁塗付けまでここで待機です。
このままでも、見ていて飽きない美しい作品ですね。

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小舞編み込みまでの講習会も無事に終了しました。

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久住親方の総評です。
「全体的にはかなり良く出来ました。
簡単な編み方から本格的な方法まで経験出来たと思うが、
ここからは自分で研究してもっと良い工法を個々に作り
上げていって下さい。」

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2日間の受講者に、講習終了証書が手渡されました。

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余談ですが、昔の人の荷造りの仕方とか、ワラ縄の使い方とか、
久住親方は本当に何でも良く知ってます。
そして、簡単にやって見せてくれます。
その驚きの技は人の心を引き付けて止みません。

そして、小舞を編む時の親方の動きは、鏝技とは違った
力強く激しいものでした。
ワラ縄を引き締める時の姿は魅力的で印象に残るカッコ良さでした。

次回の荒壁の施工が楽しみです。

投稿時間 : 15:43 個別ページ表示

2008年03月18日
 ■ 第4回 漆喰・土壁 技術講習会のご案内です。

平成20年5月25日(日) 遂に京都の巨匠 奥田 信夫氏に
お越し頂く事になりました。

詳しくは、弊社ホームページ 『新着情報』 をご覧下さい。

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春の技術講習会に向けて準備を開始しました。
今回は土のカリスマ奥田氏に本物の京壁を見せて頂きます。

皆様のご参加をお待ちしております。

投稿時間 : 18:24 個別ページ表示

2008年02月04日
 ■ 佐藤 ひろゆき氏 ご来店

皆様ご存知、京都の左官の伝道師、左官知恵袋
佐藤左官工業所 佐藤ひろゆき氏がご来店下さいました。

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ご多忙にも拘わらずお越し頂き感激です。
早速弊社を見て下さり、沢山のアドバイスを頂戴しました。

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自然素材の塗り壁展示室では作品を見て、その出来映えに
評価を頂きました。
これからの塗り壁の発展の為に、展示室の重要性を強調され
より多くの方に分かり易くご案内出来る建材店作りの為にご指導
下さいました。

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その知識の豊富さで土壁の仕上げから、その補修の方法、
その他、土以外でもセメント系掻き落とし仕上げの補修など、
様々なテクニックを教えて下さいました。

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作品を見て、
「これは三寸五分の水鏝で押さえてありますね。
左から押さえてきて、最後はここで納めてある。」
と、それぞれの仕上げの鏝運びまで分析する姿からは
左官を知り尽くした男のオーラが湧き出ています。

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佐藤氏が執筆された左官の伝統工法のバイブル、
土壁・左官の仕事と技術」 です。

著 者  佐藤嘉一郎
      佐藤ひろゆき
出版社 学芸出版社
定 価  1800円+税 

弊社でも販売しているこの本は、
読めば読むほど左官の奥深さと技術の素晴らしさを知り
感激すると同時に、伝統工法の実用書として大活躍です。
手元に必ず置いておきたい一冊ですね。

今回佐藤氏にお会い出来て驚いた事は、伝統工法の
伝道師である氏が、実は最新の工法も熟知され、
その補修方法までも対応されておられる事です。

文化財の補修工事を請け負いながら、現在の工法にも
常に探求心を忘れず、精力的に左官仕事をこなす一方、
京都工芸繊維大学伝統みらい研究センター特認教授を務め、
左官の広報にも尽力される佐藤氏に敬服の念を抱かずに
いられません。

お忙しい中お越し頂きまして本当にありがとうございました。
今後もご指導のほどよろしくお願い致します。

投稿時間 : 17:37 個別ページ表示

2008年01月24日
 ■ 奥田 信雄氏の 「鏝」

京壁の巨匠 京都 奥田左官工業所 
奥田 信雄氏をお訪ねしました。
(写真右)

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奥田氏は1950年生京都まれで、京の町屋の仕事を多くこなす師の元で
左官の基礎を習得し、その後数寄屋を手掛ける親方につき伝統的な
京壁を学ばれました。

現在、国宝、重要文化財等の多くの工事に関わっておられます。
そして、京都の左官鏝の研究では第一人者としてその名を知られて
います。

奥田氏、前回のご紹介(2006年6月10日)(2006年9月22日
2007年9月5日

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先ずはその一級品の鏝をご覧下さい。

この様な美術品や貴金属などを飾るガラス張りのケースが
いくつか置かれ、その中に・・・。

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充分に手入れの行き届いた鏝がぎっしりと整列していて、
その美しさに目が釘付けになります。

柄に押された奥田の文字の凛々しさと想像以上の数と種類の鏝は、
常に土壁の先端を歩む奥田氏のオーラが染みこんだ逸品です。

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どうですか、写真からもその凄さを分かっていただけると思います。
しかも、かなりの数は現役で使用されているそうです。

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そして、幾つかの引き出しの中もこの通り!

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奥田氏はどの鏝も、我が子を可愛がる良き父親のように優しく
手に取り説明してくれます。
それぞれにこだわりと愛着が詰まった一丁達で、そのルーツと、
用途など様々なお話を伺いました。

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どれほど可愛がっているかと言うと、この容器に入っているロウを、
暖め溶かし、使う度に丁寧に鏝達に塗り付けケアしているのです。
この子達は本当に幸せモノですね!!

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奥田氏のサンプル作りも、その几帳面さが伺われます。
ビシッとした木の箱に収められた塗り見本は・・・

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京壁や土間の三和土仕上げ(上)など、奥田氏の技術が見事に
表現された秀作揃いです。
目利きのお客様がこれを見て感激する事は間違いの無いところです。

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これは奥田氏が過去作った中で一番良く出来た、納得の(左から)
糊捏ね用のみじんスサ、水捏ね用のみじんスサ、みじん砂です。
20年前に作った物だそうです。

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そして、京錆土の最高の物はと尋ねると、
これですと出して頂きました。
常に京錆土だけでも数百袋を在庫している中で、
やはり20年ほど前の最高級品です。

以上4点、ちゃっかり頂いて参りました。

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奥田氏は究極の水捏ね仕上げを追求しています。
それは、土と砂とスサで造り出す伝統的・・・いや、それを超える
水捏ねの京壁の追求です。

道具から材料、技、心、全てを一体化し一切妥協することなく、
真っ直ぐに取り組む姿勢は、見ている者にとってもきりりと身の
引き締まるような思いがします。、

奥田氏曰く
「京都の壁が如何に優秀か、如何に凄いかを立証していきたいと
思っています。」
「自分が塗った壁は、はたして伝統工法に値するのか、
いつも自分自身に問いかけています。」

この言葉に京都を代表する奥田氏の京の心意気全てが込められて
います。
そして、氏の追求する究極の水捏ねは常に進化し続けています。

京土壁の奥深さを骨身に?染み込むほど教わり、大変勉強になった
一日でした。今後もご指導をよろしくお願い致します。

奥田様ありがとうございました。

投稿時間 : 10:21 個別ページ表示

2007年12月13日
 ■ 榎本新吉氏を迎えて 第12回 鏝(コテ)サミット 開催案内

第12回 鏝(コテ)サミット 
12月15日(土)に榎本新吉氏をお迎えして開催します。

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前回もお越し頂き、午後長時間に渡り貴重なお話を伺いました。
厳しくも愛あるお言葉に、なる程と頷き放しでした。

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時には煙草をくゆらせじっと人の話に聞き入ります。

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聞きたい、知りたい事があるなら覚悟を決めて質問します。
先に聞いた方が勝ち!すると即説明の開始です。
この日もトンボとのれんについてのご指導でした。

榎本氏は自分の知りうる事を多くの人に伝えようと一生懸命です。
それ故、熱が入り過ぎ言葉がきつくなる事も。
でも、聞けば中身の濃い素晴らしいお話でありがたい事ばかりです。

来なき損する鏝サミットです!!

皆様のお越しをお待ち申し上げております。

投稿時間 : 07:09 個別ページ表示

2007年11月20日
 ■ 榎本新吉氏 第12回鏝サミット 登場

11月17日(土)午後 第12回鏝サミットに榎本新吉氏を
お迎えして開催しました。

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毎回の東京金広様のご協力により展示も完了。

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今回の目玉は・・・小沼左官様所有の榎本新吉モデルの鏝を
展示させて頂きました。

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素晴らしいコレクションです。
どれも使いこなされた逸品です。

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そして、榎本新吉氏のご登場です。

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展示をご覧になるやいなや解説の始まりです。
こちらも聞きたい事が一杯で話が盛り上がります。
榎本氏の持つ技量と歴史を感じる知識の豊かさに
改めて驚かされます。

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新しい鏝を見ると改良したくなる?
何やらまた秘策を思いついたようです。

鏝の手入れも教えて頂きました。
保管するときはビックリのアドバイスも教わりました。
何かって?

直接聞けば教えてくれる榎本氏です!

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すると、今度はとんぼの打ち方です。

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作る物によって間隔や長さを変えるそうです。
この日もマニアックな左官講座になりました。

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しゃべり疲れた合間の一服です。
人が話している事を聞きながら暫しの沈黙。
榎本氏が煙草を吸う仕草はカッコイイですね。

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世界でも煙草が似合う男のトップに属すると思います。

その渋いその雰囲気からは左官を真剣に伝承しようとする
熱意が煙と一緒に立ち登っているようです。

(でも榎本さん、くれぐれも体に気を付けて下さいね。)

鏝の事は勿論、素材について、材料の作り方、
それこそ道具の洗い方まで、全ての事に
まるで左官電子辞書?のように素早く的確に・・・
プラス、厳しく!! 教えてくれます。

そこに、東京金広様も加わればビックチャンスです。
勉強になる事間違い無し!

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上記の通り、次回も榎本氏に来て頂く事になってます。

是非皆さんもお越し下さい。
お待ち申し上げております。

投稿時間 : 08:45 個別ページ表示

2007年11月17日
 ■ 挾土 秀平 「下地の美学」 技術講習会 続編

11月10日(土)第3回 漆喰・土壁 技術講習会が開催されました。

当日は雨天にも拘わらず200名の皆様がご参加下さり熱心に受講して頂きました。

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先ずは前日の準備の様子です。

平成会の皆様にご協力を頂き会場の設営を行いました。
3回目ともなると皆さん手慣れた動きでテキパキと作業が進んでいきます。

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計画通りのステージが出来上がりました。
今までで一番大きい舞台です。

そこに 挾土 秀平氏 カッコ良くご登場!
会場を見るやいなや、第一声 「ウォー ど派手やなー!」

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今回は見学が主体の講習会なので少しでも皆様に聞きやすく、見やすく、
研修して頂けるよう音響映像をプロのオペレーターにお願いしました。

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さすがプロ、映像チェックなど挾土氏との打ち合わせもバッチリです。
「いいなー」の一言にホッとしました。

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原稿チェックも順調です。

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今回お手伝い頂いた、右から秀平組の原田氏と古川氏、次に小宮左官、
小沼左官、講師挾土氏、(上)ヤブ原 見延氏、(下)河西左官、木村左官
庄司左官、の皆さんです。

夜までかけて会場の設営が整いました。
お疲れ様の全員集合写真です。

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夜も更けて来ました。
ここからが私の楽しい時間です。
一人会場で明日の情景を想像し、ビールを飲みながら過ごす一時・・・。
ついにその時が来たと緊張と期待感がピークを迎えます。

ビールが旨くて幸せだな〜 

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明日の雨対策もテントを張ってバッチリです。
それにしても、テントの繋ぎの雨仕舞の素晴らしさ!
平成会の皆さんの凄さに改めて感激しました。

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娘が作ってくれた 照る照る坊主 頑張ってくれよ!

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当日の朝を迎えました。
雨の幕開けとなりましたが、皆気合いを入れてスタンバイ!

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書籍販売コーナーも前回より種類が増えました。
今回は 挾土秀平vsビートたけし の対談 「新潮45」
も山積みにしてのご案内です。 

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こだわりの材料も展示しました。

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悪天候にも拘わらず、お客様がぞくぞくとご来場です。

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平成会のハンテンも皆様をお出迎えします。

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定刻通りの開演となりました。
平成会会長の阿嶋様に恒例の司会をお願いして開会のご挨拶をして頂きました。
コミカルな?名司会振りは定評のあるところ!
技術講習会と言う固い会にリラックスを促す適度な脱線が楽しみです。

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午前中は映像による講演が行われました。

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「下地の美学」をテーマに200枚を超える挾土氏の肝入りの写真で、
水と土と光の世界へ導かれます。

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オーラ全開で熱のこもった挾土氏の解説は、分かり易く計算された構成と
感性豊かな内容の素晴らしさに・・・。

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会場の皆さんは目と耳を、いや 心を奪われ続けます。
うなずきと、ため息の連続でした。

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お揃いのハンテンを着た平成会の皆さんも真剣に・・・ウン?
よく見ると画面に写し出されている映像は!!

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午前中の講演が終わり、昼食時間には映像システムを使って
挾土氏出演のテレビ放送やDVDを流しました。

午後に備え飛騨高山から運び込まれた色土も準備OKです。

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午後からは実技の講習に入りました。

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今回のパネルは2.7m×1.8mのサイズで作りました。
そこに挾土秀平ワールドを展開して頂きます。

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手早く綺麗に塗り付けられた下地に全体のバランスを見ながら、
流れるようなラインを鏝で引きます。
そのラインに沿って小さい鏝で土を盛りつけていきます。

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その流れに沿ってまるで生命を与えるように、ハケを勢いよく引きます。

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盛り付けたラインの中心部分に今度は細い鏝で深く溝を付けます。

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何とその溝に赤い土を、チューブで注入してます。
何が起こるんだ?

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その頭を小さめの四半鏝で前後の流れに沿って葉っぱのように押さえ広げます。

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ほーら と、振り返る挾土氏、
会場の皆さんの驚きと感動の表情を見て満面の笑顔です。

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TBSテレビの報道番組 「ニュース23」のバックで使われている壁です。
あっという間のパフォーマンスに言葉を無くします。
お見事!

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興奮覚めやらぬ内に希望者にもチャレンジして頂きました。

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挾土氏の直々のアドバイスで作業開始。
そこはやはりプロの腕で、お見事な鏝さばきです。

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時にはお手本を拝見し、その技を食い入るように見つめます。

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ステージの上でも、

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熱心な皆さんはチェックを怠りません。
どんな感触か真剣に確かめています。

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今回も、鏝コーナーには東京かねみつ様や、
三木から五百蔵製作所様にお越し頂きました。

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東京金広様もいつもの様に多くの品揃えで展示販売をして頂きました。

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皆さん鏝を見る目は真剣です。
多くのお買い上げを頂きありがとうございました。

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書籍関係も前回を上回る販売量になりました。
良い情報を得て頂く為には書籍類も大いにご利用頂きたいと
思います。

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挾土秀平氏の世界をご堪能頂けたでしょうか。
お陰様で講習会は皆様のご協力のお陰様で終了する事が出来ました。

ご参加の皆様にはお褒めの言葉を沢山頂きました。
主催者としてとても嬉しく思うと同時に感謝の気持ちで一杯です。

撤収作業の開始です。
先程までの状況が嘘のように変わって元の倉庫に戻っていきます。

ご参加頂いた皆様、ありがとうございました。
挾土氏も皆様の熱心さに驚かれていました。
心よりご協力に感謝申し上げます。

平成会の皆様、お忙しいのにも拘わらずお手伝い頂き、
ありがとうございました。
皆様の素晴らしいお人柄とご尽力に心から感謝申し上げます。

東海ビデオサービス様、完璧な映像と音響システムのお陰で
皆様に喜んで頂きました。
初めての経験でしたがご親切に対応して頂き感謝申し上げます。
ありがとうございました。

(株)ヤブ原 見延様、毎回前日の準備から当日の撤収まで
泥んこになってお手伝い頂きありがとうございました。
営業を超えた心強い応援に心より感謝します。

社員の皆様、いつも全力で支えて頂き感謝します。

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最後まで平成会の皆様にお手伝いを頂きました。
締めくくりの集合写真です。

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出来上がった作品を見ていると人を引きつける物語が浮かんで来ます。
そしてその場に爽やかな風が吹きます。
今にも動き出しそうなエネルギーを感じるのです。

挾土様にはメチャクチャ忙しい中、無理をお願いして
今回の講習会をお願いしました。
よくぞお引き受け頂き感謝感謝で言葉もありません。

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とどまる所を知らない挾土秀平氏の世界、
次は何を考えているのでしょうか?
どこまで進化して行くのでしょうか?

絶対に手を抜かない秀平さん・・・。
絶対に気を抜かない秀平さん・・・。
絶対に休まない秀平さん・・・。
いや、もっともっと奥深い秀平さん。

ありがとうございました。

水と土と光と秀平の世界、益々のご活躍をお祈り申し上げます。


投稿時間 : 14:06 個別ページ表示

2007年11月14日
 ■ 挾土 秀平 土壁・漆喰 技術講習会 開催

第3回 漆喰・土壁 技術講習会が11月10日(土)に
開催されました。

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雨天にも拘わらず、九州や東北からの遠方の方も含め、
多くの方にご参加頂き開催出来ました事を感謝申し上げます。

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最後まで熱心に講習を受けて頂きありがとうございました。
その熱心さに挾土氏も驚かれていました。
詳しくは後日なるべく早くご報告致します。

先ずはお礼のご挨拶を申し上げます。

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そして、次回の鏝サミットのご案内です。

上記の通り、11月17日(土)13:00〜17:00 
第12回目を開催致します。

今回は榎本 新吉氏をお迎えしてご指導頂く事に
なっております。
氏の一番弟子である小沼左官様が所有する
榎本モデルも展示します。
厳しくも愛のあるご指導を、鏝を手にしながら受けて
頂けたらと思っております。

皆様のご参加をお待ちしております。

投稿時間 : 14:30 個別ページ表示

2007年10月25日
 ■ 原田 進氏 九州のカリスマ左官 ご来店

10月22日(月)九州の「原田 進」氏にご来店頂きました。

滅多に九州をお出にならない原田氏ですが、
今回は富士川建材工業(株)様の50周年記念講演会で
講演する為に湯河原にお見えになり、その後弊社にご案内
させて頂きました。

お目に掛かるのは2年振りです。

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展示室において原田氏と嬉しいツーショットです。
以前からお越し頂ける日を楽しみにお待ちしておりました。

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師匠の久住 章氏とは久し振りのご対面だそうで、
師弟でありながら、巨匠同士の会話はそれはそれは
凄いレベルの滅多に聞けない内容のお話でした。

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挾土秀平氏の作品を見ながら素材と技術について
小林澄夫氏も交えて意見交換が行われました。

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事務所内の色土のサンプルを前にお話を伺いました。
氏はほとんど自分で土を取って来て精製するそうです。
土のみでなく、大方の材料は手作りとの事、
例えば、スサ用のワラは自分で無農薬の米を作って稲刈りをして、
ワラスサを作るそうです。
また、小舞を編む竹も自分で伐採しますし、あらゆる素材を
徹底的にこだわり研究しながら物にしていくそうです。
九州には良い素材が沢山有りそうですね。
羨ましい限りです。

ここぞとばかりにいろいろとお話を伺います。
本当にありがたい事に、質問すれば何でも教えてくれます。

今回は2日間、原田 進氏の温厚な人柄にタップリと、
触れさせて頂きました。
書籍等で拝見する氏の様子をそのままにプラス、実際に聞く
心のこもった優しい語り口に、益々ファンになりました。

原田様、ありがとうございました。
今後もご指導よろしくお願い致します。
次にお目に掛かれる日が楽しみです。


投稿時間 : 10:46 個別ページ表示

2007年10月20日
 ■ 挾土秀平 VS ビートたけし 達人対談!!

ビックニュースです。

我らの、挾土秀平 VS ビートたけし 達人対談!!

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株式会社 新潮社 出版の 「新潮45」 11月号発売で、
挾土秀平氏とビートたけし氏の対談が実現しました!

12ページにわたる内容は?

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日本の左官は世界一

たけし氏は、挾土氏を日本で最も注目されている左官職人と
紹介してくれました。

「おいらの父ちゃんもペンキ職人だったから、
今回は職人談議に花を咲かせるよ」 と、
対談時間を大幅に延長しての大盛り上がり状態だったそうです。

読んでみて楽しい中にも、なるほどと思う職人魂が見えて来ます。
お二人の感性がぶつかり合う興味ある対談です。

是非皆様も読んでみて下さい。

投稿時間 : 08:19 個別ページ表示

2007年10月01日
 ■ 富沢建材 第3回 漆喰・土壁 技術講習会 開催案内

富沢建材株式会社が開催する、
第3回 漆喰・土壁 技術講習会のご案内  好評受付中

11月10日(土) 挾土 秀平氏をお招きして開催します。
詳しくは弊社ホームページ 「新着情報」 をご覧下さい。

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現場で放つオーラは凄いです。
シビレます!!

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カリスマ左官 挾土 秀平が繰り広げる 「土の世界」
お見逃しなく!

定員間近になりました。
早目のお申し込みをお願い致します。

投稿時間 : 08:57 個別ページ表示

2007年08月29日
 ■ 「加藤芳信展」 風のシリーズ 点から線へ

何と素晴らしい・・・感激の 「加藤芳信先生」 の世界へ!

初めて見る、言葉では言い表せない心に浸みる作品を是非皆様にも!!

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「加藤芳信展」 は、銀座2丁目の GALLERY 美術世界 において、
開催されています。(平成19年 8月25日〜9月1日)

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 「 風を読む。
   微気象を読む。
   蝶々が飛ぶ時の風を読む。
   音楽も風に乗ってやってくる。
   風は生命を支える。

   作庭の基本は微気象。
   微気象が無けれ政(まつりごと)はできない。
   無色透明であって初めて政ができる。
   知識や怒りや悲しみでは決められない。
   そのために日本庭園は生まれた。

   微気象は心を伝える。
   庭に流れる心地好い風を表現したい。
   人間がほっとする空間を演出したい。
 」  パンフレットより

加藤芳信先生は40年間点を打ち続けてこられました。
先生の作風の原点は点で表現する事で、
その数は何百万に及びます。
初めは白黒だけの点で描き続け、30年目に点に色がつき始めました。
その後進化して、100メートルの長さの点描の絵巻を完成させ、
多くの人を感動の渦に巻き込みました。
また、ヨーロッパの評論家の方々はその素晴らしさに賞賛の声を
惜しみませんでした。

現在75才の加藤先生は、今回のテーマとして「風」を取り上げられました。
第三の空気シリーズで「見えない空気」を表現された先生は、
点から線を極めることによって、流れ行く風も伝えようとされました。
「点」を極めた先生だからこそ描ける「線」があるのですね。

その繊細さに思わず息を呑み、言葉を失います。

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「個と個」
ミクスドメディア 45.5×106?

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「紫の玉」
ミクスドメディア 45.5×106?

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「日ハ又登ル」
ミクスドメディア 45.5×106?

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「早春」                       「秋声」
ミクスドメディア 53×45.5?         ミクスドメディア 53×45.5?

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自然との会話が出来なくなり、いつも不安にさいなまれている
現代人に送る最高の癒しの秀作!
個展会場に入った瞬間から室内の空気が違います。
心がすっきり爽やかに癒されます。

加藤芳信ワールドを是非皆様にも浸って頂きたいと思います。

加藤先生ありがとうございました。
お伺いして、思いがけず先生にお目に掛かれて嬉しかったです。

投稿時間 : 12:32 個別ページ表示

2007年08月17日
 ■ 挾土秀平が見せる! 第3回 漆喰・土壁 技術講習会 開催のお知らせ

挾土 秀平 写真集? いや、

第3回 漆喰・土壁 技術講習会のご案内です。

11月10日(土) に、挾土 秀平氏をお招きして開催します。
詳しくは、弊社ホームページ 「新着情報」 をご覧下さい。

ここで私が撮っった 挾土 秀平氏 を一部ご紹介しましょう。

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飛騨高山、現在建築中の挾土迎賓館敷地内 緑の中で。

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アトリエ、驚きの作品群です。

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某現場でオーラを放つ挾土氏です。

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ビックサイトに於いて、日本化成(株)様のイベントでのトークショウで。

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鏝を握ればカリスマ職人に変身!
真剣な表情にその場の空気が張り詰めます。

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TBS報道番組 NEWS23のバックの壁 「薔薇」

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カッコイイ笑顔と究極の技で、人々を魅了し続けます。

秋の 『挾土 秀平』氏 の講習会へ向けて準備を開始しました。
皆様のご参加をお待ちしております。

投稿時間 : 08:34 個別ページ表示

2007年07月18日
 ■ 久住 章  鏝セミナー

7月15日(日) 突然の事ではありましたが、
カリスマ左官 久住 章氏 による、鏝セミナーが開催されました。

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5月に弊社で開催した久住氏による黒漆喰磨きの講習会で、
鏝についての説明があまり出来なかった事と、
皆さんにもっと鏝を知ってほしいとの熱い思いから、
わざわざ急遽お越し下さり、開催する事となりました。

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台風で雨の激しい中、弊社事務所内に入り切れないほど多く方に
お越し頂きました。

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熱心に聞き入る皆さんに、久住氏の声にも力がこもって来ます。
鏝の話だけで4時間にも及ぶ究極の解説はあまりにも内容が濃く、
ただただ久住章マジックに酔いしれていたのでした!

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冒頭に、土壁や漆喰壁の色々な仕上げによって、どの鏝を使ったら良いのか
分からない場合が多い。土・漆喰・モルタルを塗るのも鏝の種類を知り、
理解する事で仕事がとてもやり易くなる事を知ってほしいと、
図解による説明で始まりました。

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特に鏝表の形状と性能に付いては詳しく説明がありました。
材料に含まれる水と、鏝表の関係を分かりやすく解説。

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塗り付け時の鏝当たりの角度(立ち方)が理解できました。

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剣先と肩口の意味と使い方についての説明です。

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鏝後ろの理想的な形状と減り方の様子です。

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久住章氏の手作りチリハケです。
葦(よし)で出来たハケは最高に使いやすそうです。
毛先の手入れの仕方まで丁寧に教わりました。

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そして、土壁の場合における鏝の動きを実際にご披露頂きました。

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開催直前に用意した、ハンダ用中塗り土を30メッシュでふるい、硅砂6号と
大曾根金印粉つのまた、富士スサを斧で細かく叩いたものを配合した糊捏ね
仕上げ土の塗り付けを行いました。

華麗な鏝さばきに全員の目が釘付けです。
2回に分けて仕上げた面は鏝波無しの完璧な糊捏ね仕上げです。
あっと言う間の早業に思わずため息が出ました。

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最後に○○○の話!?  ではありません。

現在、実際に鉄を打って鏝を作る鏝鍛冶さんが三木市にも、
数える程しかいなくなってしまった事を危機感を持って報告されました。
この日は、三木市の鏝鍛冶で漆喰押さえ鏝を製作された五百蔵製作所の
五百蔵様と、弊社で毎月第3土曜日に開催している鏝サミットでお馴染みの
東京金広様にもお越し願い、いろいろとアドバイスを頂きました。
今後も、左官さん、鏝鍛冶さんと大いに意見交換をして頂き、
良い鏝を作って頂きたいと思います。

久住氏曰く
「鏝を作る職人さんがいなくなったら大変です。
皆さん鏝を沢山作ってもらい高くこうてやって下さい。
決して値切っては駄目です! そして良い仕事をしましょう。」

クゥ〜 良いこと言ってくれました!!
この様に久住氏は左官業界皆の応援団長なのです。

久住氏のカリスマと言われる訳が、良く分かりました。
どれ程の経験と知識に裏付けられた世界なのか・・・。
聞けば聞くほど知れば知るほど日本、いや世界各国を飛び回り徹した試行錯誤の
結果つちかわれた久住ワールドなんです。
建築の日本史、世界史がそこにはあって、それらの良い所を蘇らせる伝道師。
どこまでの探求心と情熱があるのか・・・やはりカリスマなんです!
4時間ではとても足りない鏝の話でした。

突然ではありましたが、この度ご参加頂いた皆様、日左連理事の松本元意様、
東京金広様、五百蔵様、ありがとうございました。

久住 章様、ご多忙にもかかわらずお越し頂きました事、感謝の言葉もありません。
どうか今後も迷える子羊たちをお導き頂きますようお願い申し上げます。
声が出なくなるまでの左官愛と熱意のご講義に感謝します。
その素晴らしい笑顔に、もの凄い元気を頂きました。
ありがとうございます。

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朝方の台風による大雨は嘘のように上がりました。
これも久住マジック?
酔いしれた皆さんはすっかり傘の事を忘れていったのさ!

傘も売るか? (笑) 

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2007年06月21日
 ■ 挾土秀平 日本化成(株)の「ケイソードパレ」を塗る

6月13日〜15日 東京ビックサイトに於いて
建築リフォーム&リニューアル展」 が開催されました。

第13回を迎えたこの企画は年々充実し、来場者も多く注目のイベントです。
建材店の立場からも最新リフォーム情報が満載で参考になる事が多く、
毎年楽しみにしている大事な催しなんです。

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その中で出展者として特に目を引いたのは
日本化成株式会社のブースでした。

毎年、カリスマ左官 挾土秀平氏を招き塗り壁の良さを協力にアピールして
頂いているのです。
ブース内は、塗り物の展示コーナーや、挾土氏の作品展示、講演用のステージや、
塗り壁体験コーナーなど多彩なレイアウトで雰囲気上々です。

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そして、日本化成(株)が自信を持ってお薦めする健康建材、
「NSケイソードパレ」 です。

珪藻土の吸放湿能力を最大限に生かした主材に、
砂の匠、土の匠、墨の匠、星の匠と仕上がりに個性が表れる
十数種類の着色骨材を用意してオリジナルな壁が作れるように出来ています。

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さあ、拍手に迎えられ挾土秀平氏の実演会が始まります。
挟土氏はNHKテレビ番組のプロフェッショナルや、ようこそ先輩など、
テレビでもお馴染みのカリスマ左官で、多くのギャラリーが見守る中
塗り壁の良さを語ってくれました。

自分だけのオリジナルな壁作りをする。
北海道から九州まで同じ家が有るのではなく、自分だけの空間を作ると
心が豊かになる。
周りの身近な土と、水を使った本当の塗り壁の空間を自分で作ると
自然に近づいて行ける。
自然に近づけば近づくほど地球の温暖化問題とかが分かってくる。
左官の良さは自分で作り出す事。

うん〜、納得のお話です。

でも、マイクを持つと矢沢永吉かっ♪・・・最後に歌ってくれないだろうか?
リクエストしてみましょうか!

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残念ながら歌ってはくれず、マイクを鏝(コテ)に持ち替えて、
スーパーテクニックのお披露目です。
相変わらずカッコイイ鏝さばきですね。
見る人の目を釘付けにしています。

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仕上げのパターン出しも遊んでいるようで楽しそうです。
この仕上げはかなり大きな凹凸をランダムに付けています。

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こちらも鏝一丁であっと言う間に仕上げました。
バランスの取れたパターンはセンスを感じるデザインです。
会場からは一瞬の出来事に驚きの声が沸きます。

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挾土氏の手の込んだ代表的な作品です。

見ていると大地の自然にグッと近づいて行きます。

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入社2年目の女子社員の方もデモンストレーションで頑張っていました。

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かなり練習を積んだと見えて、かなりの腕前!
櫛目のパターンはお見事です。
赤いオーバーオールが似合ってました。

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こちらのコーナーでは泥団子作りが行われています。

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皆さん楽しそうに製作中です。
泥団子って本当に面白くてハマるんです。

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おっと、 そこへ秀平さんが笑顔で登場!

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何やら土の話でしょうか、カッコ良くアドバイスしてます。

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塗り壁の体験コーナーです。
東京都左官職組合連合会の皆さんがお手伝いしています。

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沢山の方々に体験して頂いたそうです。
丁寧な指導が受けたのか、特に女性が熱心だったとか。

こうして、毎年 日本化成(株)様が展開する企画は、塗り壁の良さを
広く皆様に紹介出来る絶好の機会です。
分かりやすく見やすいアイデア一杯のブースは来場者の注目を
集めています。
挟土秀平氏の中々見られない実演や、高品質な材料を使ってディスプレイした
塗壁、泥団子と塗り壁体験コーナーなど盛り沢山な内容は、
他には無い日本化成(株)様の意気込みを感じました。
良い材料を広めるパイオニアです。

我々もその企業姿勢を多いに見習って、塗り壁の良さをPRしたいと
思います。

日本化成株式会社様、良い機会を頂きありがとうございました。
今後もご指導をよろしくお願いいたします。

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2007年06月11日
 ■ 挾土 秀平 作品  TBSテレビ 「NEWS23」 の壁

待ってました、挾土秀平氏 の作品が遂に到着しました。

TBSテレビの報道番組 「NEWS23」 に登場する壁です。
過去に手作りのこんな壁があったでしょうか?
しかも現物と同じ使用の壁が目の前に!

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挾土さんてどんな壁を作るんだろう?
と聞かれると困ります。

高度な技術と芸術的デザインの豊なセンスを兼ね備えた達人は、
素人には到底考えの及ばない素晴らしい多彩な作品を生み出します。
その凄さをどう説明すれば良いのかが難しいのです。

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この作品では厚みを付け凹凸を出したベースの土壁に、
漆喰で作ったバラのつぼみや花びらを埋め込んだ作品です。
試行錯誤を繰り返し、妥協せず想像を絶するほどの努力をして
一つ一つを完成させるのが挾土流。
オーラを放ちながら制作中の氏の姿が目に浮かびます。

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可愛いバラを、じっくりと見ているとその息吹と香りが立ち上って
来るような気がします。
これだけ土を自在に扱う・・・いや、可愛がる人は他にはいません。
これが、挾土ワールドなのです。

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左官の伝統工法を重んじながら、新しい文化を刻むスーパー左官
「挾土 秀平」 は、今日も何処かでカッコ良くドラマチックに塗り続けているのです。


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弊社の塗り壁展示室に挾土氏の作品を展示させて頂きました。
また一つ夢が叶いました。

挾土様には、お忙しい中にもかかわらず作って頂き感謝申し上げます。
ありがとうございました。

是非、挾土作品をご覧下さい。
わくわくする事間違い無し!
皆様のお越しをお待ち申し上げております。

投稿時間 : 12:15 個別ページ表示

2007年04月05日
 ■ 久住 有生  大使公邸を塗る

3才から鏝を握る若くしてカリスマ左官 「久住 有生」 氏の現場に
お邪魔しました。

久住有生(くすみなおき)氏は先日TBSテレビ放映の情熱大陸で、
左官の技を全国に知らしめたスーパー左官で、
そしてサーフィンをこよなく愛するサーファー左官です。

東京五反田にあるインドネシア大使公邸の大規模な改修工事です。
内装のほぼ全面が塗り壁仕上げです。
館内を案内して頂きましたが2部屋を除くすべてが白い漆喰壁で、
目の覚めるような綺麗な仕上がりです。

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そしてその2部屋は有生氏オリジナルの究極の壁なんです!

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中に入ると思わず 小さな声でワァォ〜!
(皆さん真剣勝負で作業中、本当は大声で叫びたかったのを我慢しました)

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有生さんが塗ってる!
鏝をクルッと回して、やっぱりカッコイイな〜!!

「南蛮押さえ」・・・何て綺麗な壁なんだろう。

冷静沈着な仕事場で一人でハイになってる私でした。


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やや赤みかかった黄土と石灰、硅砂、角叉のりを混ぜた仕上げ土です。

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うっ写ってる・・・。
ここまで仕上げるのにどれほど時間をかけたのでしょうか?
見ている間も手を休める事無く鏝で押さえ込んでいます。

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こんな見事な土壁はなかなか見る事は出来ません。

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そしてこちらは凄い大津磨きの部屋でご覧の通り艶々です。
窓やシャンデリアが写っています。
表面良く見ると模様が・・・。
どんな技を使ったのか聞くと、
サーフィンワックス スペシャル仕上げ??

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壁の下地にサーフィン用のワックスを塗り込み凸凹を出し、
その上から鏝で磨きます。
黒地の磨きかべの中に凸っと茶色の模様がアクセントになっている、
今までに見た事の無い仕上げです。
こんな事が出来るのかと関心するばかり。
ただ光っているのではなく重厚な輝きを見せる壁です。
また新しい左官壁の発見でした。

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任せられてこの様な素晴らしい壁が塗れるなんて、
左官冥利に尽きるのだろうなって思います。
有生さんはとても楽しんで仕事をするんですね。
その姿からは技に裏付けされた自信とオーラが滲み出ています。
それでいて若いのにとても温厚な人柄です。
これだけの人なのに実に謙虚なんです。
ファンと仕事が多いのも納得のカッコ良さ!

4月後半からフランスへ40日ほど出張だそうです。
世界を駆け回る本当に忙しいカリスマ左官です。
気を付けて行って来て下さい。
お土産・・・話待ってます。

有生親方、スタッフの皆さんありがとうございました。

投稿時間 : 09:39 個別ページ表示

2007年04月02日
 ■ 榎本新吉  囲炉裏塗り

その囲炉裏を持つ家は浅草にある田舎屋造りの純和風建築です。
約50年の歳月が経ったとは思えないほど綺麗で趣のある家です。
壁と囲炉裏は若い時の榎本氏の手によるもので、その技の素晴らしさには
言葉を失います。
以来、お施主様のお声掛けで榎本氏が塗続けている田舎屋です。

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3月28日 桜の花が5〜6分咲きのとき榎本氏が囲炉裏の塗り替えをすると
聞きお邪魔しました。
榎本さんが塗る姿を拝見するのは久し振りです。
嬉しくてとても心が弾み浅草へ小走りに向かったのでした。

現場に着くと下塗りが締まり、丁度上塗りが始まろうとしていました。
勝又左官様(右)と河西左官様(左)もお見えになっています。

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やってるやってる!榎本さんが塗り付けています。

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色鮮やかな稲荷山黄土仕上げです。
秘蔵のトロリとした仕上げ黄土を少しずつ鏝板に取り丁寧に塗り付けます。
程良く締まった下塗りに仕上げ土をしっかりと塗り付けると、
かすかに鏝に擦れるみじん砂の音がサラサラと聞こえます。
とても心地良い音です。

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天端から丸い面の部分を通して床の方へ一連の動作で何回も
塗り付け押さえます。
まるで女性のお化粧のように?
いやそれ以上にやさしく!

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丁寧に丁寧に塗り付ける姿は、しなやかな舞いのような動きに見えます。

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そう言えば以前、榎本さんに日本舞踊のどこを見るか教わった事を思い出しました。
腰や体中心の動きが完成されれば手先の動きも生きてくると。
まさにその言葉通りに体を使って塗ってます。

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えっ榎本さん、あまりにも集中し過ぎて中に落ちないで下さい!!

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細かい部分をとても柔らかい使い込んだ本焼トメサラエで仕上げます。

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伝家の宝刀たちです。
炉や囲炉裏を塗る時に使う専用の鏝です。
小さい物は5?位でとても可愛い感じです。
榎本さんにとって子供達みたいな鏝なのです。

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ひとたび鏝を持てば真剣な表情になります。

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刀は握らせない方がよいかも・・・怖ぁ〜。

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と、次の瞬間 「これ、高っけぇーんだぞ〜!」
お茶目な笑顔で周囲の緊張が壊れます(笑)

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「何年生まれ?」 と突然聞かれました。
○○年生まれですと答えると、「この鏝は2才年上だ」と言われました。え〜っ!
「こっちは少し年下だな」 鏝表の表情が良いですね。
見事な減り方で両脇の当たり部分の色が変わっています。
思わず写真を撮っちゃいました。

握ってみると不思議なくらいしっくりと来ます。
長年榎本さんによってこなされた性質は凄く繊細な柔らかさを持っています。
しかし柔らかくても塗り付ける土を逃がさずに捕まえて塗れる名器だそうです。

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愛弟子の河西さんも親方譲りの真剣な眼差しで鏝をチェックします。

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高度な技術で仕上げをする勝又さんです。
わずかなムラも見逃しません。

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信じられない程の綺麗な仕上がりに榎本さんの 「上等だね」
が出ました。

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納得の仕上がりにホッとした表情の勝又さんです。

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「何だか分かるかい?」
「何で来るの?」
「ほーら、いっぱいひっかかった!」
この笑顔で言われたらたまりません。
榎本さんの奥深く優しい人柄にただただ浸るばかりです。

食べる事でしか至福を感じなかった私(反省)ですが!?
左官の技を拝見して身震いするほど強烈な至福を感じる事が出来ました。

まるで夢の中に居たような田舎屋の世界でした。
お施主様、榎本様、皆様、見学させて頂きありがとうございました。
材料屋として益々精進致しますので今後ともご指導よろしくお願い致します。

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2007年03月19日
 ■ 名工 「小松 七郎」 オリジナル黒ノロ 作り

小松左官工業 名工 「小松 七郎」氏をお訪ねしました。

今回は東京都左官職組合連合会 青年部 平成会の皆さんの
小松氏オリジナル 黒ノロ作り の講習会に参加させて頂きました。

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埼玉県所沢市にある小松左官工業様の作業場です。
凄いメンバーが揃いました。雑誌やテレビで拝見した方々です。

黒ノロは磨き壁を作る時に仕上げの段階で使う材料で、
下地の乾燥具合をを見て塗り付けさらにタイミングをはかり、
鏝で磨き込むと輝き出す宝物のような材料なんです。
良いノロを作る為には使う素材を吟味し、出来上がった物を
壺に入れてしばらく寝かして置きます。
ワインのように何年ものと言われ大事にされています。

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黒磨きの見本板です。
見て下さい、鏡?と思うぐらい写るんです。
さあ、このような磨きが出来る究極のノロ作りを始めましょう。

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これは糊分となる銀杏草つのまた(乾燥した海藻)です。
海藻のネバネバが糊なんです。
水洗いをして付いている白い塩を取ります。

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にかわです。
動物の骨や皮などを水で煮た液を固めたゼラチン質の接着剤です。
今回は牛骨のにかわを使います。

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そのにかわを一晩水に浸けた物です。

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銀杏草つのまた とにかわを水で煮込みます。
左側 勝又左官工業 勝又氏、右側 小松氏のお料理教室?

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不純物を取り除きながら溶けるまで煮ます。
潮の香りがしてきました。

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30分程煮込んだらフルイでこします。

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良くこして糊エキスを抽出します。

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つのまたニカワ糊と、フルイに残った つのまた のカスです。

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次に石灰の準備です。
これは何と18年物の俵灰です。

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小松氏オリジナルではこの俵灰と貝灰を配合します。
俵灰7と貝灰3の割合で混ぜます。

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両方の石灰を80目で充分に篩い、固まりや粒状の物を取り除きます。
この作業によって墨や糊と混ざりやすくします。
一つ一つの作業に手間を掛けるんですね。

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配合も計量器を使ってキッチリと行います。
いつも思うのですが、まるでケーキ作りのようです!

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水で丁寧に練り込みます。

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硬めに錬り上がりました。

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今度は墨の練り込みを行います。
使う墨は大阪 楠本産業の金龍印 濡羽色油烟墨 です。

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混ぜる液体は何とよく飲んでいる25度の焼酎です!

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右 小松氏 「墨に混ぜるより飲んだ方がいいな!」
中 木村氏 「そおっすね!!」  (有)木村左官工業
左 河西氏 「・・・・・・」       

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と、黒装束の河西氏は無言で混ぜていたのです。
その他工業用のアルコールなどを使うと水より混ざりやすいのです。

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綺麗な照りのある墨が錬り上がりました。
なるほど良く溶けていますね。

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これで、つのまたにかわ糊と、練り石灰、練り墨が揃いました。

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3種類を混ぜ合わせます。

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小松流 黒ノロの出来上がりです。
トローリとしたきめ細かなノロです。

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こちらは小松氏秘蔵の壺に入った黒ノロです。
2年以上寝かせているそうです。

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まだ新しい物はこの様に不純物が浮いてくるので
定期的に取り除きます。

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ノロ作りが終わったところで小松氏の鏝(こて)コレクションを
拝見しました。
すべてを見る事は出来ませんが、でもその多さにびっくりです。

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どれも可愛い思い入れのある名品です。

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「これは金沢城の施工で使った思い出の鏝なんだ」と、
手に取って優しい目で鏝を見つめる姿は実にカッコイイです。

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仕事人 「小松 七郎」 の語る言葉にはとても重みがあります。
最後に 「失敗が色々な事を教えてくれる」 と締めくくって下さいました。
小松氏の仕事に対する情熱に大きな感動を覚えました。
内容の濃い充実した一日でした。

小松様、ご家族の皆様お世話になりました。
材料の事をもっと勉強して教えを生かせるよう頑張ります。
ありがとうございました。
 

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2007年01月30日
 ■ 壁の遊び人 久住 章 氏  ご来店

1月27日(土) 久住 章 氏にご来店いただきました。

今回東京には、建築家の 隈 研吾 氏と打ち合わせの為にお見えになり、
その後弊社にお立ち寄り下さいました。
久住氏には5月に弊社で開催する、漆喰・土壁 技術講習会の講師を
お引き受けいただいております。
その開催に向けての段取りをご指導をいただきました。

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まずは講習で使用する材料の確認です。
倉庫をご案内し、以前指定を受けて取り寄せた商品を見ていただきます。

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消石灰、濡羽色油烟墨、むしろふのり、中塗り土、仕上げ土など、
一通りのチェックを受けました。
講習に使う材料だけでなく他の材料についてもアドバイスをいただき、
素材の善し悪し、商品の性質や性能など多くの情報をいただきました。

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事務所では裁縫教室?が始まりました。
漆喰黒磨きや大津磨きの時に拭き取りや磨き込みに使う
小さ目の座布団のような物の作り方を教わりました。
これも講習会で使うものでかなり微妙でデリケートな部分があるんです。
指定を受け、取り寄せた高級ベルベットとスーパーミンクの生地は、
久住氏が全国に足を運んで探し求めた磨きに最適な物です。
その意味と使用法も含めてのご指導は驚きと感動の連続です!
お裁縫までカンペキなんですから、ほんまに!!

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待ってました!鏝(こて)のお話です。
講習会で使う鏝についてのアドバイスです。
当日は本焼中塗鏝、磨き鏝、ノロ塗り付け鏝が必要になります。

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それぞれの仕様目的や形状の意味、使いやすくする為の加工の仕方など、
久住氏の経験を元に実際に使える鏝がどの様な物かを教えていただきました。
実に凄いんです! さらに鏝の奥深さを知ってしまったのです!!

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改めて久住氏の偉大さを知る日になりました。
温厚な人柄は周りの人を和ませてくれます。
しかし、何事も徹底して研究調査しそれに基づいた妥協の無い言動に、
もの凄いパワーを感じます。
そのパワーと、氏の持っている能力・感性が秀作を生むのでしょう。
そしてその高度な技術を多くの人に伝える・・・。
カリスマと言われる意味が分かった様な気がします。

巨匠を迎えての講習会を成功させる為、気合いを入れて準備します。
講習会の詳細は間もなくご案内申し上げますのでよろしくお願い致します。
皆様のご参加を心よりお待ちしております。

久住様、お忙しいにもかかわらずお越しいただき本当にありがとうございました。

投稿時間 : 07:36 個別ページ表示

2007年01月27日
 ■ 榎本新吉 吠える 「欲しがりません、建つまでは!」

榎本新吉氏をお訪ねしました。

今回は神戸市の 「五十嵐泰子空間設計室」 の一級建築士 
五十嵐泰子様が、友人の近藤寿子様と榎本氏を訪問するにあたり、
ご案内をさせていただきました。

五十嵐さんと近藤さんは東京芸術大学大学院の同級生で、
以前より榎本氏に関心を持ちこの日が来るのを心待ちにされていた様です。
そして、左官教室記者の井出様にもご参加いただきました。

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榎本節ライブは、泥団子喫茶 「パック」 で開催されました。
あれ〜、榎本さん髪の毛どうしたんですか?
出家でもしちゃったのか???
いきなり腰が抜けるほど驚いてから、ライブは始まったのです。

「何で来たの?
あーぁ ありがてーな〜。」

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床屋で間違えて刈られた頭がどうしても目に入りますが、
鏝について、「何故? 分かる? だからどうなるかな〜て言うんだよ?」
と、いつもの榎本節です。
最初は皆さん緊張気味で受け答えをしています。

榎本さんが鏝を持って合わせます。

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皆さんも同じ仕草で鏝を合わせ隙間が無く平らかを確認します。
近藤さん、小さい鏝の先の方が反っているのを確認しました。

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五十嵐さん、しっかりと見据えてピタリと合っているかをチェックします。
鏝サミットでご案内した東京金広の久保田モデルの塗り付け鏝です。
さすが決まっています。 
表情も決まってますね!

しばらく鋼やステンレスの金属話で突っ込みが入ります。
「ステンレスって何?・・・ 字引持ってこいよ!」 
辞書を引きながらその突っ込みに対応します。

塗り付ける材料や仕上げの方法によって、
鏝の金属の違いだけでなく、焼き入れの仕方で
本焼、半焼、油焼、地金など様々な物がある事を教わりました。

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さあ、ここで化学の時間から数学の時間へ・・・。

コンクリートの配合割合の計算です。
「砂利、砂、セメントはいくらいる? 言ってみな!」

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榎本さん、鏝からペンに持ち替えました。
しっかりとした字を書かれます。
お二人さん、直筆だと喜んでいました。

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でも、喜んでばかりはいられません。
正解を出さなければ。 格闘中!

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賢いご両人ほぼ正解で、満面の笑み!

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うん!? 榎本さんナイキとスポンサー契約したのかな。

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沖永良部島(おきのえらぶじま)の土で作った泥団子です。

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水を付けて一部溶かしても、爪で擦れば直ぐに光が戻ります。

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パックの店内には沢山の泥団子や鏝絵など榎本作品があります。
泥団子を手に取ると心がこもっているのが分かります。

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榎本さんの磨きの技術は常に進化しています。
来る度に新しい技が生まれていて驚きです。

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パックのママさんです。
なんと日本舞踊の名取です。
そこで榎本さんから再び問題。
「日本舞踊のどこを見る?どこが大事?」

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いろいろと考えをめぐらしていると、「ママさんに聞いてみな?」
ママに伺うと、腰の動きと足運びを見るそうです。
そして、扇子を持てばその先まで体と一体化させるそうです。

左官も同じで手先だけでなく体全体を使って塗る事が大事だと、
教えてもらいました。

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榎本さんの周りにはいつも人が集まります。
コンフォルトの清水様達もお見えになり、
さらに、盛り上がったのでした。

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そして、榎本さんのお宅へお邪魔しました。
「二階のトイレを見てみるかい」
「地下へ行くかい」

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ここで千石磨きが生まれたんですね。
榎本さんの生き様と歴史を感じる本当に魅力的な作業場です。

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ここがあの神聖な地下室です!
手塩に掛けて精製した全国の究極の土がここに眠っているんです。
左官文化の宝庫です。
コンフォルトの清水さんが説明して下さいました。

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以前も紹介しましたが、榎本さんの手は柔らかくてスベスベなんです。
土をさわっていると自然になるのだそうです。
泥パック?

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嬉しい素敵なツーショットですね♥
榎本詣でのフィナーレです。

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皆さんで記念撮影です。
シャイな榎本さん照れて下向いちゃった!

榎本さんの魅力にタップリと触れる事が出来ました。
また、ご指導をしていただける様にお願いをして榎本邸を後にしました。
ありがとうございました。

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すっかり日も暮れて風が冷たく感じる時間になりました。
本日のまとめと反省をしなければなりません。
そこで八丁堀の 「マル」 へ、ダッシュ!
仕事熱心な?皆さんは早速会議の場を持ったのでした(笑)

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メインディッシュは、京都 漆喰浅原様 の鏝で、「木鏝の気持ち」 です。
(何故、浅原さんの鏝を持ってるのかって?それは秘密です)
取れ立ての?素材の良さを生かし、あまり手を加えずいただく逸品です。

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それではいただきましょう。
いただく作法は?

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こうして・・・

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こうするのです・・・かぁ?(謎)
五十嵐さんは最高の建築士です!

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ワインも進み、そしてこうなりました♪ 爆発寸前♪♪

五十嵐さん、近藤さん、井出さん、ありがとうございました。
出会いと言うのはありがたいものです。
同行させていただき楽しい得る事の多い一日になりました。 
この出会いを大切にします。

榎本さん、ありがとうございました。
榎本さんにはいくら感謝してもしきれません。
いつも磨きのかかった特別粋な勇気と知恵をいただいています。

「欲しがりません、建つまでは!」

座右の銘にしようかな・・・。
いつか本物の「石灰と土のソムリエ」になれるよう頑張ります。

榎本親方、お体をお大事にして下さい。

投稿時間 : 10:48 個別ページ表示

2007年01月09日
 ■ 「久住 章」 新春 ビックニュース! 

今年最初のビックなお知らせ・・・夢のような話です。

弊社が開催する、第2回 土壁・漆喰 技術講習会(5月予定)の講師に、
皆様ご存じカリスマ左官 「久住 章」 氏が来て下さる事になりました!

久住章氏の鏝さばきを、初めて見たときの感激は忘れられません。
皆様にもその感激を!!

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氏は、現在日本でもっとも有名な左官です。
1948年生まれで18才で左官の道へ入りました。
そして、各地多くの親方の下で修行を積み、
さまざまな技術の習得に励みました。
28才で独立し、建築家と組むことでこれまでに培った
数々の技術が開花することになります。
また、ドイツのアーヘン工科大学の講師となり、
世界各地を訪れ土壁の世界を見て歩きます。
そうした経験から生まれた技術と独特の新しい
感性で多くの建築を手掛けて、
近年 「カリスマ左官」 と呼ばれています。

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その技は見る人の心を虜にします。

1984年 兵庫県技能顕功賞受賞
1995年 第15回吉岡賞受賞
1999年 日本建築学会文化賞受賞

著書  「壁の遊び人 左官・久住章の仕事」  世織書房

その人柄は質素で朴訥。
しかし、知れば知るほど奥の深い、凄いっ!と感じる
万年青年・・・いや、技を伝授する偉人です。

講習会の詳細は、決定次第ご案内致します。
まずはお知らせまで。 皆様お楽しみに!

投稿時間 : 14:20 個別ページ表示

2006年12月11日
 ■ 榎本新吉 参上

「榎本新吉」 カリスマ劇場

榎本新吉氏 パックで吠える!
(パック:近くにある榎本さん御用達の泥団子喫茶?です)
ご存知、千石磨きの達人 泣く子も磨く 左官の巨匠を訪ねました。

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泥団子を見る眼の鋭さと、団子の輝きは増すばかりです。
磨きの技は毎回見る度に進化し続けています。
どこまで行くのだろう・・・。

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今日も榎本ファンの若者を相手に徹底的に愛のムチ指導!
磨きの話は10年早い! 何故だかわかるかいシリーズ(問題満載)
バケツの洗い方から始まり、土と水の究極ストーリーの始まりです。
泥と左官の素晴らしさをひたすら教えます。超半端でないことを・・・

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榎本さんの子供達です。
丁寧に丁寧に心込めた作品です。
皆輝いている本当に可愛い子達です。

このところ、教育問題で世間が荒れています。
テレビで聞く偉い人の話より、榎本さんの職人魂の方がよほど
説得力があります!
ファンやお弟子さんが多いのもうなずけます。

榎本さんの人間性が土の持つ魅力を引き出してくれました。
土と親友なんですね。 いや戦友? 
何かとても表現しきれない関係です。

投稿時間 : 19:47 個別ページ表示

2006年12月07日
 ■ お石灰探偵団々長 藤田洋三現る

事件です。
あのカリスマ写真家、藤田洋三氏が弊社にお越し下さいました!

かねてよりお越し頂ける日を心待ちにしていましたが、
その夢がやっとかないました。
氏の写真に誰もが目を奪われることは周知の通りですが、
トークと執筆の素晴らしさも凄いのです。

写真家として、また執筆や全国での講演活動など大変多忙な中、
本当によく来て下さいました。感謝感謝。

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一緒に居ると時間が経つのを忘れます。
そこにはいつもハイレベルな笑いがあります。
そして、とめどもなく出る名言にうなずき、ハッとしたりドキッとしたり。
心の 体操! ヨガ! ストレッチ! マッサージ! 鍼! お灸!・・・・・

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多くの著書の中で 「鏝絵放浪記」 「藁塚放浪記」 を弊社で販売しています。
読んでみると、放浪とは氏の為にある言葉!?
日本全国、韓国、中国、アフリカ、アフガン・・・・
鏝絵25年、藁塚30年、歩き続けた旅の記録です。

わくわくしながら読んでいるうちに解って来ます。
実は、近代化で失いかけている何かを考えさせられる警告本なのです。

近々新刊が出版されます。
世界遺産放浪記 ではなくて 「世間遺産放浪記」 
キャベツ畑の壁とか玉ねぎ小屋とか、世間にある遺産のそこに隠されている
深い意味を、氏が心を込めて案内してくれます。早く読みたい。
必読の書です!

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壁を見るとそれが何か即刻解明され、解説してくれます。
自分では知ってたつもりが浅知恵もいいところ・・・反省。
人脈も計り知れない広さです。

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氏と一緒の時はメモとカメラは片時も放せません。
聞き逃し、書き逃し、撮り損ねは一生後悔します。
そして店舗のコンサルティングもお願いし宿題を一杯頂きました。
「大人の遊び場を作る」 う〜ん、なるほど。
目からコンタクトじゃなくて、ウロコが落ちまくりです。

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さらに、トレンチコートのポケットはドラエもんのポケット?
凄い道具が出てきました。
氏がこだわりの目で惚れ込んだ新作の、ステンレス製 漆喰押さえ鏝 です。

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こちらは、黒檀で作った罫引き(けひき)です。
木型や壁きわに線を引く器具です。
精密で美し過ぎます!

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氏にはもう一つの顔があります。
「 お石灰探偵団 」 団長

石灰に身も心も捧げた人達の団長です。
そして、泥・土にも魅せられ藁にも心奪われたディープな人間たちの親分なのです。
人の心に火を付けて歩く 「 チャッカマン 」 とも言われています。
これぞまさに、藤田洋三の真骨頂!
命名者は田川産業の行平社長です。座布団3枚!!

この日午後から行われる講演会で着るハッピを羽織らせてもらいました。
「 わしら壁作る人 さかん 」 とデザインされています。
粋ですね。これでいつものように魂に浸みる話をされて、
また人の心に火を付けるのですね。

藤田先生、本当にありがとうございました。
ますますのご活躍を楽しみにしております。

投稿時間 : 10:49 個別ページ表示