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2008年12月14日

 ■ 榎本新吉 飽くなき探求

進化し続ける千石磨き

榎本新吉氏にマンツーマンで千石磨きのご指導を頂きました。
伺う度に何かが違う、「ほーら、分かるかな?」

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と、言いながら泥団子を気持を込めて磨き始めます。

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すると次の瞬間、ピカ〜っとくるのです。

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他の泥団子と比較しても、今まで見た中で確かに一番光っています。
しかも、輝き方に深みが有ります。
何が違うんだこの泥団子は!

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すると榎本氏、泥団子をコマのように指先を捻って回し始めました。
コマ回し?

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またまた、「ほーら、真円だからまったくぶれずに良く回るだろ」
これは初めて拝見するパフォーマンスです。
なるほど、本当にまん丸なんですね。
いつまでも回っていました。

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同じノロで平面の磨きもお願いしました。

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元々仕上がっているパネルに直に謎のノロを塗り付けます。
重ね塗りして磨く事で益々深みが出るそうです。

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そして直ぐに油焼きのヘラで丁寧に押さえ込みます。
余分なノロが削れてしっかりと下地に馴染んでいきます。
繰り返し押さえる内にヘラが滑り出し、この段階でかなり艶が出始めます

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仕上げに滑石のパウダーを布に付けてさらに艶出しを行います。

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驚くべき見事な艶が出ました。
しばし言葉を無くします。
榎本氏、満面の笑みを浮かべて今日3度目の「ほーら」です。

「やってみな」と言われてチャレンジ!
同じパネルに再度塗り付け仕上げまで優しく?ご指導いただきました。

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綺麗に凹凸を出した仕上げです。
その他、あっと驚く色々な作品があります。
一つ一つが進化し続け生まれて来た物なんですね。
「土がいいんだよ」と一言!
一貫して良い素材を探し求め、それに巡り会えた時に凄い作品を
生み出す技量は益々の冴えを見せています。

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榎本氏と一緒に居ると時間が経つのを忘れます。
氏の左官愛の世界に引き込まれ、その都度沢山の事を教わり
そしてテーマを与えてくれます。
次にお目に掛かる時は自分も進化していなければと言う気にさせてくれるのです。
左官本来の技術を本気で伝えようと取り組んでおられる姿勢には心を打たれます。

榎本詣で、今度皆さんもご一緒に如何ですか。
怖さと優しさ、癖になりますよ!

投稿者 Tomizawa : 2008年12月14日 11:32