« イナバ物置 勉強会 2008 | メイン | 津久見 かまどの海 みかん »
2008年03月02日
このところ何をしていたかと言うと?
(※お知らせ
鏝サミットは都合により、しばらく休止させて頂きます。
次回開催は改めてご案内い申し上げます。。
鏝の修理等は従来通り承っておりますのでよろしくお願い致します。)
夢叶って大分の津久見、世間遺産の町へ行ってきました。
九州の東部に位置する津久見は、みかんと石灰・セメントの街です。
切り取られた石灰岩の山「水晶山」の麓に繰り広げられる石灰、セメント産業は、
日本を背負って来た歴史を物語る迫力の世界でした。
石灰岩を積んだトラックの後ろ姿からも、その活力を感じます。
おっと、セメント町と書かれたバス停です。
本当にセメント町ってあるんですね!
何かとっても身近な町に感じて嬉しくなりました。
山裾に作られた、石灰を焼くかなり大きな釜です。
石積みで出来た昔のもので当時の石灰産業の様子が想像出来る世間遺産です。
津久見湾を眺めながら山へ向かえば・・・
そこには、写真家で、「鏝絵放浪記」 「藁塚放浪記」 「世間遺産放浪記」の著者
藤田洋三先生の世界が待っていました。
温暖な気候を利用して昔からみかんの栽培が盛んに行われているところで、
樹齢800年と言われている珍しい古木も、おいしいみかんを実らせ続けています。
労力を使って山の傾斜地に石を築き上げたみかん畑です。
山の上まで至るところに石積みされた段々畑が広がっている様子は圧巻です。
姿を現した「世間遺産放浪記」の中でトップに紹介された
みかん小屋です。
感激です!
よくぞ山にしがみつくように建っているこのみかん小屋は、
みかんを作っている方々が自分たちで建てた手作りの小屋なんです。
石を運び上げ、積んでは三和(石・石灰・土を混ぜた現代のセメントモルタル)
で塗り付け組み上げて作ったのでしょう。
心を込めてみかんを美味しく熟成出来るように考え尽くされた構造です。
山の斜面に沿って半地下にしてあるのは、土中のバクテリアがみかんの
熟成を促すためだそうです。
愛媛みかんの出荷最盛期を過ぎるまでこの小屋にみかんを温存し、
美味しくなったところで一斉に出荷するとか・・・。
津久見の人の技と知恵の素晴らしさを実感しました。
山の上まで伸びるケーブルカーのようなみかん運搬機で、今ではつかわれていせんが、
これも素晴らしい世間遺産です。
みかん畑一つ一つにそれぞれのオリジナルみかん小屋が建っています。
こちらは、石灰や土を使っていない石積みだけで建っている珍しい小屋です。
どれを見ても可愛らしい思わず抱きしめたくなる小屋ばかりです。
この子?達は、この一帯に沢山あって、まだ発見されずにひそかに眠るものも
あるとか。
小屋ばかりではなく、擁壁や住宅の外壁などその石積みの技術が生かされて
いました。
目にするもの全部違う美しい出来映えで、思わず見とれて
暫しそこから離れがたい心境になります。
一本一本の路地がこの様な味のあるこだわりの世界です。
昔使われていたみかんを入れて小屋に仕舞って置く箱がありました。
プラスチックのケースばかり見慣れている私達には、何とも考えさせられる
出会いです。
木の箱ってさぞみかんにとって居心地が良かったのではないでしょうか。
みかん箱って(りんごも)・・・少し前まで木で出来てましたよね!?
それが、勉強机だったりして。
こちらは、スケールの大きいみかん小屋です。
大量にみかんを作っていたのでしょう、2階建ての作りで通気などに
かなりの工夫が見られる構造です。
デザインも意識した綺麗で明るい壁面で、三和(石、石灰、土を混ぜた現代の
セメントモルタル)が作り出す強くて優しい建造物です。
歩いているうちに、南イタリアのアルベロベッロの町を思い出しました。
両方の町の手作りの雰囲気に共通するものを感じた幸せな散策です。
漁師が使う魚網を柿渋で炊いた、三和(石・石灰・土)で出来たかまどです。
非常に強度があり、昔の技術の高さを知る世間遺産です。
さらに散策していると、おっと何か日干しをしています。
大根でした。
天日干した切干大根は実に美味しい!
実は昨晩お世話になった美味処で自家製をたっぷりといただいおりました!
この土間も、本物の三和(たたき)です。
ご覧下さい、綺麗に梅が咲いています。
人工的なコンクリートブロックや金属、化学製品の塀や家に囲まれた梅の花と
何か大きな違いがあると思いませんか?
地場の自然素材を使って、先人の知恵と技で作られた建造物は、より津久見の
梅の花を引き立てているのですね。
大きな感動と本物は何かを改めて考え直すチャンスをいただきました。
お世話になった、藤田先生、恵介さん、ありがとうございました。
心より感謝申し上げます。
取り敢えずのご報告 第1弾、後をお楽しみに!
投稿者 Tomizawa : 2008年03月02日 18:52