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2007年02月21日

 ■ 超建物再生術 左官の技を見る 「松本元意」氏 

1月25日 東京足立区の松本左官工業所 「松本元意」氏 
にお声掛けをいただき、東京上野御徒町にある地上7階地下1階の大掛かりな
改築現場を見学させていただきました。 

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松本氏は昨年叙勲されている名工で、かねてよりご指導をお願いしたいと
思っていたところでした。

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築40年を経た建物の全面大改造です。
何と全ての部屋、廊下、階段の壁を左官塗りで仕上げて、
ギャラリーに変身させる大イベント?なのです。

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コンクリートの構造物を覆う物全ての物が取り除いてあります。

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ご覧の通り様々な下地が顔を出します。

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コンクリート、ブロック、フレキ、コンパネ、タイル他、下地のオンパレードです。

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埋め込まれているシャッターのレールも取り外します。

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階段上を見上げる松本氏です。
建物を丸裸にするのは、さぞ大変な作業だったと思います。

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そして、ここから松本氏の真骨頂!下地作りが始まります。
氏曰く如何なる状況でも下地の善し悪しで仕上がりが違ってくると断言。
地下1階はすでに下地の塗り付けが施されていました。
驚くことに何処を見ても均一の塗上がりで、あらゆる条件が重なる下地に
起こりがちな吸水違いの色ムラがまったく見あたりません!
さすがです。

施工はまず、日本化成(株) アートシーラー をローラー塗します。
安定した給水調整が出来るそうです。
更に 吉野石膏(株) Bドライ を下こすりしあらゆる下地に対応出来る状態にします。

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万全な下地調整が終わると、次は 吉野石膏(株) K−YN の中塗りです。
数个ら20〜30个泙任△蕕罎詭未砲靴辰りと塗り付けます。
このK−YNは一時生産を中止していましたが松本氏の要望により復活しました。
バーミキュライトを骨材とするこの材料の特徴は、軽量、優れた付着性、断熱、
耐火の他、アク対策にも有効な中塗り材で松本氏の多くの現場で使用されて
いるそうです。

この様に松本氏はあらゆる材料を実際に使用しその性能を見極めます。
その経験と知識は、吉野石膏株式会社、日本化成株式会社の商品開発に
多大な貢献をされています。

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日を替えて、2月14日に再び見学させていただきました。

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3階フロアーが仕上がっていました。
仕上げ材は 日本化成(株) シュークル です。
これは漆喰調淡色系内装仕上げ材で自然な風合いが良く出ています。

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いやー 実に見事です。
松本氏の言う下地有りきの意味が分かりました。
しっかりとした厚みを感じる壁です。
室内の心地よさは勿論、その重厚さに暫く見入ってしましました。
左官の技を見た感じです。

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階段下です。
ここはまだ中塗りの状態ですが、これも左官の成せる技で如何なる形状も
ご覧の通り。隠すどころではないオープンで見ていただきましょう。
いや、見せなきゃ・・・。 どこまでも左官塗りなのです。

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地下に入ると思わず、ワインセラー!?
と、考えるのは私だけでしょうか。

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質問にも丁寧に答えてくれる松本氏です。
所々でここは手が掛かったとさらりと言ってのける・・・
よく見ると凄い! 大ゴトなのです。 

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そこにオーナーがご登場です。(左側)
松本氏とは20数年のお付き合いでご自宅の壁もすべて塗られているそうで、
お話を伺えば伝統工法の壁についてもかなりの知識をお持ちです。
究極のこだわりで、この建物も松本氏の技に委ねておられます。
ギャラリーの目的は近くの芸術大学の皆さんに気軽に利用してもらうことだ
そうです。さぞ学生さんの励みになることでしょう。

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こだわりのオーナーと技ありの左官さんの理想的な関係で、
完成は松本左官さんの仕事が終わった時と笑っておられました。
職人さんを大事にされているオーナーの心意気に感動です。

40年の歴史も一緒に詰まった素晴らしい建物になるでしょう。
完成の日が待ち遠しいです。

オーナー様、松本様、ありがとうございました。
また、お邪魔します。

投稿者 Tomizawa : 2007年02月21日 15:08