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2007年12月21日

 ■ 竹の竹松 滋賀県安土

滋賀県安土に創業100年を超える竹材の老舗、
(有)竹松 さんが有ります。

今回、滋賀の小林左官様のご紹介でお邪魔して来ました。

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このあたりは良質な竹の産地でごらんの様な竹林が沢山有ります。

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会社に伺うと加工済みの竹材がもの凄い量置いて有ります。

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(有)竹松様 は竹小舞材料、造園用の竹垣の製造販売や、
多方面の竹製品の製造販売を行っています。
さらに、竹の強さを高めた炭化竹の研究開発も行われ、
竹材の未来を創造する会社です。

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早速、取締役の田邊氏にご案内を頂きました。

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この様に何ヶ所かに分けて置かれた竹は質と年数により選別して
寝かされ、加工出荷を待ちます。

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一番手前から2年、3年、4年物だそうです。
節の部分で判断するそうで、とても見極めが難しく
かなりの経験が必要だと思いました。

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長年使い込んだナタです。

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これを使って伐採から枝落とし、竹割りまでこなす万能ナタです。

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枝落としのテクニックも凄いです。
いきなり刃で落とすのではなく、落ちない程度に右から左に刃を入れ、

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次に、ナタの背を左から右へ返すようにして落とします。
こうする事で落とした切り口が鋭角にならない様にするそうです。
怪我防止の技ですね。

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あれ、この穴は何だ?

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堀こたつじゃないけれど、この様に座って竹を割る作業穴?なんです。
細身のナタでトンと竹の元を割ったかと思うと、

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その割れた部分に埋め込んであるパイプを挟んで前に押し込んで
行きます。

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お見事、瞬時に真っ二つに割れます。
あまりの早業に何が起きたのか皆唖然とします。

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そして、それをさらに細くして行きます。
同じようにナタで割れ目を入れると、

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直ぐにパイプを挟み込み前に送り出します。

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面白いように見事に均等に割れて行きます。

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スルスルと先へ送り込むと、

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あっと言う間に、ビックリの長さになりました。
その早業に脱帽です!

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田邊氏の手を拝見すると、まるでグローブの様な年期の入った
固い手でした。
久住親方の手が綺麗で可愛く見えたのは気のせい?
実は最近の久住親方の手にはペンだこが出来ているらしいです!!

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工場に戻り、色々な機会も見せて頂きました。
2カ所有る大規模な工場では最新の設備や機械が、
所狭しと並んでいました。

これはその一つで、竹を瞬時にどの様な巾にでも均等に、
割ることが出来る機会です。

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刃の部分は3枚割から12枚割まで各種有ります。

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先ず左の刃の部分に竹の位置をを合わせながら右の受けを、スイッチを
入れて刃に向かって近づいて来るのを待ち合わせます。

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受けが刃に向かって進みます。

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最後まで押し込む様に移動します。

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この様に反対側から指定通り均等に割れた竹が押し出され誕生です。

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細身の竹から太目の物まで小舞用のサンプルを作って頂きました。
それぞれ8枚割りの割れ竹です。
後日弊社に展示予定です。

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こちらは、炭化竹を製造する器械装置です。
このタンクの中で蒸気による炭化製造が行われます。

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特殊圧力釜で蒸す事により従来竹が持つ強さを、
更に何倍にも出来るそうです。
ご覧の様に極端に内側の曲げを行ってもビクともしません。
何度も繰り返されその凄さに目を見張ります。

将来この炭化竹を竹小舞の部材として使える様になれば、
強固な壁が出来る事は間違いありません。
竹の素晴らしさ、本物の良さを実感させて頂いた一日でした。

この様に、(有)竹松 さんは創業100有余年の歴史を生かし
日々研究され、竹の良さと可能性を皆さんに伝えるべく、
将来に向けて役立てるように頑張っておられます。
我々も竹の事をもっと勉強してお手伝い出来るよう精進致します。

(有)竹松 田邊様、お正月のお飾り作りで大変お忙しい中
ご指導を頂きありがとうございました。
ご同行頂いた久住章様、小林澄夫様、ありがとうございました。

投稿者 Tomizawa : 2007年12月21日 12:30