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2007年07月09日

 ■ 吉野石膏 東京YN会 研修会

7月4日(水) 吉野石膏株式会社様が最新技術情報を紹介する
吉野石膏虎ノ門ビルに於いて、東京YN会研修会を開催されました。

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テーマは現代左官事情で、
当日は販売店の営業マンを中心に約50名の参加者を得て行われ、
1日かけての研修を全員が熱心に受けられていました。

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講師は、鈴木建塗工業(株) 鈴木 光氏です。

鈴木先生は本来の左官業を営みながら、工学修士・一級建築士の資格を活かし、
左官技術の発展と普及に尽力される、業界にとって強〜い味方なのです。
現在、日本左官業組合連合会の理事や他の役職も歴任され、
多数の執筆活動もこなすカリスマ左官です。

午前中の講義では左官の特徴から始まり、日本壁、左官道具、鏝の力学、
壁面劣化のメカニズム、JASS15の改訂など、時間をかけて基本的なことから
じっくりと講義が行われました。
この様に、いろいろな鏝を手に取ってその名前と使い方も教えてくれました。
鈴木先生の解説はとても分かりやすく、また聴く者を引きつける魅力ある内容で
改めて左官の良さを知り、即、営業活動にプラスになるお話でした。

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そして、午後からは実習の講義です。

ここからは、鈴木先生が実際に鏝を持って扱いかたの指導に入ります。
先ずは鏝返しからで、鏝板に乗った材料を鏝表にすっと乗せる基本技から
のスタートです。

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ところでいつも思うのですが、この吉野石膏虎ノ門ビルは、
このビル街にありながら、建物まるまる全部を使って大きい講習会場や
商品展示ショウルーム、他充実した設備を備えています。
そして圧巻なのは、地下にこんな実習や試験塗が出来る広い会場があるなんて
とても信じられません。
ただただ驚くばかりです!
吉野石膏(株)様は本当に凄い会社とつくづく感心します。

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さあ、鈴木先生が塗り始めました。
全員が注目です。

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散々鳴らした腕の見せ所!
参加者の皆さんも、この様に間近に鏝技を見ることは滅多に無いのでは?
入隅、出隅の塗り付けなど真剣に見学します。

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吉野石膏(株)の技術スタッフによる、「ケンコート」 の説明です。

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こちらは、新製品 「ケンコート スィン」 です。
両方とも珪藻土を配合した調湿性能の高い健康内装材です。

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鈴木先生ご自身で材料の塩梅を確認します。
ケンコートの方が入っている骨材が大きく厚めに塗り付け、
ケンコート スィンは小さい骨材なので薄めに塗り付けるよう指導されていました。

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商品開発スタッフの方々に材料についてのアドバイスもされていました。
貴重な意見にスタッフがうなずくことしきりです。

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さあ、皆さんもいよいよ塗り付け開始です。
教わった鏝返しのテクニックを使ってチャレンジです。
鈴木先生の華麗な技につられて、ほとんどの参加者が鏝を握って
体験されていました。

時間がとても短く感じた一日でした。
充実した内容に熱心に受講された参加者皆さんの満足の
笑顔がとても印象的でした。

メーカー様の研修会としては今までの枠を超えた研修会であったと
思います。
とかく、自社製品の紹介とPRが主体となるケースが多い中、
左官の原点から勉強して塗り壁の良さを理解しようとする姿勢は、
素晴らしい事だと思います。
今の時代、我々にとって最も大事な勉強ではないでしょうか。
伝統的な左官工法と先人が生み出した技を知る事により、
現代の豊富な商品情報と合わせて良い商品を自身をもってお客様に
お薦めする事が出来るのだと思います。
我々販売店が営業活動をする為には絶対に必要不可欠な事です。
いかに今までが不勉強であったかを思い知った一日でした。
(生意気な事言ってすみません)

この講習会を企画していただいた吉野石膏(株)様、
講師の鈴木先生の熱い指導に心から感謝申し上げます。
教えていただいた事を今後の営業活動に活かせるよう
頑張ります。

次回の講習会も楽しみにしております。

ありがとうございました。

投稿者 Tomizawa : 2007年07月09日 08:56