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2007年01月27日
榎本新吉氏をお訪ねしました。
今回は神戸市の 「五十嵐泰子空間設計室」 の一級建築士
五十嵐泰子様が、友人の近藤寿子様と榎本氏を訪問するにあたり、
ご案内をさせていただきました。
五十嵐さんと近藤さんは東京芸術大学大学院の同級生で、
以前より榎本氏に関心を持ちこの日が来るのを心待ちにされていた様です。
そして、左官教室記者の井出様にもご参加いただきました。
榎本節ライブは、泥団子喫茶 「パック」 で開催されました。
あれ〜、榎本さん髪の毛どうしたんですか?
出家でもしちゃったのか???
いきなり腰が抜けるほど驚いてから、ライブは始まったのです。
「何で来たの?
あーぁ ありがてーな〜。」
床屋で間違えて刈られた頭がどうしても目に入りますが、
鏝について、「何故? 分かる? だからどうなるかな〜て言うんだよ?」
と、いつもの榎本節です。
最初は皆さん緊張気味で受け答えをしています。
榎本さんが鏝を持って合わせます。
皆さんも同じ仕草で鏝を合わせ隙間が無く平らかを確認します。
近藤さん、小さい鏝の先の方が反っているのを確認しました。
五十嵐さん、しっかりと見据えてピタリと合っているかをチェックします。
鏝サミットでご案内した東京金広の久保田モデルの塗り付け鏝です。
さすが決まっています。
表情も決まってますね!
しばらく鋼やステンレスの金属話で突っ込みが入ります。
「ステンレスって何?・・・ 字引持ってこいよ!」
辞書を引きながらその突っ込みに対応します。
塗り付ける材料や仕上げの方法によって、
鏝の金属の違いだけでなく、焼き入れの仕方で
本焼、半焼、油焼、地金など様々な物がある事を教わりました。
さあ、ここで化学の時間から数学の時間へ・・・。
コンクリートの配合割合の計算です。
「砂利、砂、セメントはいくらいる? 言ってみな!」
榎本さん、鏝からペンに持ち替えました。
しっかりとした字を書かれます。
お二人さん、直筆だと喜んでいました。
でも、喜んでばかりはいられません。
正解を出さなければ。 格闘中!
賢いご両人ほぼ正解で、満面の笑み!
うん!? 榎本さんナイキとスポンサー契約したのかな。
沖永良部島(おきのえらぶじま)の土で作った泥団子です。
水を付けて一部溶かしても、爪で擦れば直ぐに光が戻ります。
パックの店内には沢山の泥団子や鏝絵など榎本作品があります。
泥団子を手に取ると心がこもっているのが分かります。
榎本さんの磨きの技術は常に進化しています。
来る度に新しい技が生まれていて驚きです。
パックのママさんです。
なんと日本舞踊の名取です。
そこで榎本さんから再び問題。
「日本舞踊のどこを見る?どこが大事?」
いろいろと考えをめぐらしていると、「ママさんに聞いてみな?」
ママに伺うと、腰の動きと足運びを見るそうです。
そして、扇子を持てばその先まで体と一体化させるそうです。
左官も同じで手先だけでなく体全体を使って塗る事が大事だと、
教えてもらいました。
榎本さんの周りにはいつも人が集まります。
コンフォルトの清水様達もお見えになり、
さらに、盛り上がったのでした。
そして、榎本さんのお宅へお邪魔しました。
「二階のトイレを見てみるかい」
「地下へ行くかい」
ここで千石磨きが生まれたんですね。
榎本さんの生き様と歴史を感じる本当に魅力的な作業場です。
ここがあの神聖な地下室です!
手塩に掛けて精製した全国の究極の土がここに眠っているんです。
左官文化の宝庫です。
コンフォルトの清水さんが説明して下さいました。
以前も紹介しましたが、榎本さんの手は柔らかくてスベスベなんです。
土をさわっていると自然になるのだそうです。
泥パック?
嬉しい素敵なツーショットですね♥
榎本詣でのフィナーレです。
皆さんで記念撮影です。
シャイな榎本さん照れて下向いちゃった!
榎本さんの魅力にタップリと触れる事が出来ました。
また、ご指導をしていただける様にお願いをして榎本邸を後にしました。
ありがとうございました。
すっかり日も暮れて風が冷たく感じる時間になりました。
本日のまとめと反省をしなければなりません。
そこで八丁堀の 「マル」 へ、ダッシュ!
仕事熱心な?皆さんは早速会議の場を持ったのでした(笑)
メインディッシュは、京都 漆喰浅原様 の鏝で、「木鏝の気持ち」 です。
(何故、浅原さんの鏝を持ってるのかって?それは秘密です)
取れ立ての?素材の良さを生かし、あまり手を加えずいただく逸品です。
それではいただきましょう。
いただく作法は?
こうして・・・
こうするのです・・・かぁ?(謎)
五十嵐さんは最高の建築士です!
ワインも進み、そしてこうなりました♪ 爆発寸前♪♪
五十嵐さん、近藤さん、井出さん、ありがとうございました。
出会いと言うのはありがたいものです。
同行させていただき楽しい得る事の多い一日になりました。
この出会いを大切にします。
榎本さん、ありがとうございました。
榎本さんにはいくら感謝してもしきれません。
いつも磨きのかかった特別粋な勇気と知恵をいただいています。
「欲しがりません、建つまでは!」
座右の銘にしようかな・・・。
いつか本物の「石灰と土のソムリエ」になれるよう頑張ります。
榎本親方、お体をお大事にして下さい。
投稿者 Tomizawa : 2007年01月27日 10:48