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2011年03月30日
 ■ 平成会 大津磨き講習会

東京都左官職組合連合会 平成会(原田会長)が3月20日に、
職連会館に於いて大津磨き講習会を開催しました。

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講師は大津磨きの匠、忍者左官 小沼充氏と、
小沼氏と共に伝統工法を若い左官職人に伝える、
木村左官工業所 木村一幸氏です。
ご両人の卓越した技量は左官の世界では衆知のところ。
その本物の技を学ぼうと若い職人さんが集まりました。

先ずは、基本となる材料の調合から始まります。

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正確に計量されて灰土が出来上がりました。

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引土も時間をかけて完成です。
材料作りから丁寧に作業する様子を見ていると、
既に大津磨きの施工の緊張感が伝わってきます。

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材料調合のレシピを確認、記録する参加者の皆さんです。
間違いは許されません。

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灰土の塗り付け開始です。
塗り付け順から、鏝の握り、運び方を指導する小沼氏です。
氏曰く、皆の中で誰か1人に手解きしている時に他の受講者が
それをどれだけ見て学ぶかが大事と、技術的なことだけでなく
どんな時も技を吸収しようという自らの意欲を持ち続けることが大切だと説きました。

そう言えば大分昔の話ですが、ある講習会で久住章氏の鏝さばきを
見学者の一番後ろで、同じ鏝を持って同じ握り、同じ鏝さばきをして、
体の動きもそれに合わせて忠実に踊るように真似ている若き小沼氏を
思い出しました。
その時は最初ふざけてるのかと思ったのですが・・・。

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木村氏も優しく時には厳しく、あらゆる左官のノウハウを受講者に
指導していきます。
その奥深い豊富な経験と知識を惜しげもなく浴びせる姿は、
鏝を動かし続ける受講者背中を、早く本物に近づけるよう気持ちを込めて
推し進めているように見えます。
良き兄貴風が爽やかに吹き付ける職連会場です。

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参加者全員が見やすい場所で同時に進行する小沼氏の
デモンストレーションが行われます。
いつでも見ることが出来る、これは受講者にとって最高に有り難い企画ですね。
引土の塗り付け開始!

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引土押さえに掛かります。
最初より体の動かし方が確実に進歩しています。

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呼吸を忘れているのかと思うほど仕上げ面と鏝面に神経を
集中しています。
オオッ 姿が映ってる!

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いよいよ最後の追い込みです。
こちらも大津磨き独特の深い艶が出始めました。

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黒光りしてきました。
赤いヤッケが鮮やかに映っています。
受講者のレベルの高さが伺える瞬間です。

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実技全員参加の納得の講習会も無事終了し、最後に集合写真をパチリ。
皆さんそれぞれが得る物の大きい、内容の濃い講習会だったと思います。
若い職人さんが集まって技術を見せ合い競い合うのはとても素晴らしい
ことです。
良き仲間、良きライバルがいることは大切なことですね。
皆さんの今後が楽しみです。

全国で左官の塗り壁講習会が増えています。
本物の建築を求める声が大きくなり、本物が出来る左官職人さんを
目指す若い人が増えてきているからです。
本気で取り組む姿を拝見して、改めて本気で応援したいと思いました。

小沼氏、木村氏の若手左官のリーダーが受講者に左官愛を
思い切り注入した素晴らしい講習会でした。
皆様の今後の益々のご活躍をお祈りしています。
ありがとうございました。

投稿時間 : 14:33 個別ページ表示

2011年03月24日
 ■ 北海道左官業組合連合会 講習会

3月12日(土) 北海道札幌市 札幌市産業振興センターに於いて、
日左連 北海道左官業組合連合会主催の講習会が開催されました。

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「TOP of SAKAN」 と題して、
現代漆喰の第一人者 植田俊彦氏、
大津磨きのエキスパート 小沼充氏
蛇腹引きの名工 荒井平氏をゲストに迎えて、
ハイレベルな実演が行われました。

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素晴らしい会場です!
開催にあたり、北海道左官業組合連合会青年部長の中屋敷剛氏(中屋敷左官工業(株))
の司会で、講師の紹介と実演の説明がありました。

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多くの参加者で埋まった大きな会場は左官パワーが溢れています。

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実演が始まり更に熱気が増して来ました。

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熱い視線を浴びながら土佐漆喰の技を披露する植田氏です。

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大津磨きの引土を見事な鏝さばきで塗り付ける小沼氏です。

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現場引き蛇腹の施工を実演する荒井氏です。

それぞれのカリスマ職人の華麗な技に参加者の視線が釘付けになります。

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ノロ掛け前のきっちりと押さえ込んだ下地に手の平で触れることで、
その精密な押さえ具合と質感を感じ取る皆さんです。
北海道の左官職人さんの積極性が感じられた一コマでした。

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パネルを掛け持ちで、現代大津磨きを披露する小沼氏です。
植田氏の解説で漆喰の施工が無限にアレンジが可能なことを表現しました。

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中屋敷左官工業(株)の佐藤氏(中央)も加わって、
左から、土佐漆喰磨き、現代大津磨き、大津磨きと最終仕上げ段階に入り
力と気合いのこもった押さえ技を展開していきます。
見入る人々の体も一緒に動いているようです。

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いつもながらその仕上がり精度はバツグンで、講習会で披露するのは
なかなか難しいと言われる大津磨きの技を参加者の目に焼き付けています。
様々な会場の条件を的確に判断し、材料の調合、作業工程のタイミングを
素早く見極めて見事に収める、さすがの匠の仕事振りです。

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現代大津の輝く仕上がりに見入る参加者です。
その出来映えに何かを得た瞬間でしょうか?
その表情にも左官職人の気質が輝いていました。

札幌の熱い一日は瞬く間に過ぎていきました。
外は雪景色で白い世界が広がっています。
熱気溢れる会場と、外はきりりと冷たい締まった空気!
北海道ならではの爽やかな講習会は、正にTOP of SAKANの
魅力が花咲いた素晴らしい内容でした。

札幌に集結した北海道の建築士会の皆様、左官職人の皆様、
参加者の皆様の左官愛、職人魂を大いに見せていただきました。
ありがとうございました。
また、北海道左官業組合連合会の皆様、事務局の皆様、中屋敷剛様、
大変お世話になりありがとうございました。

投稿時間 : 17:42 個別ページ表示

2011年03月19日
 ■ 東日本大震災 お見舞い

この度の東日本大震災により被災されました方々に、
心よりお見舞い申し上げます。
被災地の一日も早い復興をお祈り申し上げます。

投稿時間 : 09:55 個別ページ表示

2011年03月08日
 ■ 京都 NPO日本伝統左官技術振興会

2月27日(日)京都 大聖寺と京都府左官技能専修学院において、
NPO日本伝統左官技術振興会の第1回講演・研修会が行われました。

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大聖寺は足利義満が開基した門跡尼寺の上位に位置する、
由緒ある寺院です。

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会長の佐藤ひろゆき氏と講師の久住章氏が中心となり、
午前10時に大聖寺に集合して研修が始まりました。

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大聖寺の枯山水庭園は京都市指定名勝です。
その庭園を囲む土塀の復元修復工事現場を見学しました。

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約50メートルほどの土塀は歴史を感じる重厚なものですが、
傷みが酷く修復の難しさを思い知らされた一瞬です。

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工事を請け負った佐藤ひろゆき氏と京都の左官職人さんの、
試行錯誤の繰り返しで作業を進めている状況を
真剣に聞き入る参加者の皆さんです。

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浅黄土を配合して青味がかった漆喰を施した素晴らしい土塀です。

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下地中塗りまで施工した壁面です。
かなり長いピーンと通った面に技術力の高さが伺われます。

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大聖寺での研修を終え、場所を京都府左官技能専修学院に移し、
講演が行われました。

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学院の内部は左官技がいたるところに施されています。
壁一面に広がる歴史絵巻の鏝絵作品も京都の左官職人さんが
力を合わせて完成させた大作です。

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さすがお見事、蛇腹の凄さも必見ものです。

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鏝の展示を前に講演の前から盛り上がる皆さんです。

さすが京都にはこんなに素晴らしい左官の学校が有るんです!

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講演会は、前半に大聖寺の工事記録の映像を見ながら土塀修復の技法を
勉強しました。既存の土の性質を見極め、それに合う土の配合を考え、
また、構造面でも瓦を乗せる天端の補強や、仕上げにも耐久性をを充分に
考慮するなど、豊富な知識と経験を生かした技は目からうろこの
ノンフィクション左官物語でした。

後半は久住氏が見て来たヨーロッパ土建築の紹介が行われました。
フランス、イギリスの独自の工法は興味を引くものばかりで、
氏の体験から表現される世界は魅力たっぷりなものです。
これからの施行法に新たな可能性が期待できる内容でした。

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NPOとしての左官広報活動についても大事な研修のテーマです。
漆喰、土壁の優れた機能性を科学的に検証し、時代に即した提案が
出来るようデータ等も充実させる旨の報告がありました。

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佐藤氏と久住氏の講演は何度聞いても、左官愛と情熱が溢れる
聞く人を引き込む魅力一杯の世界です。

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ご両人とも、どこまで深い知識の持ち主なのか計り知れません!

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鏝の話は決して他では聞けない究極のものです。
100年前の出来事を今の事のように思えてしまう談議は、
職人魂をくすぐる応援歌のようです。

最後の質疑応答では活発な意見交換が行われいろいろな話が出る中、
各自が地元の土を採取しそれが壁材として適するものか情報を持ち寄る
案が出て盛り上がりました。

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一日の講演・講習会はあっと言う間に終了しました。
京都の本物の左官伝統工法に触れることは本当に良い勉強になります。
志を同じくする最高の仲間が集まって交流出来る有り難さを、
つくづく感じることの出来たNPO日本伝統左官技術振興会でした。
佐藤ひろゆき様、久住章様、ご参加の皆様、ありがとうございました。

せっかくの京都ですが日帰りなので足早に東京へ向かうことにします。
でも思い切り後ろ髪を引かれる思いなので、
少しだけ鴨川沿いを散策して帰りますか・・・。

日本伝統左官技術振興会では会員を募集しています。
左官・漆喰・土壁に興味をお持ちの方ならどなたでも歓迎です。

詳しくは
日本伝統左官技術振興会 京都事務所
(有)京壁井筒屋佐藤 内
TEL 075 461 1278
FAX 075 461 7446

投稿時間 : 16:50 個別ページ表示