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2009年11月28日

 ■ 鳥取の鏝絵・なまこ壁

平成21年11月8日 鳥取県琴浦町赤崎において、
「鳥取の鏝絵・なまこ壁」 
地域資産を生かした街つくりフォーラムが開催されました。

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フォーラム開始にあたりアトラクションとして、淀江さんこ節保存会による
民族芸能 左官フォークロア「壁塗りさんこ節」が披露されました。

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300年前の江戸から伝わる郷土民謡で、境港に住む「さん子」さん
という女性が、船乗りから習った佐渡おけさを改良してつくられたものだそうです。
左官の親方、こね屋さんと女将さんが元気に踊り始めました。

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軽快な「さんこ節」のテンポに合わせて左官屋さんがこね屋の投げる材料を
鏝板に受け取ったり、壁を塗りあげる情景をコミカルに演じています。
実に面白い楽しい舞台です。

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さんこ節で大いに盛り上がったところで東京大学教授 藤森照信先生の
基調講演「左官の手法“なまこ壁”」が行われました。
なまこ壁の起源やこれまでの経緯、歴史を分かり易くお話され、
更に、左官塗り壁の特徴に触れ、
「自然界には目地が無い、自然と人工の違いは目地が有るか無いかで、
左官の壁は正に自然である」
大変に興味深い勉強になる内容でした。
藤森先生が左官を語る時は、とっても優しく楽しそうにお話されます。
講演を拝聴する度にその心のこもった語り口と、魅力にノックアウトされます。

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次に、鳥取県生活環境部 主幹 宮本孝二郎氏による調査報告、 
「鳥取のなまこ壁と鏝絵、左官の来歴」が行われ、写真や多くの資料によって
現況を知ることが出来ました。

そしてメインイベント、パネルディスカッションが始まりました。
パネラーは、
藤森照信氏 東京大学教授
藤田洋三氏 写真家 豊の国生活文化研究所 
岩佐吉郎氏 財団法人日本交通公社研究主幹
倉長正徳氏 琴浦町観光ガイドの会会長

司会は、木谷清人氏 財団法人鳥取民芸美術館常務理事で、
テーマは琴浦町における「鏝絵・なまこ壁」を生かした観光まちつくりです。

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我らが藤田先生のいつもながらの情熱と愛情爆発のトークに、
笑いと拍手が繰り返し巻き起こります。
満席の会場が熱気を帯びて最高の盛り上がりになって来ました。
琴浦町となまこ壁を愛するパネラーの皆さんの思いが伝わり、
心に残る素晴らしいフォーラムとなりました。
鳥取県東伯郡琴浦町赤崎が大きく変わる予感です!

そして、最後に藤森先生曰く、
「塗り壁さんこ節は最高ですね。大工さんをはじめ他の職方にはこの様な楽しい
歌や踊りは無い。面白い左官の良さが出ていますね。これは楽しくて素晴らしい!」
と大喜びでした。

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最高の盛り上がりを見せた赤崎コミュニティーセンターを後にして、
いよいよ待ちに待った琴浦地区のなまこ壁の見学です。

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なるほど独特な手の込んだなまこ壁ですね。
左官職人さんの技と心を込めて仕上げた思いが伝わって来ます。
藤田氏が鳥取なまこ壁のデザインの多様性は日本一だと言っている
意味が分かりました。

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鳥取のなまこ壁は平瓦を使わない独特な仕様の漆喰壁で、
これを鳥取なまこ壁と呼んでいます。一般に平瓦を使って仕上げたものを、
本なまこ壁と言われていますが、違いは鳥取なまこ壁の方がデザインがまったく
自由だと言えることです。だから左官職人さんがこれだけ競ってバラエティーに
富んだ作品があるのですね。鳥取県中部地区だけで90戸もあるそうです。
とても全てを紹介は出来ませんが見ていて飽きない「技ありなまこ壁」の
テーマパークです。

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突然話は変わりますが・・・
午前中、赤崎駅からコミニティーセンターに向かう途中、
気になる看板を発見しました。

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12時半からのフォーラムの開始前に昼食をとりに戻って来ました。
かなり美味しい予感のお店です。何せ境港の近くで魚好きにはたまらない
エリアですから!
今回は日帰り出張の為、美味しいチャンスは昼食のみなので、いざ突撃!!

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店内に入るといきなり中央に釣り船がドーンと鎮座し、
そのまま生簀になってます。
初めてでカウンター内の大将も「どっから来たの?今日は何があるの?」
と怖そうな雰囲気で聞かれたので、少々びびって写真は遠慮しましたが、
良く見ると周りで食べている人のお料理も凄く美味しそうです。
お昼にしては贅沢ですが、お薦めのお刺身定食2900円を注文しました。
しばし待っている間、日本海新聞を読み鳥取に来たんだな〜と実感した次第です。

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オオッ 次々に運ばれるお料理にビックリです。
お刺身のボリュームも凄いのに一個が大きい握り5貫と、煮魚、焼き魚、
小鉢が三品、さらに天ぷら盛り合わせが付きました。
握りの器と比較しても魚の大きいのがお分かりと思いますが、
なにせ一人では無理の迫力です。
でも、お味は実に美味しい!
お刺身の新鮮さはプリプリで最高です。
お酒は我慢してお料理を堪能させていただきました。

残念ながら全部は食べきれず、大将に残してしまうお詫びをすると、
恐そうだったはずの雰囲気が一転して笑いながら
「東京に持って行くかい、ワハッハァ また来なよっ」
人を幸せにしてくれる大将でした。

素晴らしいなまこ壁の世界 鳥取の皆様ありがとうございました。
藤森先生、藤田先生、宮本様、木谷様、寺谷様、ありがとうございました。

投稿者 Tomizawa : 2009年11月28日 17:58