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2009年11月06日
第10回 全国漆喰鏝絵コンクールが開催されました。
10月24日から11月30日まで、長八美術館で入選作品の
特別展が行われています。
ビッグニュースです!
埼玉の小野和司氏の作品が最優秀賞の栄冠に輝きました。
どうですか 素晴らしい出来映えです!!
正面に構えてじっと見ていると、実際に自分がその場の雪深い中、
穏やかな夕暮れ時に居る気持ちになって来ます。
そして周りの音を全て雪が吸収して、静か過ぎてシーンという音が
聞こえて来るような臨場感があります。
お見事!
上記の評論をご紹介します。
「雪景色の表現を長年にわたって追及してきた作者が、
正にその得意の分野で金的を射当てました。石灰の
カルシュウムの結晶は透明なので、乱反射によって
白く見えるわけです。透明な水が白い雪になるのと
同じ原理です。このような白の美しさを追求してきた
同氏の作品が最優秀賞を得たのは、漆喰(石灰)の
美しさを生かすことが鏝絵の基本であるという点からも
大きな意味があると思います。手前の水たまりに映った
建物の様子も美しく、雪の厚みと水面との対比が
心を引かれる効果になっています。」
本当に凄いし嬉しいです。
心よりお祝いを申し上げます。
おめでとうございます。
実は小野氏とは埼玉の訓練校でお目に掛かっていて、
それ以来の大ファンなんです。
この鏝絵も小野氏の作品で、どうしても欲しくてお譲りいただいたものです。
弊社事務所に飾らせていただき毎日眺めて楽しんでいます。
普段は左官業に精を出されて、合間に鏝絵を楽しんでおられる
根っからのアート左官さんなのです。
そして更に驚きなことに、こちらもお付き合いをいただいている、
島根県安芸市の左官、大櫃孝之氏の優秀賞作品です。
昨年第9回の時も優秀賞を取られています。
娘さんの成長をテーマに毎年出展されているそうです。
愛犬と遊ぶ様子が何んとも優しい情感が表れた鏝絵です。
可愛くてたまらない愛情が溢れた作品は、鏝技が随所に光る秀作です。
大櫃氏、今年のイケダコーポレーションのコンクールでも優勝している
実力者です。
鏝絵はそもそも施主に対する感謝の気持ちを表す為に、仕事のお礼として
家の戸袋や壁、土蔵の持ち送りに絵柄を塗り出したものだそうです。
鏝絵は本来の左官職人さんの心意気なのですね。
ご両人の鏝絵からも伝わる気持を込めることの大切さを身に沁みて
感じた作品展でした。
小野和司様、大櫃孝之様 ありがとうございました。
今後の益々のご活躍をお祈り申し上げます。
投稿者 Tomizawa : 2009年11月06日 09:17