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2009年06月11日
平成21年6月6日(土)・7日(日)
京都府南丹市美山町 かやぶきの里 美山文化ホールにおいて、
左官を考える会が主催する 『左官講習会』 が開催されました。
会場に到着すると、そこには何と素晴らしい(羨ましい)
かやぶきの文化を表現する、近代的で設備の行き届いた
凄い会場が待ち受けていました。
100人を超す参加者を迎え講習会がスタートです。
司会は、京都の若手代表、中須氏、田中氏です。
ステージでメイン講師の京都 山本忠和氏の挨拶と模範実技が行われます。
中塗から切り返し仕上げまでの工程です。
鏝の動き、握り方、土の運びなど様々なポイントを解説しながら、
作業をすすめます。
流れるような山本氏の鏝の動きをどうぞ!
鏝を軽く握りながらも、時には素早く、
時には驚くほどゆっくりと、
体、腕、手、鏝が一体となって動く様はまるで歌舞伎の舞台・・・。
優雅に土と戯れているように見えます。
山本氏のなかなか見る事の出来ない土物の技は、
参加者全員の視線を釘付けにしています。
カッコイイです、ほんまに!!
希望者に壇上でチャレンジしてもらいました。
オオッ 周りの厳しい視線の中でも山本氏の良いイメージが出ていますね。
高度な技を直に見る事は、貴重なデータとなって頭と体にインプット
されるのです。
そのイメージをそのままに、各自持参のパネルに塗り付け開始です。
中塗土もたっぷりと用意されています。
どうですか、この立派な会場!
一気に100名の参加者が塗り付ける様は迫力満点です。
そして、講師陣がまた凄いんです。
左官を考える会の会長、兵庫の植田俊彦氏をはじめ、
三重 松木憲司氏、 愛知 加村義信氏、 三重 西川和也氏、
京都 飯田能三氏、 京都 長谷川正樹氏、 愛知 川口正樹氏、
東京 小沼充氏、 東京 木村一幸氏、 石川 竹本茂之氏、
篠山 南俊之氏、 そして、特別ゲストの久住章氏です。
このツワモノ軍団が参加者に 「左官愛」 の鞭をビシビシと振るのです。
しかし参加者のレベルもかなり高く、
そのやりとりが見学者を飽きさせる事がありません。
メチャクチャ楽しい!? いやっ 失礼・・・
勉強になる実技指導の場面でした。
初日最後のスケジュールは久住章氏が登場!
山本氏とお二人の討論会が行われました。
鏝やチリ刷毛等の使い方、土やスサ、砂、顔料などの材料について、
カルリスマが語る、左官をむき出しにした対話は実践に即役立つ内容でした。
それにしてもご両人の知識の豊富さには驚きました。
2日目、更に高度な技術の公開です。
参加者は、先ずは朝から昨日の続きで中塗の上に切り返しの
仕上げを実習しました。
そして、その後山本氏による築地塀での置き筋(めがね)の実演が
行われました。
滅多に見る事の出来ない伝統技法です。
京都では良く見るお寺の塀に施されている白い線がこれなんですね。
この箱のような物が肩を引くめがねと言われる道具です。
糸1本分の隙間を調整して繰り返し漆喰を塗り付けて、線を横へ伸ばして行きます。
繊細な作業に息を潜めて見つめます。
次に、板塀(大和塀)の水切り(猫足)の実演です。
細めのトメサラエや自作の猫足の型引きを駆使しての技になります。
下地から仕上げ塗まで緊張を強いられる作業です。
やはり細かな作業は実に見事で、出来あがりを見ただけでは決して
理解出来ない複雑で奥深いものです。
2日間に渡り、左官の技を披露し終えた山本氏の体からは、
左官オーラが溢れ出ています。
見事な鏝さばきと分かり易い解説で、ご参加の皆さんに強烈な印象を与え、
心と体に左官技をじっくりと浸み込ませてくれた素晴らしい講習会でした。
かやぶきの里 京都美山の地で開催された、
左官を考える会の講習会は最高でした。
テーマとして掲げられた、若手左官職人のなぜ?どうして?を解決!
それに見事に答えた内容でした。
同時に、素晴らしい交流の場であった事も、これからの若い左官職人さん達が
得た貴重な宝物になったと思います。
左官を考える会の皆様、大変お世話になりました。
皆様の温かいお人柄に心より感謝申し上げます。
少しでも見習ってご恩返しが出来るよう頑張ります。
講習会にご参加の若い皆様の熱心さにも大いに刺激を頂きました。
ありがとうございました。
そして、左官を愛する若き人の清らかな涙にも出会い心打たれました。
左官の未来は明るいですね。
つづく (夜の部?)
投稿者 Tomizawa : 2009年06月11日 18:05