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2008年04月21日
2月3日・24日 東京都足立職業訓練校で、
久住章氏による竹小舞の講習会が開催されました。
今回の講習会では小舞3種類を学ぶと共に、それぞれに
荒壁を付けた後、強度試験も行う予定で、参加者が真剣に
取り組む実践向けの講習会でした。
さあ、施工開始です。
土台は5寸角で組みます。
柱は4寸角で建てていきます。
土台、柱にはほぞ穴が切ってあります。
左官屋さんの集まりとは思えない大工さん顔負けの
テキパキとした組み上げです。
今回使われた竹は滋賀県の(有)竹松さんの材料で、
弊社でお世話をさせて頂きました。
山口工芸社 山口氏に間渡し竹、割竹の割り振りをお願いし、
竹松さんで加工して送ってもらった物です。
十分に寝かされた竹は、しっかりとした材質で色艶の素晴らしい
物です。
ワラ縄もきっちりと編みこまれた表面が綺麗な物で、
品質にこだわる竹松さんが選ぶ丈夫な縄です。
梱包を解き細部の加工に入ります。
斧を使って縦横のえつり穴に差し込む様に両端をカットします。
簡単のようで難しい作業です。
貫板を差し込みます。
貫板を差し込んだ部分の上場にクサビを打ち込みます。
これも緩まない様にクサビの向きがあるんですね。
横間渡し竹の組み込みです。
横間渡し、横割り竹を交互にはめ込みます。
横竹のセット完了です。
次に縦間渡し竹を組み込みます。
これが終わるといよいよ小舞の編み込みです。
久住親方から3種類の編み方やワラ縄の扱い方を
ご指導頂きます。
はっ早い!
しかし、しっかりと力強く編み込んでいく技はさすがです。
一度や二度では理解出来ません。
さあ皆さん編み込み開始!
何と言っても数をこなして慣れるしかありません。
真剣に時間を忘れて取組ます。
久住親方の 「もっときつく編まないとあかん。全部ほどいて
やり直しや!!」 と厳しい言葉も飛び出します。
編んだり解いたり繰り返すうちに段々上達して行くのが分かります。
狭い竹の間を指を駆使してきつく編み込む作業は大変です。
手袋をしていると作業がはかどらず素手でチャレンジ!
指に血が滲んでいる人も・・・。
完成した小舞を外へ運び出します。
しっかりと編み込まれて頑丈に出来ました。
そして再び組立開始。
本格的な小舞壁は迫力ありますね。
組み上がりました。
次回、夏の荒壁塗付けまでここで待機です。
このままでも、見ていて飽きない美しい作品ですね。
小舞編み込みまでの講習会も無事に終了しました。
久住親方の総評です。
「全体的にはかなり良く出来ました。
簡単な編み方から本格的な方法まで経験出来たと思うが、
ここからは自分で研究してもっと良い工法を個々に作り
上げていって下さい。」
2日間の受講者に、講習終了証書が手渡されました。
余談ですが、昔の人の荷造りの仕方とか、ワラ縄の使い方とか、
久住親方は本当に何でも良く知ってます。
そして、簡単にやって見せてくれます。
その驚きの技は人の心を引き付けて止みません。
そして、小舞を編む時の親方の動きは、鏝技とは違った
力強く激しいものでした。
ワラ縄を引き締める時の姿は魅力的で印象に残るカッコ良さでした。
次回の荒壁の施工が楽しみです。
投稿者 Tomizawa : 2008年04月21日 15:43