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2007年10月06日
飛騨高山の 「職人社 秀平組」 挾土秀平氏の現在建築中の
迎賓館をお尋ねしました。
その建物は、高山駅近くに建っていた築100年の洋風建築の
豪邸で、それを挾土氏所有の1700坪の地所に移築しています。
挾土氏がここ数年没頭している大事業です。
それは見事な建築で、当時の高山の高度な木工技術を結集して
建てられた事は容易に想像出来る秀作です。。
中央のマントルピースはその風格に圧倒されます。
さらに驚きは、天井の四方周り縁に施されていた蛇腹引き
の装飾です。その大きさと左官技術の凄さに言葉を無くします。
そしてその蛇腹を復元する訳ですから、これまた気が遠くなるような話し!
裏側を見ると木摺(きずり)の構造を組み込んだ工法で出来ています。
ガッチリと食らい付いた漆喰は100年経った今も、
強度を保った素晴らしい物です。
ふと見ると漆喰が塗り付けられる木摺の板が外して立てかけてありました。
さらに近づいて見てみると・・・。
アレッ? 麻だ!
「チリトンボ」が打ってあるのに気が付きました。
そうです。
「チリトンボ」を使ってしっかりと補強してあります。
それにしても見て下さい。
この100年前の生き生きとした麻を!!
100年前の麻のアップです。
引っ張っても強い繊維質を保っています。
施工した当時の状態がそのままで、「チリトンボ」として
頑張っていたのですね。
こちらは、現在の「チリトンボ」です。
比べて見てもあまり変わりがありませんが、
むしろ、今の方が麻の質が弱い?
なんて感じてしまうほど100年経年した麻は凄いのです。
この様に貴重な発見やデータに基づいて、挾土氏の集大成である
迎賓館は着々とじっくりと完成に向けて進行しています。
本物を知る男が作り出す世界はどんな風になるんだろうと・・・。
きっとまた、大騒ぎになると思っているのは私だけでしょうか。
あ〜、完成が待ち遠しい!
やさしい カリスマ左官 挾土秀平様、ありがとうございました。
投稿者 Tomizawa : 2007年10月06日 09:32