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2012年02月27日
八坂神社 通り向かいの路地を少し中に入ったところにある、
静かな佇まいを見せている一軒家が、
お目当ての 「にくの匠 三芳」 さんです。
にくの匠 店主 伊藤力氏が技を駆使して作り出す、
素材の良さをを活かした肉料理の世界を
今夜はたっぷりと楽しみたいと思います。
店主に挨拶をいただきカウンター席に案内されます。
きっちりと手の行き届いた店内でスタッフの皆さんがてきぱきと
仕事をこなしています。
先ずはビール 「八海山泉」 をいただきます。
日本酒で有名な銘柄ですがビールのお味は如何に?
綺麗な美味しい水で仕上げたのが分かる、
口当たりが爽やかなお肉と合いそうな飲み口です。
八寸 「近江牛の煮こごりと昆布巻き」
日本の伝統的料理をお肉を使って優しく美味しく仕上げてあります。
昆布の風味をしっかりと含んだ旨みは既に技ありの世界です。
「亀岡牛 いちぼの燻製」 です。
噛み締めれば燻製の良さがにじみ出てくる美味しさで、
お肉の味がしっかりと楽しめます。
ビールとの相性ばっちりです。
「近江牛のタン 昆布締め薄作り」 です。
塩昆布と薄口ポン酢が添えられています。
ほんの軽目に締められたタンの食感は
今まで口にしたことの無い、きめ細かで滑らかな舌触りと
旨みが凝縮された素晴らしい美味しさです。
何という技でしょう!
感激の逸品です。
ここから、お薦め日本酒といきましょう。
「龍神」 群馬県の銘酒です。
香り爽やかなさっぱりとした口当たりですが、
口の中でころがすとコクも有る芳醇な美酒です。
グラスは吟醸酒専用の香りを楽しめる優れものです。
店主の手は休まず動きます。
目の前で色鮮やかなお肉のブロックを炙りだしました。
「近江牛 三角バラの炙り」 です。
炙ることで上品な油の香りが引き出されて
甘味たっぷりな美味しさを楽しめます。
一口酢飯に炙った三角バラ肉を乗せ、その上に雲丹をトッピングしてあります。
うおっと唸ってしまう贅沢な美味しさ!
香ばしいお肉と雲丹とご飯の相性の良いことこの上ない
劇的な組み合わせです。
さて次なるは 「信州牛のしゃぶしゃぶ」です。
木箱から取り出したるは布に一枚一枚くるまれた
宝物の様なサシの見事なしゃぶしゃぶ用のお肉です。
出し汁に水菜を通して温かいお皿に飾った後、
華麗な手さばきでお肉をしゃぶ〜しゃぶ〜と温める程度にくぐらせ
盛り付けます。
う〜ん 出汁の良い香りが食欲をそそります。
フレッシュな柑橘たっぷりのポン酢でいただきます。
信州牛しゃぶしゃぶの出来上がり。
どうですかこの彩り鮮やかなこと。
お薦めの奥播磨とコラボ。
さあ、いざ一口頬張れば、
出汁とのバランスも良くとろけるような肉質と甘味が、
口の中一杯に広がります。
お見事としか言いようがありません。
そして 「近江牛ハラミと松茸の土瓶蒸し」 です。
大きい松茸です。
柔らかいハラミのお肉は松茸の風味をたっぷりと吸って、
香り豊かで上品な逸品に仕上がっています。
お肉の土瓶蒸しは初めての出会いでした。
メインディッシュの 「近江牛ミスジのステーキ」 です。
岩塩と山さんしょうが添えられています。
周りは香ばしく焼かれ、中は見取れてしまうほど美しいレアの状態です。
細やかなさしの入った肉質はあっさりとした食感ですが、噛み締めると
濃厚でもあるミスジの味わい溢れるステーキです。
実に旨い!
ご飯もしっかりいただき、デザートの抹茶シャーベットも堪能した、
至福の一時でした。
三芳では何と言ってもカウンターが特等席です。
若き店主が素材の良さを目利きし、
目の前で鮮やかに技を駆使して提供してくれます。
そして肉を知り尽くした巨匠のその調理の仕草や
一品ごとに料理を彩るこだわりの器の美しさを拝見していると
さらに心底味わい深い三芳の世界へ導惹かれていくのです。
今度はいつ来られるかな・・・と、
心地よい余韻の中で思わず考えてしまう 「にくの匠 三芳」 でした。
店主、三芳の皆様ありがとうございました。
京の夜、酔い覚ましに冷たい空気に触れながら、
辰巳神社あたりを散策します。
ふらふらと最後にたどり着くのはお決まりの四条大橋。
いろいろと思いを巡らせながら暫し眺める四条の景色・・・。
京都の楽しみの一つです。
そして京都の夜は更けていったのであります。
投稿者 Tomizawa : 2012年02月27日 17:47