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2009年05月27日
平成21年5月24日
第6回 漆喰・土壁 技術講習会が開催されました。
どうした訳か今回もまた雨です。
しかしながら、全国から200人以上の熱心な方々にご参加いただき、
お陰様で雨を吹き飛ばす勢いの熱い講習会になりました。
9時の受付前から鏝・道具・書籍の前には人が集まっています。
テーマは、大津磨きと現代大津磨きです。
過去磨きのテーマは、土佐漆喰磨き、江戸黒磨き、伊勢磨きと
行ってきましたが、念願叶って大津を見せてもらう事になりました。
講師は、東京の小沼充氏、京都の山本忠和氏です。
そして、今回は特別ゲストに久住章氏をお迎えし、随時小沼氏、山本氏の
作業工程を追いかけて分かり易く解説をしていただきました。
小沼氏が仕上げた作品で、銀座 一草さんの沖縄土大津磨き壁の、
施工の写真も展示しました。
さて、平成会会長の阿嶋氏のentertainerな司会で講習会開始です。
灰土からの工程に合わせて、材料のレシピや、鏝の種類、その動かし方など
詳細に説明がなされていきます。
普段目にする事の無い、ワラスサの斧での叩き方、フルイ(箕)での分け方など、
実際に見なければ理解出来ない作業も演出してくれました。
小沼氏、山本氏両者が言葉のキャッチボールをしながらそれぞれのパネルに技を施し、
それを、久住氏がタイムリーに解説してくれます。
何と贅沢な事でしょう!
時には互いの進行具合をチェックします。
榎本新吉氏の愛弟子、小沼氏の代表的な仕事としては、東京芝の青松寺の
青の大津磨きの大壁と、座禅堂の赤の床現代大津磨きや、
沖縄県立博物館新館美術館、銀座 一草、その他多数の住宅、
店舗を仕上げられています。
山本氏は若くして京都の伝統工法を継承し、京都の重要文化財
安楽壽院の漆喰壁や土塀、九州佐賀城の本丸御殿、
住宅では、UHA味覚糖やミキプルーンの社長宅など多くの現場を
手掛けられています。
榎本新吉氏もお見えになり、若いご両人の技をじっくりと見ておられました。
見学者も、工程が進むにつれて大津磨きの魅力に引き摺り込まれ、
小沼氏、山本氏の鏝さばきを真剣に見入っています。
昼休みもご覧の通り、舞台周りは人が絶えません。
次に現代大津のオブジェが登場しました。
石膏とタナクリーム砂漆喰で出来上がった下地に、
現代大津のノロを刷毛で塗り付けます。
鏝を使わない局面であれ何であれ自由に磨ける技法のお披露目です。
ノロを塗り終えた後、水の引き具合を見て軍手をはめて、
手の平で磨き込んでいきます。
あれよあれよと言う間に光ってきました。
そして、磨き手はいつの間にか女性だけになっています。
現代大津の美しさ、面白さに会場も沸いています。
盛り上がった講習会も終盤に入り、
挾土秀平氏に総評と大津磨きの美しさと難しさを語っていただきました。
そして、秀平氏の腕をもってしても何回も失敗しながら覚えた事も・・・。
奥が深いんです、大津磨きは!
活発な質疑応答が交わされました。
材料について、鏝の動かし方、鏝の形状、実際の現場での対応、施工価格、
その他、終了時間を延長するほどの濃い内容でした。
講習会もお陰様で無事終了しました。
完成したオブジェは倉庫の2階へ引っ越しです。
小沼氏、山本氏に仕上げていただいたパネルも、
美しい大津磨きらしい輝きを放って仲良く2階で並んでます。
参加者の多くの皆さんの手を借りて、会場の後片付けも終わりました。
無事終了してほっとする瞬間です。
いつもながら皆さんの手際の良さに驚くばかりの私です。
不思議といつも片付けの時は雨が止むんですね、これが。。。
今回の講習会は分かり易かったというお声を沢山いただきました。
とても嬉しい評価です。
早い時期から小沼様、山本様にご準備いただきました。
弊社で扱う材料を使って試行錯誤を重ねた上で講習会に臨んで下さいました。
開催1ヵ月前には実際に京都の山本工業所様の事務所でご両人にリハーサルを
お願いし、その場に久住氏、植田氏、松木氏にも立会をいただきました。
良い評価をいただいたのも、これだけ心を込めて準備をして下さった結果だと思います。
素晴らしい左官愛溢れる出来事でした。
小沼充様
山本忠和様
お二人の左官職人としての心意気、お人柄に心底感動しました。
どれだけ感謝してもしきれません。
本当にありがとうございました。
久住様、挾土様、植田様、松木様、西川様
お忙しい時にもかかわらずお越しいただきましてありがとうございました。
平成会の皆様、いつもながら大きなお力をお貸しいただきありがとうございます。
本当に大きくて、強い、楽しい、左官力の凄い平成会の皆さんに感謝です。
そして、ご参加いただき盛り上げていただいた皆様に心からお礼を申し上げます。
ありがとうございました。
次回も皆様のお役に立てる講習会が出来るよう頑張ります。
※弊社に材料は揃っています。
皆さんもチャレンジしてみませんか・・・大津磨き・現代大津磨き!
投稿者 Tomizawa : 2009年05月27日 20:39