『南イタリア紀行 No2』
トゥルッリ民家が立ち並ぶ斜面の町、アルベロベッロの巻
プーリア州のムルジェ地方にトゥルッリと呼ばれる円錐形ドームをもつ農家が広く分布しています。やや内陸のオリーブ林やぶどう畑が続くゆるやかな丘陵地が、その独特の建築文化の舞台です。
このあたりは石灰岩と凝灰岩の層の上にあり、どこでも少し掘れば簡単に良質な石材がとれます。それを、モルタルを使わずにそのまま積み上げてドーム状に屋根を架け、さまざまな建物が古くから作られて来ました。ドームの下の外壁の部分には石灰が塗られており、太陽の下で白く輝く姿は大変美しいものでした。繰り返し壁を乳状の石灰で塗るため、その層の重なりで独特の丸みのあるテクスチャーが生まれ、新しい建築には無い味が出ていました。内部も石灰で塗られていて明るく清潔で居心地の良い空間が広がり、夏は涼しく冬は暖かいそうです。
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